山田晴通:担当講義科目


2001年度は、国外研究のため講義の担当はありませんでした。
2000年度の担当講義科目へゆく。

2002年度


週間時間割:2002年度・前期2002年度・後期::休講の予定と記録::オフィス・アワー
東京経済大学(大学院コミュニケーション学研究科) 東京経済大学(コミュニケーション学部) 東京経済大学(経済学部・経済学科) 東京経済大学(各学部共通) 国立音楽大学(音楽学部) 岩手大学(人文社会科学部)

プロジェクト研究科目「映像と音楽」[修士課程]

東京経済大学大学院(金曜日:大学院6時限:通年)

 この講義は、伊藤守講師(早稲田大学教授)との合同の講義です。2002年度については、山田は主に後期の授業を担当する形となります。

 以下は、プロジェクトを企画された田村紀雄教授による授業概要の説明です。
【授業科目の概要】
 大学院コミュニケーション学研究科の独特な授業である。プロジェクトとは、本来その参加者が特定のテーマで研究、調査し、共同で成果をアウトプットするものである。本研究科では、ほぼ2年をサイクルにテーマと教員をきめ運用している。今回は、広義の文化研究として、山田助教授と伊藤講師により、実施される。山田助教授は音楽を土台に、伊藤講師は映像をベースにこれらのメデイアと現代社会を考察する。広義は2人の担当者により、分担して実施されるので、授業中の指示を見逃さないように。採点・評価も同様である。
[この講義は、2002年度からの新たな担当科目です]
[2002年度のこの講義は、分担する科目なので、採点結果は公表しません。]


メディアと文化の実証研究[博士課程]

東京経済大学大学院(水曜日:大学院6時限:通年)

【概要】  写真や映画、あるいはラジオや電話、それにレコードといった19世紀末に登場したものから、20世紀中頃のテレビ、そして最新のインターネットまで、さまざまに競争・共存する現在のメディアと現代文化の関係を調べる。現代文化といってもその範囲は芸術や娯楽、あるいは生活スタイルなどに渡る広範なものである。
 従って、例えば、「ポピュラー音楽」や「スポーツ」など具体的テーマを設定した調査をする。

[この講義は、2002年度からの新たな担当科目です]
[2002年度のこの講義は、受講希望者がなく休講となりました]


データ・アクセス法

東京経済大学コミュニケーション学部(月曜日:4時限:前期/後期)(木曜日:1時限:前期/後期)

【授業表題】
 文献情報を中心とした情報検索の方法

【授業内容】
 オン・ライン/オフ・ライン、あるいは、エレクトロニック/ノン・エレクトロニックの違いを問わず、一般的にデータを収集をする上で表面化する諸問題を論じた上で、文献情報データベース等へのアクセスを中心に、具体的な実習を行う。具体的には、大学図書館の館内システムや、多数の図書館を結ぶネットワーク(学術情報センターのシステムなど)について、その仕組みを理解し、実際の利用方法を実習するとともに、インターネットを活用した情報検索についても講義と実習を通じて理解を深める。
 ネットサーフィンとメールの送受信ができることは、この授業の前提である。受講希望者は、遅くとも第2回の講義時までに、山田研究室のサイト(トップページのURLは、http://camp.ff.tku.ac.jp)を見て、感想をメールで山田宛(yamada@tku.ac.jp)に送ること。
 今年度は複数コマの開講となるので、最初のメールを送る際に、氏名、学籍番号とともに、登録している期(1期、2期)と曜日を明記すること。

【教科書】 なし(必要に応じてプリント教材を配布する)。

【参考文献】 随時指示する。

【関連授業科目】 コンピュータ・リテラシー関連科目

【評価方法】
 授業の中で頻繁に課題を与える。課題作業への評価の累積で、最終的な評価を下す。
 授業の進行によって、課題作業の実施回数が変化することもあり、事前に個々の作業の配点は公表できないが、期末に提出を求める大きな課題2題が合わせておおむね50%、それ以前の課題作業への評価の累積がおおむね50%の比重として評価を下す予定である。
 過去の開講時における課題作業の内容は、研究室のウェブ・ページで公開している。

【授業計画】
 半期の講義を通して、授業二〜四回程度を一つの区切りとして、次の五つのテーマを順次取り上げながら授業を進めていきたい。
   ・文献情報の基本的問題
   ・図書館内の文献情報
   ・インターネットを利用した情報探索
   ・メーリングリストの特色と活用
   ・テーマをもった文献表の作成
 なお、講義の必要から、通常の教室以外の場所(学内)で授業をすることもあるので、常に掲示等に注意しておくこと。


 過去の開講時における授業内容は、研究室のウェブ・ページで詳しく公開している。今年度は、おおむね2000年度に準じた授業内容となる見込みである。

 なお、講義内容等については、追加情報を含め、研究室のウェブ・ページで常時情報を提供しているので、こちらも参照すること。
 http://camp.ff.tku.ac.jp/YAMADA-KEN/

[1996年度の採点結果は資料がないので公開しません。]
[1997年度の採点結果:A=14人、B=4人、C=1人、Z=5人]
[1998年度の採点結果:A=12人、B=1人、C=1人、Z=10人]
[1999年度は担当しませんでした]
[2000年度の採点結果:A=12人、B=4人、C=1人、Z=7人]
[2001年度は担当しませんでした]

[2002年度の採点結果:<月4前期>A=4人、B=2人、C=2人、Z=4人]
[2002年度の採点結果:<木1前期>A=11人、B=5人、C=1人、Z=5人]
[2002年度の採点結果:<月4後期>A=7人、B=8人、Z=14人]
[2002年度の採点結果:<木1後期>Z=3人]

[後期のクラスについて2002年度「授業アンケート」の集計結果を公開しています。]


地域のコミュニケーション

東京経済大学コミュニケーション学部(木曜日:3時限:通年)

【講義表題】
 「地域」と「コミュニケーション」の諸問題

【講義内容】
 コミュニケーションをめぐる議論は、社会総体を対象とする普遍的なマス・コミュニケーションの問題として、個人レベルのパーソナル・コミュニケーションの問題として論じられる場合が非常に多い。言い換えれば、中間的な、「地域」のスケールで論じられるべき問題は、見落とされがちなのである。コミュニケーションをめぐる諸問題のうち、マス・メディアに見られる地域間の差異、地域メディア、コミュケーション形態にみられる地域性、あるいは、マス・メディアの流す地域イメージなどは、そのような問題の例である。こうした地域のコミュニケーションをめぐる諸問題について概説するとともに、「地域」スケールの問題意識が、マス・コミュニケーションやパーソナル・コミュニケーションに対して提起していく課題についても論じる。

【教科書】 なし(必要に応じてプリント教材を配布する)。

【参考文献】
 随時指示する。ただし、意欲のある者には、次の二冊が役立つだろう。
   ・竹内・田村・編『新版地域メディア』日本評論社
   ・大石 裕『地域情報化』世界思想社

【関連授業科目】 関連科目としては、社会学、人文地理学、コミュニケーション学部の基幹科目に置かれているメディア論などがあげられる。

【評価方法】
 臨時レポートを数回課し、それらの評価を総合し、出席状況を加味して評価を行う。
 詳しくは講義の中で指示する。ただし、受講者数や授業の進行によって、臨時レポートや小テストの実施回数が変化することもあり、事前に個々のレポート、テストの配点は公表できない。
 過去の開講時におけるレポートの出題内容は、研究室のウェブ・ページで公開している。

【講義計画】
 一年の講義を通して、授業二〜四回程度を一つの区切りとして、次の八つのテーマを順次取り上げていく。ただし、取り上げる順序などは、多少変更が生じるかもしれない。
   ・「地域」と「コミュニケーション」の結びつき方
   ・「地域メディア」の位置づけ
   ・日刊地域紙
   ・CATV
   ・その他の「地域メディア」
   ・「地域情報化」政策
   ・地域社会の変化とコミュニケーション
   ・「地域イメージ」の諸問題


 過去の開講時における授業内容は、研究室のウェブ・ページで詳しく公開している。今年度は、おおむね2000年度に準じた授業内容となる見込みである。

 なお、講義内容等については、追加情報を含め、研究室のウェブ・ページで常時情報を提供しているので、こちらも参照すること。
 http://camp.ff.tku.ac.jp/YAMADA-KEN/

[1996年度の採点結果は資料がないので公開しません。]
[1997年度の採点結果:A=17人、B=8人、Z=11人]
[1998年度の採点結果:A=24人、B=17人、C=2人、X=1人、Z=26人]
[1999年度の採点結果:A=4人、B=3人、Z=11人]
[2000年度の採点結果:A=21人、B=5人、C=4人、Z=14人]
[2001年度は担当しませんでした]

[2002年度の採点結果:A=45人、B=30人、C=9人、X=2人、Z=52人]
2002年度「授業アンケート」の集計結果を公開しています。]


フレッシュマン・ゼミ

東京経済大学コミュニケーション学部(金曜日:1時限:前期)

【授業表題】 ゼミナールの「掟」を学ぶ

【授業内容】
 ゼミナール=演習という形式は、大学教育においては重要な位置を占めるものであるが、高校までの教育にはほとんど取り入れられていない。フレッシュマン・ゼミでは、まずゼミという形式に慣れ、自発的に学び、考える姿勢を身につけることが第一の課題となる。具体的には、共通の課題図書を選んで輪読し、その内容について報告し、討論する経験を通じて、
    ・報告要旨の作り方
    ・プレゼンテーションのコツ
    ・協調的で創造的な議論の作法  など
ゼミを運営していく上で必要な事柄が身につくように指導する。
課題図書は、できるだけコミュニケーション論以外の分野(ただし何らかの意味での隣接分野)から、専門性があまり高くない新書程度のレベルのものを選び、半年かけて読破する。隣接分野について浅く広く知識を得ることは、このゼミの第二の課題である。課題図書の最終的な決定は、ゼミ参加者と相談した上で行うが、次に「参考文献」として挙げるものの中から選ぶ予定である。

【教科書】 なし(必要に応じてプリント教材を配布する)。

【参考文献】 課題図書の候補
    橋爪大三郎『はじめての構造主義』講談社現代新書
    笹澤 豊 『小説 倫理学講義』講談社現代新書
    上野千鶴子『スカートの下の劇場』河出文庫

【評価方法】
 授業への参加姿勢(特に議論への積極的な参加)への評価(40%)、担当部分についての報告内容(30%)、期末に提出する臨時レポート(30%)を総合して評価を下す予定である。

【授業計画】
 最初の授業で課題図書を選定し、個々の分担部分を決める。2回目には、最初の部分について、授業担当者(山田)が報告する。以降、毎週指定された報告者が、分担部分について報告をしてゆく。
 なお、学期の途中で、1泊程度の合宿を行う予定である。

 なお、講義内容等については、追加情報を含め、研究室のウェブ・ページで常時情報を提供しているので、こちらも参照すること。
 http://camp.ff.tku.ac.jp/YAMADA-KEN/

[1995年度、1996年度の採点結果は資料がないので公開しません。]
[1997年度の採点結果:A=9人、B=6人、C=1人]
[1998年度採点結果:A=8人、B=6人、C=2人]
[1999年度〜2001年度は担当しませんでした]

[2002年度の採点結果:A=8人、B=4人、C=1人]


演習

東京経済大学コミュニケーション学部(土曜日:1時限:通年)

【演習表題】
 小規模メディアと参加型コミュニケーション

【演習内容】
地域メディア(地域紙、CATV、コミュニティFM等)やウェブ上のメディア(ウェブ・ページ、ウェブ・ラジオ等)など、マス・メディアとパーソナル・コミュニケーションの中間領域を占める小規模なメディアについて、現地見学や実習を重視しながら考えていく。今年度は特に、受け手・市民の参加について論点を絞っていきたい。
 具体的には、地域メディア論や、ウェブ・サイトに関する文献を輪読し、それを踏まえた討論を演習の中心としながら、報告担当者には、関連する文献の展望・紹介を課し、当該分野における研究の現状が把握できるよう指導する。また、文献の内容に関連する施設等の見学のため学外へ出る機会もあるし、ウェブ・サイトの構築などの作業課題も課す。
 演習の性格上、時間割りの外での拘束もあるし、ゼミの運営は強いコミットメントを要求する。参加者は、「カネ」、「ヒマ」、「根性」のうち少なくとも二つは充分に備えていること。
 なお、事前に山田晴通研究室のウェブ・ページを見ておくこと。

【教科書】
 未定(専門書を使う可能性がある)

【参考文献】
 随時指示する。

【関連授業科目
 地域のコミュニケーション、データ・アクセス法、メディア制作(特にウェブ・ページ構築)

【評価方法】
 平常点。出席状況、報告・発表のほか、討論等への参加も評価の対象とする。

【授業計画】
 最初の数回の授業で、参加者の関心の所在などについて確認した上で、課題文献を授業担当者(山田)が選定する。以降は、毎週指定された報告者が、課題文献の分担部分について報告をしてゆく。
 授業時限以外に、学外の施設見学等に出かけることが年に数回あるほか、夏季休暇を利用して一週間程度の合宿を行う。こうした活動の準備も、できるだけ参加者が自主的に行えるよう指導する。

 演習に関連する連絡事項は主に電子メールによってやりとりをする。参加者は、普段から、頻繁にメールボックスを開けるよう心がけること。

 なお、講義内容等については、追加情報を含め、研究室のウェブ・ページで常時情報を提供しているので、こちらも参照すること。
 http://camp.ff.tku.ac.jp/YAMADA-KEN/

[この講義は、2002年度からの新たな担当科目です]
[旧カリキュラムの「コミュニケーション演習I/II」の採点結果は、過年度のページを参照してください]

[2002年度の採点結果<旧カリ生を含む>:A=2人、Z=1人]


フレッシュマンセミナー:

東京経済大学経済学部(月曜日:5時限:前期)(木曜日:5時限:前期)

 この講義は、複数の担当者が共通のシラバスによって実施します。
 以下に共通シラバスの内容を引用します。
【授業内容】
 この科目の目的は皆さんが高校から大学への転換教育にあたって,1年生の時から少人数で教員とゼミ生と共に学び授業に自主的に参加することをねらっています。具体的には大学の授業で必要な読む,書く,話すの3要素を以下の方法で学びます。
(1)情報収集・文献検索
 図書館の使い方,図書館での文献検索の利用方法を習得します。
(2)素材のまとめ・分析・報告
 新聞記事,雑誌記事,本などを読み,その骨子を把握できるよう努め,発表の方法について学びます。
(3)レポートの作成
 前期のレポートを作成します。宿題として課題レポートが出されることもあります。レポートの基本的な書き方(タイトル,章構成,引用,参考文献)を学びます。

 以上はフレッシュマンセミナーの共通点であって,各教員によって若干の変更があることもあります。
【教 科 書】 各教員が指示します。
【参考文献】 各教員が指示します。
【評価方法】 期末レポートの提出と出席を重視し,授業への参加態度を総合的に判断します。
【授業計画】 各教員が指示します。
[この講義は、2002年度からの新たな担当科目です]

[2002年度の採点結果:<月5>A=10人、B=9人、Z=1人]
[2002年度の採点結果:<木5>A=9人、B=9人、Z=2人]


メディア表現

東京経済大学全学部(土曜日:2時限:通年)

【授業表題】 メディアの特性を理解し、表現の可能性を探る

【授業内容】
 現代社会において、私たちは好むと好まざるとに関わらず、メディアに囲まれた生活を送っている。しかし、メディアは単なる情報の乗り物としての「媒体=メディア」ではない。コミュニケーション論は、伝達媒体としての個々の具体的なメディアに、それぞれ特有の歪みや限界があることに注目してきたし、それが新たな表現の可能性をもっていることにも関心を寄せてきた。また、記号論的な立場から「コミュニケーション」を論じる議論は、メディアが透明なガラスのようなものではないことを明らかにしてきた。様々なメディアが、どのような特性をもち、メッセージなり表現にどのような影響を与えるのかを理解することは、現代社会を生きる私たちにとって重要な課題である。
 この授業では、身近なメディアの事例から出発し、主に視聴覚メディアに素材を求めながら、メディアを使って展開される様々な表現の可能性を考えていく。具体的には、芸術表現に属するような作品から、映像記録やニュース、さらには、自動的に生成される映像まで、多様な形態の映像作品に論及しながら講義を進めていく。

【教科書】 なし(必要に応じてプリント教材を配布する)。

【参考文献】 随時指示する。

【関連授業科目】 関連科目としては、芸術学のほか、コミュニケーション学部の基幹科目・応用科目に置かれているメディア論、身体表現、映像と画像などがあげられる。

【評価方法】
 臨時レポートを数回課し、それらの評価を総合して評価を下す。
 受講者が多数の場合は、授業内に随時小テストを行う。
 詳しくは講義の中で指示する。ただし、受講者数や授業の進行によって、臨時レポートや小テストの実施回数が変化することもあり、事前に個々のレポート、テストの配点は公表できない。
 過去の開講時における小テスト等の回数や、出題内容は、研究室のウェブ・ページで公開している。

【授業計画】
(1期の前半)講義のはじめの部分では、コミュニケーション論の基礎的な図式を踏まえ、身近なメディアの特性を考えていく基本的なメディア論的視点を講じていく。
(1期の後半)次いで、視聴覚メディアの発達の歴史と、現代の様々な視聴覚メディアの技術的背景について、講じていく。
(2期)最後は、様々な映像作品(視聴覚メディア作品)に例をとりながら、メディアの特性を踏まえた表現の可能性について分析的に検討していく。また、実際に映像作品を制作している方をゲスト講師に迎えることも予定している。(詳細未定)

 過去の開講時における授業内容は、研究室のウェブ・ページで詳しく公開している。今年度は、2期の内容の一部を差し替える予定であるが、おおむね2000年度に準じた授業内容となる見込みである。[2000年度/講義に関するおしらせ/メディア表現

 なお、講義内容等については、追加情報を含め、研究室のウェブ・ページで常時情報を提供しているので、こちらも参照すること。
 http://camp.ff.tku.ac.jp/YAMADA-KEN/

[1999年度の採点結果<特別聴講生を含む>:A=62人、B=82名、C=17名、X=6名、Z=98人]
[2000年度の採点結果:A=99人、B=115名、C=32名、X=18名、Z=140人]
[2001年度は担当しませんでした]

[2002年度の採点結果:A=48人、B=49人、C=20人、X=8名、Z=40人]
2002年度「授業アンケート」の集計結果を公開しています。]

ポピュラー音楽研究

国立音楽大学音楽学部(水曜日:3・4時限(他校の2時限に相当):通年)


【講義題目】 日本のポピュラー音楽史

【授業計画及び内容】
 ポピュラー音楽についての基本的な理解を共有した上で、日本におけるポピュラー音楽の受容の歴史を、浅く広く振り返り、近代日本人の生活における音楽のありようを展望することが、この講義の課題です。
 [前期]は、まずポピュラー音楽をめぐる基礎的な「そもそも」の議論に時間を使います。「ポピュラー音楽とは何か?」という問いかけを、講義の最初の段階で時間をかけて検討することで、ポピュラー音楽にとどまらず、音楽を聴くこと、奏でること、学ぶことの意義を、改めて考え、さらに「あたりまえ」と思われる様々な概念を批判的に検討する方法を身につけて欲しいと思います。
 次に、日本におけるポピュラー音楽の歴史を、「商品化された音楽」「大量生産される音楽」という視点から検討します。議論の対象には、日本に持ち込まれた外来の音楽と、それを受けて日本で作り出された音楽の両方を含みます。議論の起点は録音技術がもたらされた二十世紀初頭に置かれます。[前期]で取り上げる範囲は、概ね戦前期までとなります。
 [後期]は、引き続いて戦後以降の様々なポピュラー音楽について検討してゆきます。講義では、だいたい歴史の流れに沿う形で、毎回異なるテーマについて取り上げますが、場合によっては多少、時代的な順序が前後することもあります。
 前後期を通じて、実際の音源を紹介する機会をできるだけ盛り込みたいと思います。受講する諸君には、普段聴かれることが少ないこうした音楽に耳を傾けるとともに、ポピュラー音楽研究には欠かせない、社会史的背景、技術の普及や革新、メディアと聴衆の関係など、「音楽」に内在しない側面からの検討について理解を深めて欲しいと思います。

【成績評価の方法】 前期、後期とも平常点とレポートによって評価します。(出席状況は、特に可と不可の判定の際に重視します。何らかの事情で欠席せざるをえないような場合は、できるだけ事前に相談して下さい。)
【使用テキスト】 教科書はありません。必要に応じてプリント教材を用意します。参考書類は講義中に紹介します。
【留意事項】 講義の中で、簡単なアンケートなどを実施することがあります。積極的に御協力下さい。

[1999年度の採点結果:A=33人、B=30人、C=1人、欠席=6人、失格=70人:ただし、今年度の講義内容は、この年度とはかなり異なります]
[2000年度、2001年度は担当しませんでした]

[2002年度の採点結果:A=16人、B=11人、C=1人、欠席=6人、失格=22人]
2002年度「授業アンケート」の集計結果を公開しています。]


音楽学講義

国立音楽大学音楽学部(水曜日:5・6時限(他校の3時限に相当):通年)


【講義題目】 ポピュラー音楽から考える

【授業計画及び内容】
 ポピュラー音楽は、通常の音楽学の枠組からすると、やや収まりの悪い位置を占めています。ポピュラー音楽を対象とした学術的な研究も、通常の音楽学とは少しずれた位置で展開されていることが多いようです。しかし、ポピュラー音楽が、私たちの日常生活に浸透した身近な音楽であることは間違いありません。この講義では、ポピュラー音楽研究においてもっぱら論じられてきた様々な論点を紹介した上で、それをより広く音楽学一般に問い返すとどのようになるだろうか、という問題意識をもって、音楽学への理解を深めていきたいと思います。
 [前期]は、まずポピュラー音楽をめぐる基礎的な「そもそも」の議論に時間を使います。「ポピュラー音楽」という言葉は、いざ定義をしてみようとすると、実は大変やっかいな概念です。そもそも様々な音楽ジャンルの間には、中間的な境界領域が、曖昧な形で広がっているので、どのように定義をしたとしても、ポピュラー音楽であるものと、そうではないものとを単純に二分することはできません。また、同じ「ポピュラー音楽」という言葉にも、「広い」意味や「狭い」意味、その他諸々の意味あいがあり、文脈によってこの「広がり」が変わったり、ずれていくことがしばしば生じます。同じ音楽でも、聞き手の立場や状態によって、またその音楽が提供されるメディアや環境によって、ポピュラー音楽になったり、ならなかったりすることもあります。「ポピュラー音楽」という言葉を定義づけようとすると、日常化した言葉の内に潜む、やっかいな側面が立ち現れてくるのです。この講義は、そうした面倒な事柄についてしっかり考えるところから始まります。
 [前期]の後半から[後期]のはじめにかけては、現在のポピュラー音楽の本質が確立されてきた歴史的過程を、十九世紀以降の技術の発展などを背景に検討してゆきます。特に、音そのもの、音楽そのものに限らず、それぞれの時代における技術的な裏付けや社会的な背景に注目し、社会現象としてのポピュラー音楽の意義を掘り下げ、翻って同時代の非=ポピュラー音楽、芸術音楽との対比についても考えます。
 [後期]の残りは、主にジャズの歴史をたどりながら、そこまでの講義の中で取り上げてきた論点を、具体的事例の中で考えてゆきます。

【成績評価の方法】 前期、後期とも平常点とレポートによって評価します。(出席状況は、特に可と不可の判定の際に重視します。何らかの事情で欠席せざるをえないような場合は、できるだけ事前に相談して下さい。)
【使用テキスト】 教科書はありません。必要に応じてプリント教材を用意します。参考書類は講義中に紹介します。
【留意事項】 講義の中で、簡単なアンケートなどを実施することがあります。積極的に御協力下さい。

[1998年度の採点結果:A=12人、B=11人、C=1人、欠=17人]
[1999年度〜2001年度は担当しませんでした]

[2002年度の採点結果:A=6人、B=2人、欠席=1人、失格=3人]
2002年度「授業アンケート」の集計結果を公開しています。]


文化論V

岩手大学人文社会科学部(集中講義:半期科目相当)

【シラバス】
 講義担当者(山田)は、メディア文化論と地域文化論にまたがる領域を主な専門としている。
 この講義では、担当者の既発表論文の講読を通して、この中間的な領域で展開されている議論を紹介する。

 集中講義は4日にわたって行われる。
 第1日には、コミュニケーション論、メディア論の基本的な概念を紹介した上で、基本的な概念的枠組みについて論じた論文を講読する。
 第2日および第3日には、地域メディアの具体的な事例を検討した論文を取り上げる。対象となるメディアは、日刊地域紙、ケーブルテレビ、コミュニティFMなどである。
 第4日には、メディアと地域=コミュニティの関係について、総括的な観点からの講義をする。

【テキスト等】
 一定のテキストは使用しない。論文数本をプリントとして配布する。

【授業の方法】 集中講義形式。

【評価方法】 講義中に随時実施する小テストと最終時限に実施する試験における得点を累積して評価する。

【備考】
 受講を予定している者は、事前に、担当者のウェブ・サイト(http://camp.ff.tku.ac.jp)を見ておくこと。講義の内容についても、準備が進むのに合わせてウェブ・ページで、より詳しい情報を提供する予定である。

[この講義は、2002年度のみの担当科目です。採点結果は公表しません。]


松本光太郎先生担当科目の引き継ぎについて

 松本先生が2002年度後期より授業担当を外れるため、先生が担当されていた科目は、担当交代の手続きがとられます。
 前期まで先生が担当されていた科目のうち、火曜日4時限の「演習/総合教育科目演習」と火曜日5時限の「卒業制作・卒業論文」は、山田が担当を引き継ぐことになります。今後の日程などについては、講義に関するおしらせの各科目に関するお知らせを見てください。

[両科目とも2002年度の採点は終了していますが、引き継いで分担した科目ですので、採点結果は公表しません。]


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前期の週間時間割   後期の週間時間割


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