【授業表題】近代日本におけるメディア文化としてのポピュラー音楽の歴史
【授業内容】社会的現象としてのポピュラー音楽は、メディアに深く依存して成立した近代の所産であり、現代メディア文化の重要な要素となっている。また、レコード、ラジオ、テレビ、インターネット等々と、多様なメディアとの関わりの中で、それぞれの時代における社会的役割を変化させてきた。この講義では、ポピュラー音楽をメディア文化の一形態と捉え、近代日本社会におけるポピュラー音楽の歴史的展開を、個々の音楽作品に内在する要素を超えたところで、音楽商品生産の担い手や音楽消費者の置かれていた技術的背景や社会的背景に注目しながら、検討していく。
具体的には、19世紀末から20世紀はじめの時期における録音と放送という大量複製技術の導入から最近に至るポピュラー音楽にまつわる諸現象を、時間の流れに沿って紹介し、それぞれの時期において、それぞれの現象を支えた技術的・社会的基盤について議論していく。しかし、この講義は、単に近代日本のポピュラー音楽の歴史を知ることが目的ではない。個々の時期の現象に関する議論は、それぞれポピュラー音楽という現象、あるいは、より一般的にメディア文化について実証研究を展開しようと試みる際の様々なアプローチを事例として示すものとして企図されている。したがって、議論の過程では、関連した(取り扱う時期の異なる)文献を並行して読んでいくといった作業も組み込まれることになる。
【評価方法】課題への評価の累積による。
【教科書等】(事前に読んでおいてほしい書籍等)
以下の1冊を教科書として指定するが、使用法としては副読本に近いものとなる。授業の中で読み進む部分もあろうが、大部分は、授業時間外に消化すべき課題として読むことを求めることになろう。もちろん、事前に読んでおくことが望ましい。
東谷 護・編(2003):『ポピュラー音楽へのまなざし』勁草書房
【その他】受講を希望する者は、予め公開してある山田研究室のサイト内のウェブ・ページを見て、山田の研究実績の内容について十分理解しておくことが望ましい。トップページは、http://camp.ff.tku.ac.jp にある。
[この講義は、2002年度からの担当科目ですが、2002-2003年度は受講希望者がいなかったため開講されていません]
[2004年度の受講者は1名で、内容は日本のポピュラー音楽現代史を講じました。大学院科目は少人数なので、成績は公表しません。]
[2005年度は受講希望者がいなかったため開講されていません]
[2006年度は隔年開講の休講年にあたり開講されていません]
[2007年度は受講希望者がいなかったため開講されていません]
【授業表題】フィールドワーク的手法によるメディア文化研究
【授業内容】もっぱらメディアに依存しながら展開する文化現象の研究を、フィールドワーク的な手法を活用して研究しようとする者を対象に、個々の受講者の関心を生かしながら、フィールドの経験をより深く理解し、理論付けを探りながら、論文をまとめる作業を指導する。
参加者は、これまでの研究経験を十分に反省した上で、今後の自分の研究方針を提示できるようになっていなければならない。自分の研究方針が明確になっていないようでは、フィールドの経験を意義深い学術論文に結晶させることは難しいからである。もちろん、今後の研究過程で、方針が変化し、博士論文に至る構想が変化していくということはあり得ることだが、現時点での自分の方針を明瞭に言語化し、他者に説明することもできないようでは、十分な指導は行えない。
そもそも、フィールドワークによって得られる知見は、最終的には主観性から完全に脱却することはできない(少なくともそう考える立場の論者は多い)。われわれにとって、メディアが日常生活に浸透させるメディア文化、あるいは、現代大衆文化は、きわめて身近であるだけに、相対化、客観化が困難である。しかし、そこにはわれわれ自身の価値意識が投影されており、メディア文化/現代大衆文化を実証的に把握した上で、読み解いていく作業からは、豊かな論点が広がっている。
メディア文化現象へ、フィールドワーク的手法に立脚した実証的アプローチの成果を生かしながら、メディアに支配された自文化を解きほぐし、相対化していく方法を、討論、共同現地調査、文献講読(邦文・英文)などを交えながら、参加者と一緒に検討していきたい。
【評価方法】課題への評価の累積による。
【教科書等】(事前に読んでおいてほしい書籍等)
教科書は、その必要の有無を含め、参加者と相談して決める。
事前に読んでおくべきものとしては、(博士課程進学者には言わずもがなであるが)日本語で書かれたフィールドワーク手法に関する本(例えば、佐藤郁哉の著作など)、論文の執筆作法に関する本(これは複数みておくこと)が上げられる。なお、当然ながら、自分の関心分野について、十分な読書を踏まえた、展望・文献表作成を経験していることが必須である。
【その他】受講を希望する者は、予め公開してある山田研究室のサイト内のウェブ・ページを見て、山田の研究実績の内容について十分理解しておくことが望ましい。トップページは、http://camp.ff.tku.ac.jp にある。
また、履修手続以前に、個別に相談の機会をもつよう心がけて欲しい。
[この講義は、2002年度からの担当科目ですが、2002-2003年度は受講希望者がいなかったため開講されていません]
[2004〜2006年度の受講者は1名でした。受講者が少人数なので、成績は公表しません。]
【授業表題】フィールドワーク的手法によるメディア文化研究
【授業内容】もっぱらメディアに依存しながら展開する文化現象の研究を、インタビュー、参与観察など、フィールドワーク的な手法を活用した研究方法を、個々の受講者の関心に沿った形で指導する。ここでメディア文化研究の対象として想定しているのは、マス・メディアやネットワーク・メディアなどを介して社会的に共有されている大衆文化的なものが中心であり、テレビ番組、映画、音楽、文学、漫画、あるいは広告表現などの諸形態をとる様々な娯楽が含まれる。その意味では、研究対象は広く考えてよいが、研究対象へのアプローチについては、フィールドワーク的な手法を必ず用いることを要求する。つまり、単なる文献研究に終始するのではなく、実際に「現場」に出かけて調査を重ね、事実を積み重ねていくような論文作成に取り組む者だけを指導する。
フィールドワークという言葉には様々な含意があるが、多くの場合は、折衷的に様々なアプローチを併用して対象にアプローチすることが必要になる。一年間の指導を通して、具体的なフィールドの作業を段階的に進められるように、個々の参加者の関心に合わせて少しずつ様々な作業を課していく。また、主に前半では、研究テーマの絞り込みに資するようなディスカッションや、先行研究の文献渉猟、文献表や展望の作成法について、併せて指導する。
いずれにせよ参加者は、十分に自覚的な検討をした上で、自分の研究対象を明確にしていなければならない。自分の取り組みたい課題が明確になっていないようでは、フィールドに出るタイミングが遅れ、十分な調査ができない可能性が大きいからである。もちろん、フィールドワークの過程で、構想が変化していくということはあり得ることだし、合理的必然性があれば、途中でテーマを変更することも認めるが、最初から何を研究して論文を書けばいいのか全く解らないというような状態では、十分な指導は行えない。
【評価方法】課題への評価の累積による。
【教科書等】(事前に読んでおいてほしい書籍等)
教科書は、その必要の有無を含め、参加者と相談して決める。
事前に読んでおくべきものとしては、日本語で書かれたフィールドワーク手法に関する本(例えば、佐藤郁哉の著作など)、論文の執筆作法に関する本(これは複数みておくこと)が上げられる。なお、当然ながら、自分の関心分野について、十分な読書を経験していることが必須である。
【その他】受講を希望する者は、予め公開してある山田研究室のサイト内のウェブ・ページを見て、山田の研究実績の内容について十分理解しておくことが望ましい。トップページは、http://camp.ff.tku.ac.jp にある。
また、履修手続以前に、個別に相談の機会をもつよう心がけて欲しい。
[この講義は、2002年度からの担当科目ですが、2002-2006年度は受講希望者がいなかったため開講されていません]
[この講義は共通シラバスです。]
【授業表題】 フレッシュマン・ゼミ
【授業内容】 以下の「フレッシュマン・ゼミ共通学習目標」に従い,各担当教員が独自にある程度のアレンジを加えながら授業を行う。
〔フレッシュマン・ゼミ共通学習目標〕
(1)大学生としての学習姿勢の確立
@ 大学教育が「自分の意志」による「自分のため」の学習であることの自覚を目指す。高校までの学習と大学での学習の違いを認識させ,「受け身」の学習から「主体的」な学習への意識の転換をはかる。
A 大学生としての責任ある学習態度の修得
以下の修得を目指す。
ウ.各種の情報を自分で把握する。
エ.提出期限などのルールを守る。
オ.授業に積極的に参加する。
カ.自分の意見をはっきり述べる。また,相手の意見を尊重する。
キ.学問の場におけるエチケットを守る(私語は慎むなど)。
B 自分自身の問題意識を持つための動機付けv
読書指導,資料収集,学内外の多様な機会への参加,人との出会いなどを通じて,自分自身の「テーマ」の発見に導く。
(2)基礎技能の指導
@ 資料収集・文献検索図書館のオリエンテーションを受けたうえで文献資料検索の実習を行い,効果的な文献検索の方法,データベース利用方法の修得を目指す。
A ノート・テイキング板書を単に写すだけではなく,授業を聞きながらその内容をノートにまとめられるようになるための実習を行う。
(3)プレゼンテーションとディベート
自分の学習・研究内容についての口頭発表とそれについての討論を行い,効果的な発表の仕方,論理的な議論の進め方,また,効果的なレジュメの書き方などの修得を目指す。
(4)論文・レポート作成
授業での発表と議論を踏まえつつ,自分の見解をレポートや論文にまとめさせる。その際,タイトルの付け方,概要(アブストラクト)の書き方,章構成の要領,引用や参考文献の表記法など,論文・レポート作成の要領について指導する。また,コンピュータ,ワープロによる論文作成の指導を行い,そのために必要な講習会を開催あるいは利用する。
(5)電子ネットワーク・コミュニケーションの手段の修得
教員との連絡やレポート提出に電子メール,インターネットを利用し,学内のネットワーク環境を活用できるようにする。
(6)学習会・オリエンテーション
@人権コーディネーターによる学習会
A図書館利用に関するオリエンテーション
【教 科 書】 授業中指示する。
【参考文献】 授業中指示する。
【評価方法】 出席,授業への参加態度等総合的に評価する。
【授業計画】 各教員が個別に指示する。
以下は、統一シラバスになる前に山田が用いていたシラバスの内容です。今年度も基本的には、ほぼ同じ形で実施する予定です。 |
【授業表題】 ゼミナールの「掟」を学ぶ 【授業内容】 ゼミナール=演習という形式は、大学教育においては重要な位置を占めるものであるが、高校までの教育にはほとんど取り入れられていない。フレッシュマン・ゼミでは、まずゼミという形式に慣れ、自発的に学び、考える姿勢を身につけることが第一の課題となる。具体的には、共通の課題図書を選んで輪読し、その内容について報告し、討論する経験を通じて、 ・報告要旨の作り方 ・プレゼンテーションのコツ ・協調的で創造的な議論の作法 など ゼミを運営していく上で必要な事柄が身につくように指導する。 課題図書は、できるだけコミュニケーション論以外の分野(ただし何らかの意味での隣接分野)から、専門性があまり高くない新書程度のレベルのものを選び、半年かけて読破する。隣接分野について浅く広く知識を得ることは、このゼミの第二の課題である。課題図書の最終的な決定は、ゼミ参加者と相談した上で行うが、次に「参考文献」として挙げるものの中から選ぶ予定である。 【教科書】 なし(必要に応じてプリント教材を配布する)。 【参考文献】 課題図書の候補...2006年度以降は、この3冊とは異なる数冊の候補をその都度選んで選択肢として示します 橋爪大三郎『はじめての構造主義』講談社現代新書 笹澤 豊 『小説 倫理学講義』講談社現代新書 上野千鶴子『スカートの下の劇場』河出文庫 【評価方法】 授業への参加姿勢(特に議論への積極的な参加)への評価(40%)、担当部分についての報告内容(30%)、期末に提出する臨時レポート(30%)を総合して評価を下す予定である。 【授業計画】 最初の授業で課題図書を選定し、個々の分担部分を決める。2回目には、最初の部分について、授業担当者(山田)が報告する。以降、毎週指定された報告者が、分担部分について報告をしてゆく。 なお、学期の途中で、1泊程度の合宿を行う予定である。 なお、講義内容等については、追加情報を含め、研究室のウェブ・ページで常時情報を提供しているので、こちらも参照すること。 http://camp.ff.tku.ac.jp/YAMADA-KEN/ |
[1995年度、1996年度の採点結果は資料がないので公開しません。]
[1997年度の採点結果:A=9人、B=6人、C=1人]
[1998年度採点結果:A=8人、B=6人、C=2人]
[1999年度〜2001年度は担当しませんでした]
[2002年度の採点結果:A=8人、B=4人、C=1人]
[2003年度の採点結果:S=2人、A=11人、B=6人]
[2004年度の採点結果:A=8人、B=8人]
[2005年度の採点結果:S=1人、A=9人、B=6人、C=2人]
[2006年度の採点結果:S=2人、A=7人、B=7人]
【演習表題】
ポピュラー音楽について考える
【演習内容】
現代社会において、大きな文化現象となっているポピュラー音楽について、その社会的な意義を、コミュニケーション論を踏まえた観点から考えていく。教科書の輪読を中心に、関連する他の論文なども読んでいく。
最終的には、参加者個々が各自のテーマを設定し、そのテーマに沿ったレポートをまとめて、研究室のサイトからウェブ上に公開することを目指す。
【教科書】
東谷 護・編(2003)『ポピュラー音楽へのまなざし』勁草書房
【参考文献】
授業中に指示する。
【関連授業科目】
現代文化論、音楽文化論
【評価方法】
平常点評価。ゼミ中の発言や、発表内容、授業中に出す課題や期末のレポートなどを総合的に判断する。
【授業計画】
1期いっぱいと2期の前半をつかって、教科書から重要と思われる章を選んで輪読。その後は、各自でテーマを選定し、そのレポートに向けての発表などを重ねる。
授業時限以外に、学外で研究会などへ参加することが年に数回あるほか、夏季休暇を利用して一週間程度の合宿を行う。こうした活動の準備も、できるだけ参加者が自主的に行えるよう指導する。
演習に関連する連絡事項は主に電子メールによってやりとりをする。参加者は、普段から、頻繁にメールボックスを開けるよう心がけること。
なお、講義内容等については、追加情報を含め、研究室のウェブ・ページで常時情報を提供しているので、こちらも参照すること。
http://camp.ff.tku.ac.jp/YAMADA-KEN/
【履修条件等】
ゼミの運営は強いコミットメントを要求する。参加者は、「カネ」、「ヒマ」、「根性」のうち少なくとも二つは充分に備えていること。
なお、事前に山田晴通研究室のウェブ・ページを見ておくこと。
[旧カリキュラムの「コミュニケーション演習I/II」の採点結果は、過年度のページを参照してください]
[2002年度の採点結果<旧カリ生を含む>:A=2人、Z=1人]
[2003年度の採点結果:A=3人、B=1人、C=1人、Z=1人]
[2004年度の採点結果:Z=3人]
[2005年度の採点結果:S=1人、A=4人、B=3人、Z=3人]
[2006年度の採点結果:A=3人、B=1人、C=1人、Z=3人]
[2001年度のこの講義は、国外研究のため休講となりました]
[2002年度のこの講義は、受講者が1名でしたので、結果は公表しません]
[2003年度のこの講義は、受講希望者がなく休講となりました]
[2004年度のこの講義は、受講希望者がなく休講となりました]
[2005年度のこの講義は、受講者が3名でしたので、結果は公表しません]
[2006年度の採点結果:A=3人、B=1人、Z=2人]
[2004-2007年度のこの講義は、川井良介教授のクラスと共通シラバスです。]
【授業表題】
社会的コミュニケーションの全体像
【授業内容】
私達が生きる現代の社会を理解するキーワードの1つは「コミュニケーション」である。「コミュニケーション」という概念は複雑多岐にわたる膨大な領域をカバーしている。実際,コミュニケーションに係わる学問には,社会学,社会心理学,政治学,言語学,意味論,文化人類学,動物行動学,生理学,通信理論・情報理論,情報科学などがある。
このようなコミュニケーションのなかから人間社会のそれである「社会的コミュニケーション」を考えてみよう。この科目では,マス・コミュニケーションを中心にして「社会的コミュニケーション」の全体像をラフスケッチすると共に,基礎的な概念,術語を解説する。
これから,コミュニケーション各論を学ぶ諸君の関心を喚起し,知的好奇心を刺激できたらうれしい。
【教科書】
川井『世論とマス・コミュニケーション』(ブレーン出版)
【参考文献】
田村編『コミュニケーション学入門』(NTT出版),船津『コミュニケーション・入門』(有斐閣),藤竹編『図説 日本のマスメディア』(NHKブックス),香内ほか編『現代メディア論』(新曜社),ヴァーガス『非言語コミュニケーション』(新潮社),エトコフ『なぜ美人ばかりが得をするのか』草思社
【関連授業科目】
社会学,コミュニケーション史,コミュニケーション論,メディア論,マス・コミュニケーション論,パブリック・スピーキングなど
【評価方法】
レポートを含む出席点(50点)と,筆記試験(50点)の合計点によって評価する
〔履修の留意点〕
授業は1.遅刻の禁止,2.私語禁止,3.飲食の禁止,4.携帯電話の電源は切る,5.着帽の禁止,6.教室の出入り禁止などマナーを守ること。
*第1回は科目のオリエンテーションを行うから必ず出席すること。
【授業計画】
1 私達が生きる21世紀の社会
2 コミュニケーションの基礎知識
3 社会的コミュニケーション
(1)パーソナル・コミュニケーション
(2)集団・組織のコミュニケーション
4 マス・コミュニケーション
(1)マス・メディアの機能…テレビに出ると格が上る
(2)マス・コミュニケーションの特性
(3)印刷メディアと電波メディア
(4)ジャーナリズム
(5)プレス
(6)宣伝と広告・PR
(7)コミュニケーションの歴史
5 マス・コミュニケーション制度
(1)マス・コミュニケーション制度の4類型
6 現代マス・メディアの特徴
(1)マス・メディアの経営形態と,その活動目的
7 新聞
(1)新聞の種類…一般紙と専門紙
(2)日本の新聞の特徴
8 テレビ
(1)放送制度
(2)NHKと民放…「受信料は払うの?」
[1995年度、1997年度、1998年度の採点結果は資料がないので公開しません。]
[2004年度の採点結果:S=5人、A=42人、B=32人、C=26人、X=17人、Z=22人]
[2005年度の採点結果:S=24人、A=36人、B=34人、C=23人、X=21人、Z=25人]
[2006年度の採点結果:S=10人、A=23人、B=38人、C=35人、X=18人、Z=3人]
<採点結果は、いずれも山田の担当クラスだけのものです。>
[2006-2007年度のこの講義は、池宮正才教授のクラスと共通シラバスです。]
【授業表題】
社会調査の基礎
【授業内容】
日常生活のさまざまな場面で生じる疑問や問題意識を出発点として,私たちは情報を収集し,収集した情報を整理・分析し,状況を把握・判断しながら生活している。人間の生活に必然的に伴うこのような一連の情報探索・分析活動が,言わば「調査の原型」なのである。
そして,疑問や問題をさらに深く具体的に解明しようとするとき,自分の頭の中だけで疑問を煮詰めたり想像をめぐらせるばかりではなく,頭の外つまり疑問や問題が具体化されている現象・現場をみずから直接調べてデータを収集・分析することが必要となってくる。
人と社会・文化を研究対象とする人文社会系研究において,研究対象に関するデータ収集・分析の必要性から洗練化,定式化されてきた情報探索・分析方法が「社会調査」である。
受講生諸君が自ら調査企画者となる場合はもちろんのこと,調査される立場あるいは既存の調査結果を利用する立場におかれる場合であっても,調査の意図・目的を正確に把握し,調査方法の妥当性および調査データの信頼性を判断しうる能力=社会調査の基礎知識が必要不可欠である。
この講義では,社会調査の意義と歴史,社会調査の諸類型と実例,データ・資料の収集から分析までの諸過程,社会調査の倫理など,社会調査にかかわる基本的事項を紹介してゆくことにする。
【教科書】
大谷信介・他『社会調査へのアプローチ―理論と方法』ミネルヴァ書房
【評価方法】
出席,レポート,授業参加度から総合的に評価する。
【授業計画】
1.社会調査の意義・目的
2.社会調査の歴史
<社会調査の類型>
3.量的調査と質的調査
4.統計的調査と事例研究法
5.実態調査と仮説検証型調査
6.調査目的による調査の類型
<社会調査の過程>
7.調査目的・テーマの決定
8.調査方法の選択
9.調査項目,分析課題,仮説の設定
10.調査票の設計
11.調査対象の選定
12.調査の実施 データ収集
13.データの整理と分析
14.調査報告書の作成
15.社会調査の倫理 調査目的,個人情報,人権,世論操作
[2005年度の採点結果:S=5人、A=23人、B=37人、C=18人、X=11人、Z=32人:講義の内容は2006年度以降とは異なります]
[2006年度の採点結果:S=3人、A=28人、B=50人、C=22人、X=9人、Z=14人]
[2007年度のこの講義は、山崎カヲル教授のクラスと共通シラバスです。]
【授業表題】
映像リテラシー事始め
【授業内容】
メディアリテラシーとは,さまざまなメディア(テレビ,映画,雑誌,新聞,音楽CD,インターネットなど)を通じて送り込まれるメッセージを「読み解く」こと,そして,自前のメディアを駆使してメッセージを「書く」ことからなる。メッセージの受信能力を高め,さらに送信能力を養うのが,メディアリテラシーの目標だ。
「書く」ほうは時間の制限があるので,この授業では主に,映像イメージとして送られてくる多様なメッセージを「読む」ことのレッスンを行なう。なにかの映像を見て「きれい」だとか「すてき」だとか,心惹かれるとか思うことは日常的にあるが,それをことばで表すのは簡単ではない。ことばにするためにはどうしても,いくつかの基礎的な概念を確保し,それらを使って具体的に読み解くレッスンを重ねる必要がある。イメージはつねに多義的だが,それをきちんとことばにすることではじめて,私たちはイメージの意味や意義について議論をするきっかけをつかむことができる。
素材にするのは主に雑誌に掲載された広告で,それを一点一点を取り上げて,まずはその形式的な構造を分析し,ついでその意味を考える。ついで,テレビ・コマーシャルや映画にも触れたい。
毎回,講義の前半を必要な概念の解説にあて,後半で具体的な作品を読む。基本的な概念を修得することがたいせつ。
【関連授業科目】
コミュニケーション論入門,カルチュラル・スタディーズ
【授業計画】
メディアリテラシーとはなにか
メディア産業とメディア装置
メッセージと文化コード
映像リテラシー
映像の読み方(1) 雑誌広告
映像の読み方(2) テレビ・コマーシャル
映像の読み方(3) 映画
まとめ
【評価方法】
期末試験という評価法は取らない。授業中にいくつかミニレポート(1000字程度)を課す。最後に少し長めのレポート(4000字程度)を出してもらう。ミニレポートを40%,最終レポートを60%という割合で考える。ただし,最終レポートを出さない場合,ミニレポートはゼロ評価になる。
【教科書】
なし
【参考文献】
ジョン・バージャー『イメージ』(PARCO出版)など。講義中に指示する。
【授業表題】
「文化」を通して「地域」を考える
【授業内容】
「地域文化」という用語は,文脈によってかなり異なる意味合いで用いられることもあるが,この講義で対象とするのは,比較的小規模な,局地的社会で展開されている「文化」現象のことである。日本の場合,具体的には,概ね都道府県程度以下の規模の「地域」において,他の「地域」とは異なる特色をもってある程度以上永続的に再生産されている「文化」が,ここでいう「地域文化」ということになる。
もともと伝統的社会においては,人々の交流は極めて限定的なものであったため,個々の地域には独自の文化が成立しやすかった。しかし,交通と情報メディアが発達し,人々が行動する範囲,情報を受け取る範囲が急激に拡大してきた結果,現代においては文化現象の地域的差異は,大幅に後退したり,消滅していることもある。一方では,こうした国民文化,マス文化が支配する中で,地域における特色を政策的に強調し,再生産しようと試みる動きもある。この講義では,もっぱら日本国内に具体的な例をとりながら,現代における各地域の文化現象がどのような変化の波にさらされているのかを,講じていく。
【教科書】
教科書は用いない。授業でテキストとして用いる論文などを、プリントとして配付する予定である。
【参考文献】
授業中に指示する。
【関連授業科目】
社会学、社会心理学、人文地理学、およびこれらの関連科目
【評価方法】
出席状況(15%)、ほぼ毎回出す課題レポート(45%)、期末に提出する臨時レポート(40%)を総合して評価を下す予定である。
【授業計画】
授業は抽象的な議論を中心とする前半と,具体的な事例を通して「地域文化」の変化について講じる後半から構成される。まず初めに,「地域」という基礎的な概念について多角的な観点から検討した上で,「地域」と「コミュニティ」や「コミュニケーション」との関連を踏まえて「地域文化」という表現の含意について考えていく。次に,マス・コミュニケーションの普及と地域性の喪失,地域的情報交流と地域の再生産,「地域文化」の維持・再生産・創出,といった論点について,具体的事例に触れながら考えていく。テキストとして授業担当者(山田)の既発表論文などを用い,講義を進めていく。受講を考える者は,さしあたり最初に読む予定の下記の論文に目を通しておくこと。
山田晴通(1995):「地域のコミュニケーション」という視点.コミュニケーション科学(東京経済大学),3,pp53〜64.
http://camp.ff.tku.ac.jp/YAMADA-KEN/Y-KEN/fulltext/95cc.html
なお,講義内容等については,追加情報を含め,研究室のウェブ・ページで常時情報を提供しているので,こちらも参照すること。
http://camp.ff.tku.ac.jp/YAMADA-KEN/
[2005年度の採点結果:S=6人、A=49人、B=31人、C=4人、X=2人、Z=50人]
[2006年度の採点結果:S=2人、A=17人、B=8人、C=1人、X=3人、Z=18人]
【授業表題】
文献情報を中心とした情報検索の方法
【授業内容】
オン・ライン/オフ・ライン、あるいは、エレクトロニック/ノン・エレクトロニックの違いを問わず、一般的にデータを収集をする上で表面化する諸問題を論じた上で、文献情報データベース等へのアクセスを中心に、具体的な実習を行う。具体的には、大学図書館の館内システムや、多数の図書館を結ぶネットワーク(学術情報センターのシステムなど)について、その仕組みを理解し、実際の利用方法を実習するとともに、インターネットを活用した情報検索についても講義と実習を通じて理解を深める。
ネットサーフィンとメールの送受信ができることは、この授業の前提である。受講希望者は、遅くとも第2回の講義時までに、山田研究室のサイト(トップページのURLは、http://camp.ff.tku.ac.jp/)を見て、感想をメールで山田宛(yamada@tku.ac.jp)に送ること。
【教科書】
教科書は用いない。
【参考文献】
授業中に指示する。
【関連授業科目】
コンピュータ・リテラシー関連科目。
【評価方法】
出席状況(15%),ほぼ毎回出す課題レポート(45%),期末レポート(40%)を総合して評価を下す予定である。
【授業計画】
半期の講義を通して、授業二〜四回程度を一つの区切りとして、次の五つのテーマを順次取り上げながら授業を進めていきたい。
・文献情報の基本的問題
・図書館内の文献情報
・インターネットを利用した情報探索
・メーリングリストの特色と活用
・テーマをもった文献表の作成
なお、講義の必要から、通常の教室以外の場所(学内)で授業をすることもあるので、常に掲示等に注意しておくこと。
なお,講義内容等については,追加情報を含め,研究室のウェブ・ページで常時情報を提供しているので,こちらも参照すること。
http://camp.ff.tku.ac.jp/YAMADA-KEN/
[この講義は、2006年度からの担当科目です:ただし、以前の担当科目「データ・アクセス法」とほぼ同じ内容です]
【授業表題】
多角的視点から現代オーストラリアの姿を学ぶ
【授業内容】
東京経済大学では,近年,オーストラリアの大学等との交流が進み,学生が現地で研修を受ける機会が増えるなど,より多くの学生がオーストラリアについて,より深い知識を持つべき状況が徐々に生じつつある。オーストラリアは第二次世界大戦において日本が実戦の戦火を交えた交戦国でありながら,戦後は友好国として経済面で日本と固く結びつき,近年では文化,社会面での交流も深まっている。しかし,一般的にオーストラリアについて,また日豪関係の歴史的背景や経済的実態について,まとまって学べる機会は本学のカリキュラムには位置づけがない。
この講義は,特別企画講義の制度によって各分野の研究者や専門家を招き,様々な観点からとらえられる現代オーストラリアの諸事情について多角的に検討しながら,受講者のオーストラリアへの関心を喚起し,またその裏付けとなる基礎知識が広く共有されるよう取り組むものである。
【関連授業科目】
英語(特に,海外語学研修),国際関係論。
【授業計画】
シラバス執筆時点での授業計画は下記の通りであるが,講師の都合により一部で順序の入れ替え,内容の追加・変更の可能性がある。
具体的な日程については,第1回の授業で説明する。
・ガイダンス講義:オーストラリア事情を学ぶ意義 山田晴通
・オーストラリアの基礎知識 小林健一
・オーストラリアの鉱物資源と都市形成 谷内 達(元・東京大学)
・オーストラリアの農業と食料戦略 菊地俊夫(首都大学東京)
・オーストラリアの政治と日豪外交の展開 福嶋輝彦(桜美林大学)
・オーストラリアのメディア 鈴木雄雅(上智大学)
・オーストラリアの小さなメディアとコミュニティ 山田晴通
・アボリジニの文化と現代社会 寺地五一
・オーストラリアの現代大衆文化 山田晴通
・若い世代からみるオーストラリアと日本 Jason LaGreca
・豪日文化交流の広がり(仮題) 未定<豪日交流基金に交渉中>
・総括 山田晴通,寺地五一
なお,講義内容等については,追加情報を含め,研究室のウェブ・ページで常時情報を提供しているので,こちらも参照すること。
http://camp.ff.tku.ac.jp/YAMADA-KEN/
【評価方法】
講義担当者ごとに提出する課題レポートへの評価を累積して,最終的な評価を下す予定である。
【教科書】
教科書は用いない。
【参考文献】
授業中に指示する。
【授業表題】
メディアの特性を理解し,表現の可能性を探る
【授業内容】
現代社会において,私たちは好むと好まざるとに関わらず,メディアに囲まれた生活を送っている。しかし,メディアは単なる情報の乗り物としての「媒体=メディア」ではない。コミュニケーション論は,伝達媒体としての個々の具体的なメディアに,それぞれ特有の歪みや限界があることに注目してきたし,それが新たな表現の可能性をもっていることにも関心を寄せてきた。また,記号論的な立場から「コミュニケーション」を論じる議論は,メディアが透明なガラスのようなものではないことを明らかにしてきた。様々なメディアが,どのような特性をもち,メッセージなり表現にどのような影響を与えるのかを理解することは,現代社会を生きる私たちにとって重要な課題である。
この授業では,身近なメディアの事例から出発し,主に視聴覚メディアに素材を求めながら,メディアを使って展開される様々な表現の可能性を考えていく。
【教科書】
なし。
【参考文献】
随時指示する。
【関連授業科目】
関連科目としては,芸術学,社会学,コミュニケーション論のほか,コミュニケーション学部の基幹科目・応用科目に置かれているメディア論,身体表現,映像関係の各科目などがあげられる。
【評価方法】
臨時レポートを数回課し,その評価を総合して評価を下す予定。ただし,受講者が多数の場合は,授業内に随時小テストを行う可能性もある。いずれにせよ,平常点で評価する。詳しくは講義の中で説明する。
【授業計画】
(前半)「メディア」「表現」など,この講義の中心となる概念についての検討を通して,コミュニケーション論の基礎的な図式への理解を深めると共に,身近なメディアの特性を考えていく上で必要な,基本的なメディア論的視点について講じていく。
(後半)視聴覚メディアの発達の歴史と,現代の様々な視聴覚メディアの技術的背景について,映画,テレビ(アナログ),デジタルメディアを順次取り上げて講じていく。
なお,講義内容等については,追加情報を含め,研究室のウェブ・ページで常時情報を提供しているので,こちらも参照すること。
http://camp.ff.tku.ac.jp/YAMADA-KEN/
[この講義は、2006年度からの担当科目です:以前の通年科目「メディア表現」については、こちらをご参照ください]
[2006年度の採点結果:S=1人、A=13人、B=30人、C=33人、X=18人、Z=51人]
【授業表題】
メディアの特性を理解し,表現の可能性を探る
【授業内容】
現代社会において,私たちは好むと好まざるとに関わらず,メディアに囲まれた生活を送っている。しかし,メディアは単なる情報の乗り物としての「媒体=メディア」ではない。コミュニケーション論は,伝達媒体としての個々の具体的なメディアに,それぞれ特有の歪みや限界があることに注目してきたし,それが新たな表現の可能性をもっていることにも関心を寄せてきた。また,記号論的な立場から「コミュニケーション」を論じる議論は,メディアが透明なガラスのようなものではないことを明らかにしてきた。様々なメディアが,どのような特性をもち,メッセージなり表現にどのような影響を与えるのかを理解することは,現代社会を生きる私たちにとって重要な課題である。
この授業では,メディア表現aで講じた基本的なメディア論的視点を踏まえて,映像表現の古典的作品に触れ,主に視聴覚メディアを使って展開される様々な表現の可能性を考えていく。(メディア表現aを履修していなくても受講してよいが,その内容に相当する知識は自習しておくこと。)
【教科書】
なし。
【参考文献】
随時指示する。
【関連授業科目】
関連科目としては,芸術学,社会学,コミュニケーション論のほか,コミュニケーション学部の基幹科目・応用科目に置かれているメディア論,身体表現,映像関係の各科目などがあげられる。
【評価方法】
臨時レポートを数回課し,その評価を総合して評価を下す予定。ただし,受講者が多数の場合は,授業内に随時小テストを行う可能性もある。いずれにせよ,平常点で評価する。詳しくは講義の中で説明する。
【授業計画】
(前半)『カリガリ博士』『戦艦ポチョムキン』など,無声映画の古典的作品を中心に,初期の映像表現がどのようにその可能性を広げていったのかを,具体的な作品の鑑賞を通して理解していく。
(後半)音声が映像と結び付いたトーキー以降の古典的作品を中心に,音声と映像の結びつきが映像表現がどのようにその可能性を広げていったのかを,具体的な作品の鑑賞を通して理解していく。
(さらに)授業の進行に余裕がある場合は,1960年代以降を中心に映像表現の前衛的作品の事例についても紹介していく。
なお,講義内容等については,追加情報を含め,研究室のウェブ・ページで常時情報を提供しているので,こちらも参照すること。
http://camp.ff.tku.ac.jp/YAMADA-KEN/
[この講義は、2006年度からの担当科目です:以前の通年科目「メディア表現」については、こちらをご参照ください]
【講義概要】
二十世紀のポピュラー音楽史(その1―基礎的視点とジャズ史)
ポピュラー音楽の歴史を、単に文化現象の展開として追うのではなく、それぞれの時点における社会的背景や技術的基盤との関係で捉えながら把握し、二十世紀における世界的文化現象としてのポピュラー音楽について理解を深めることが、この講義の目標である。
前期の音楽史Aでは、まず最初に「ポピュラー音楽」という概念とその歴史性を批判的に検討する。ポピュラー音楽とは何か、というある意味で極めて不毛な問いかけから講義は始まる。そこではまず、ポピュラー音楽は、いかなる意味において「ポピュラー」であり、どのような音楽「ではない」のかについて議論することを通して、ポピュラー音楽の本質を、複製技術、商品化といった文脈から捉え直す。続いて、二十世紀のポピュラー音楽に先行した、十九世紀の音楽現象の中から、二十世紀につながる論点を拾い上げて紹介していく。ここでは、吹奏楽、自動演奏機械、楽譜出版と著作権といった論点に簡単に触れていく。
次に、ジャズの歴史について、音源の紹介に重点を起きながら論じて行く。ジャズを取り上げるのは、これが、今日でも大きな影響力をもつ純粋なポピュラー音楽のジャンルとして、最も長い歴史をもっているためである。講義の中では、最初に録音物として記録されたニューオリンズ・ジャズを起点に、ダンス音楽の総称としてのジャズ、スウィング・ジャズを経て、ビバップ、モード・ジャズ、フリー・ジャズといった流れまで、代表的な演奏の録音を実際に聴いてゆく。しかし、授業の中では、通常、ジャズの歴史として語られる範囲をすべて扱うことは難しい。講義では、二十世紀前半の比較的初期のジャズ(概ねビバップまで)についてより詳しく論じる。
なお、講義の構成上、通説とはやや異なる観点から諸様式の展開を説明する部分も出てくる。受講者は、ジャズの歴史についての知識を事前に持っている必要はない。しかし、ジャズについてまったく知らない者は、受講と平行して新書数冊程度の読書をするくらいには、時間と貨幣を投じる覚悟をしてほしい。
【授業計画】
今年度も、ほぼ前年に準拠した授業の進行とする予定である。ウェブ上にある昨年の授業内容を参照されたい。
http://camp.ff.tku.ac.jp/YAMADA-KEN/Y-KEN/ex-files/notice06-agu.html
【成績評価方法】
原則として、期末のレポートを80%、出席点など平常点を20%の比重として評価する。
【その他】
講義に関する情報は、担当者の研究室のサイトでも随時提供する。また、メールでの質問も歓迎する。
http://camp.ff.tku.ac.jp/YAMADA-KEN/ yamada@tku.ac.jp
【教科書】
東谷 護・編『ポピュラー音楽へのまなざし』勁草書房,2003年.
[2003年度の採点結果:AA=12人、A=117人、B=129人、C=24人、XX=3人、X=212人]
[2004年度の採点結果:AA=19人、A=107人、B=135人、C=33人、XX=15人、X=141人]
[2005年度の採点結果:AA=16人、A=105人、B=78人、C=23人、XX=10人、X=67人]
[2006年度の採点結果:AA=11人、A=70人、B=75人、C=25人、XX=4人、X=63人]
【講義概要】
二十世紀のポピュラー音楽史(その2―ロックを中心に)
ポピュラー音楽の歴史を、単に文化現象の展開として追うのではなく、それぞれの時点における社会的背景や技術的基盤との関係で捉えながら把握し、二十世紀における世界的文化現象としてのポピュラー音楽について理解を深めることが、この講義の目標である。
後期の音楽史Bでは、二十世紀後半において世界的な影響を及ぼしたロック音楽の歴史について、音源の紹介に重点を起きながら論じて行く。ロックン・ロールという同質性の高い小さな音楽ジャンルとして成立したロック音楽は、ジャンルとして大きく発展し、今日ではただロック音楽といっても、どのようなものを指すのか即座には判断できないほど、その内容は拡散している。講義では、こうした現状に至る過程を、諸様式の相互作用に注目しながら理解していく。
まず、一九五○年代におけるロックン・ロールの成立経過を、黒人音楽と白人市場の連接という観点から再検討する。そこでは、メディアの社会的機能と、音楽に関わるメディア技術の目覚ましい発展が、重要な役割を果たしていた。ロックン・ロールが一過性の流行ものから、様式として定着していく上で重要な役割を果たし、さらに、ロック音楽の領域を決定的に拡大させたのは一九六○年代のザ・ビートルズであった。さらに一九七○年代に入ると、ロック音楽の多様化が決定的に進行し、さらに一九八○年代以降は、後期パンクやグランジのように散発的な様式の出現はあっても、ロック音楽という概念自体は、急速に希薄化していった。現状では、ロックはむしろ乗り越えられる側の音楽となっている。
受講者は、前期の音楽史Aを併せて履修することが望ましいが、必須の条件ではない。また、受講者は、ロック音楽についての知識を事前に持っている必要はないが、二十世紀後半の歴史、特に米国と英国の現代史については、基本的な知識を持っておくこと。いずれにせよ、ふだんからロック音楽を聴く習慣のない者は、受講と平行して積極的により多く、様々な時期のロック音楽を聴く努力をしてほしい。
【授業計画】
今年度も、ほぼ前年に準拠した授業の進行とする予定である。ウェブ上にある昨年の授業内容を参照されたい。
http://camp.ff.tku.ac.jp/YAMADA-KEN/Y-KEN/ex-files/notice06-agu.html
【成績評価方法】
原則として、期末のレポートを80%、出席点など平常点を20%の比重として評価する。
【その他】
講義に関する情報は、担当者の研究室のサイトでも随時提供する。また、メールでの質問も歓迎する。
http://camp.ff.tku.ac.jp/YAMADA-KEN/ yamada@tku.ac.jp
【教科書・参考文献】
以下の2冊を参考文献として推す。
東谷 護・編『ポピュラー音楽へのまなざし』勁草書房,2003年....前期「音楽史A」の教科書。
北中 正和『ロック』講談社(講談社現代新書),1985年....絶版だが、古本屋などでよく見かける。
[2003年度の採点結果:AA=6人、A=66人、B=92人、C=28人、XX=23人、X=279人]
[2004年度の採点結果:AA=10人、A=42人、B=86人、C=47人、XX=18人、X=202人]
[2005年度の採点結果:AA=5人、A=54人、B=77人、C=27人、XX=26人、X=95人]
[2006年度の採点結果:AA=5人、A=48人、B=57人、C=11人、XX=38人、X=94人]
【授業の概要・目的】
「地域開発」という言葉を批判的に検討し、「地域」を「開発」することの意義を問い直しながら、「豊かな社会」と考えられている日本における地域開発について考えて行きたい。
「地域開発」は、どのような意味で「地域」を「開発」するのか。「開発」は「地域」をどのように変えて行くのか。「地域開発」をめぐって構造化された、行政や産業界の仕組は、どのような性格をもっているのか。こういった論点について、受講者それぞれが自ら考えるようになることが、この講義の目標である。
【授業内容】
受講者数にもよるが、授業にはできるかぎり対話性を織り込みたい。つまり、担当者が一方的に話し続けるのではなく、担当者と受講者の対話を通じて、受講者の考えを引き出すような形態で進めるようにしたい。
前期においては、まず、基本的な概念を吟味し、「地域」や「開発」をはじめ、関連する諸概念を批判的に捉え直すことを試みる。次に、産業革命以降の近代的な産業社会の経験を踏まえ、「地域開発」という考え方が、意図的な経済政策として展開されてきた経緯を確認しながら、経済の成熟と社会の富裕化が、「地域開発」の意義をどのように変質させてきたかを考える。その過程では、19世紀以来の欧米の経験や、20世紀における第三世界の経験などにも例をとりながら、各々の時代状況と地域性がどのような「地域開発」を実現したかを見ていく。
後期においては、戦後の日本における「地域開発」をめぐる議論の例を、まず、全国総合開発計画を軸とした一連の国土開発政策について、次いで地域情報化政策について検討しながら、現在の日本における「地域開発」について、問題点の所在を探っていく。そこでは、近年広まっている、「環境」を「開発」と対置して捉える見方についても、その問題点を検討する。
【教科書】
特に定めない。必要に応じてプリントを配布する。
【参考書】
参考文献類は、授業中で紹介する。
【成績評価の方法】
(1)学期末テスト
(2)随時小テスト(あるいはアンケート)を行い、期末テストの成績に加算する
【その他】
授業に関する質問等は、随時メールで受け付ける。
担当者の公開メールアドレスは、yamada@tku.ac.jp である。万一、メールを出して一週間以上返信がない場合は、再度メールを出し直すこと。
授業に関する情報は、インターネット上に公開している担当者の研究室サイトでも、随時公開する。
下記のページからリンクされた「授業に関するお知らせ」など、この授業に関連するページは時々チェックするように心がけること。
http://camp.ff.tku.ac.jp/YAMADA-KEN/
[2003年度の採点結果:優=115人(A=42人、B=73人)、良=131人(C=81人、D=50人)、可(E)=49人、不可=52人(F=44人、G=8人)、未受験=59人:再試験対象者3名のうち、再試験合格1名]
[2004年度の採点結果:優=75人、良=112人、可=64人、不可=75人、未受験=55人]
[2005年度の採点結果:優=22人、良=27人、可=34人、不可=25人、未受験=34人]
[2006年度の採点結果:90点以上=5人、80点台=6人、70点台=8人、60点台=18人、50点台=3人、50点未満=4人]...点数についてはこちらを参照
【授業内容】
地域開発をめぐる議論は、もっぱら公共政策の観点から、すなわち、行政が「上から」政策的誘導をおこない、民間からも投下され、様々な事業が展開されていくという側面から論じられることが従来は多かった。しかし、経済状況が変化し、自然や環境問題への関心が高まり、また、行政機構の変革が進んでいく中で、地域開発を、本来の意味での地域に根ざした、「下から」の視点でとらえ直す議論の重要性は、徐々に高まりつつある。
この講義では、こうした地域開発をめぐる多様な論点について、戦後日本の地域開発を巡る議論に例をとりながら、受講者とともに考えていきたい。
講義ではあるが、適宜、演習的な作業課題も与え、受講者が関連文献の渉猟に取り組むよう促していく。
【履修上の注意】
講義ではあるが、対話、議論の要素を盛り込んだ授業運営をするので、積極的な姿勢で受講してほしい。
【教科書】
中俣 均・編『国土空間と地域社会』朝倉書店、2004年
【参考書】
随時指示する。
【成績評価の方法】
授業ごとに課す課題レポートを踏まえた平常点と、期末レポートによって評価する。
【その他】
授業に関する質問等は、随時メールで受け付ける。
担当者の公開メールアドレスは、yamada@tku.ac.jp である。万一、メールを出して一週間以上返信がない場合は、再度メールを出し直すこと。
授業に関する情報は、インターネット上に公開している担当者の研究室サイトでも、随時公開する。
下記のページからリンクされた「授業に関するお知らせ」など、この授業に関連するページは時々チェックするように心がけること。
http://camp.ff.tku.ac.jp/YAMADA-KEN/
[この科目の前身となった「臨床社会学特論IIIB(地域開発論)」は、2005年度の受講者が1名、2006年度の受講者は2名でした。少人数なので、成績は公表しません。]
【授業内容】
1980年代以降、英米圏の人文地理学において、いわゆる「文化的転回 cultural turn」という動きが起こり、日本でもこれに刺激を受けて、それまでとは異なるスタイルの人文地理学研究の実践が模索されはじめた。この講義では、講義担当者自身が発表してきた論文を含め、この時期以降に、日本語で発表されてきた「文化的転回」後の様々な人文地理学論文(翻訳論文を含む)を素材として講読し、伝統的な手法の人文地理学とは少々異なった視点から議論を展開する、「新しい文化地理学」とでも称すべきものについて、受講者とともに考えていきたい。
講義ではあるが、適宜、演習的な作業課題も与え、受講者が関連文献の渉猟に取り組むよう促していく。
【履修上の注意】
講義ではあるが、対話、議論の要素を盛り込んだ授業運営をするので、積極的な姿勢で受講してほしい。
【教科書】
特に定めない。必要に応じて、プリント教材を用意する。
【参考書】
随時指示する。
【成績評価の方法】
授業ごとに課す課題レポートを踏まえた平常点と、期末レポートによって評価する。
【その他】
授業に関する質問等は、随時メールで受け付ける。
担当者の公開メールアドレスは、yamada@tku.ac.jp である。万一、メールを出して一週間以上返信がない場合は、再度メールを出し直すこと。
授業に関する情報は、インターネット上に公開している担当者の研究室サイトでも、随時公開する。
下記のページからリンクされた「授業に関するお知らせ」など、この授業に関連するページは時々チェックするように心がけること。
http://camp.ff.tku.ac.jp/YAMADA-KEN/
[2007年度からのこの科目は、前身となった通年科目「人文地理学特論I/II」を前後期に分割したものです。
2005年度の「人文地理学特論I」の採点結果:優=3人、良=1人、未受験=3人。
2006年度の「人文地理学特論II」の採点結果:優=3人。]
[2007年度は受講希望者がいなかったため開講されていません]
【授業内容】
前期の人文地理学特論IAに引き続き、1980年代以降、「文化的転回 cultural turn」の時期以降に、日本語で発表されてきた「文化的転回」後の様々な人文地理学論文(翻訳論文を含む)を素材として講読するとともに、「新しい文化地理学」について、特に隣接分野との関係性の中で、受講者とともに考えていきたい。
講義ではあるが、適宜、演習的な作業課題も与え、受講者の研究関心などもふまえてテーマを選びながら、受講者が関連文献の渉猟に取り組むよう促していく。
【履修上の注意】
講義ではあるが、対話、議論の要素を盛り込んだ授業運営をするので、積極的な姿勢で受講してほしい。
前期の人文地理学特論IAと併せて履修することが望ましいが、必要な自習をすることを前提に後期のこの授業のみの履修も認める。
【教科書】
特に定めない。必要に応じて、プリント教材を用意する。
【参考書】
随時指示する。
【成績評価の方法】
授業ごとに課す課題レポートを踏まえた平常点と、期末レポートによって評価する。
【その他】
授業に関する質問等は、随時メールで受け付ける。
担当者の公開メールアドレスは、yamada@tku.ac.jp である。万一、メールを出して一週間以上返信がない場合は、再度メールを出し直すこと。
授業に関する情報は、インターネット上に公開している担当者の研究室サイトでも、随時公開する。
下記のページからリンクされた「授業に関するお知らせ」など、この授業に関連するページは時々チェックするように心がけること。
http://camp.ff.tku.ac.jp/YAMADA-KEN/
[2007年度からのこの科目は、前身となった通年科目「人文地理学特論I/II」を前後期に分割したものです。
2005年度の「人文地理学特論I」の採点結果:優=3人、良=1人、未受験=3人。
2006年度の「人文地理学特論II」の採点結果:優=3人。]
[2007年度は受講希望者がいなかったため開講されていません]
【講義題目】 日常的経験から世界認識へ
【使用テキスト】 特定のテキストは指定しない。必要に応じて配布資料を用意する。
【授業の内容】
「空間システム論」という名称は、建築学分野においても異なる意味で用いられるが、この授業が取り上げるのは、地理学や都市計画の分野で用いられる意味での「空間システム論」である。すなわち、人間の活動が展開する場としての空間、人間活動の集積としての社会が展開する広がりとしての空間を、システム論的に把握しようという観点からの議論が、この講義で取り上げる対象となる。この授業では、「空間システム論」という枠組みの前提となっている基本的な概念の確認からはじめて(これには十分に時間をかける)、空間やその類義語/類似概念と人間/社会との関わり方をめぐる議論を踏まえ、諸概念をめぐる古典的議論を手がかりに、今日のシステム論的な空間認識、世界認識について紹介するところまで、論じていきたい。
【授業の計画】
以下の各テーマについてそれぞれ数回の授業をおこなう予定である。ただし、一部については、受講者の意向も確認しながら変更する可能性もある。
【講義のねらい】
この講義の課題は二つある。まず、批判的な検討を通して「民族」や「文化」といった概念の本質的な含意について理解することが第一の課題である。さらに、その上で、日本国内や世界に存在する多様な「民族」や「文化」の姿について、広く常識を身につけることが第二の課題である。
【授業の概要】
講義では、山田の既発表論文などを講読しながら、「民族」や「文化」といった概念について検討し、その過程で「民族」や「文化」についての多様な見方を紹介する。また、日本国内における「文化」の多様性、「民族」の多元性について検討し、さらに世界の「民族」や「文化」の多元性について、広く基礎知識が得られるようにしていく。
【講義の進め方】
ほぼ毎回、頻繁に課題を出して、講義で論じる内容への理解が深まるようにする。授業の中では、受講者との対話を重視していくので、授業には積極的に参加してほしい。また、できれば関連する施設見学等の機会も設けたい。
【履修上の注意】
本務校の業務や、学会活動などのために、休講になる場合があり得る。こうした場合には、適宜補講やアウトキャンパスなどを実施して、実質的な授業時間が確保されるよう努める。休講やそれに関連する告知には、常に注意しておくこと。
【成績評価の仕方】
課題への評価の累積と、定期試験の結果で総合的に評価する。
【テキスト・参考文献】
特定のテキストは指定しない。必要に応じて配布資料を用意する。参考文献は、必要に応じて授業中に紹介する。
【講義計画】
以下の各テーマについておおむね二〜三回の授業をおこなう。
・「文化」の多様な意味(基本概念の整理)
・「民族」の多様な意味(基本概念の整理)
・日本の中の「民族」「文化」の多元性
・世界の「民族」についての基礎知識
・文化多元主義の諸問題(オーストラリアなどを事例に)
講義に関する情報は、担当者の研究室のサイトでも随時提供する。また、メールでの質問も歓迎する。
http://camp.ff.tku.ac.jp
yamada@tku.ac.jp
[この講義は、2006年度からの担当科目です]
[2006年度の採点結果:A=4人、B=7人、C=1人、D=6人、Q=18人]
【講義のねらい】
この講義の課題は二つある。まず、日本のマス・メディアの概況について業界の概要を学び、マスコミについての常識を身につけることが第一の課題である。さらに、マスコミからたれ流される大量の情報に押し流されることなく、批判的・分析的にマスコミに向かう姿勢、つまり「メディア・リテラシー」を養うことが第二の課題である。
【授業の概要】
講義では、まずマス・メディアの基本的な仕組を説明した上で、おもな媒体別にマスコミ業界の状況を紹介していく。その上で、「受け手/読み手」すなわち読者/視聴者等としてマスコミに接する立場から、マスコミが抱える諸問題についても議論を紹介する。
【講義の進め方】
毎回ではないが、頻繁に課題を出して、講義で論じた内容への理解が深まるようにする。授業の中では、受講者との対話を重視していくので、授業には積極的に参加してほしい。また、関連する施設見学の機会も設ける予定。
【成績評価の仕方】
課題への評価の累積と、定期試験の結果で総合的に評価する。
【テキスト・参考文献】
特定のテキストは指定しない。必要に応じて配布資料を用意する。参考文献は、必要に応じて授業中に紹介する。
【講義計画】
以下の各テーマについておおむね二〜三回の授業のおこなう。
・「マスコミ」と「マス・コミュニケーション」(基本概念の整理)
・新聞業界(全国紙から地域紙まで)
・放送業界(ネットワークから衛星/ケーブルテレビ、そしてラジオまで)
・その他の「マスコミ」(出版、映画、音楽、etc)
・「メディア・リテラシー」(「受け手」から「読み手」へ)
講義に関する情報は、担当者の研究室のサイトでも随時提供する。また、メールでの質問も歓迎する。
http://camp.ff.tku.ac.jp
yamada@tku.ac.jp
[2003年度の採点結果:A=16人、B=9人、C=9人、D=13人、J=12人]
[2004年度の採点結果:A=15人、B=14人、C=10人、D=6人、未受験=10人]
[2005年度の採点結果:A=18人、B=20人、C=14人、D=14人、未受験=14人]
<この講義のシラバスはありません。内容の予告等は、実施時期(2008年1月)が近づいてきた段階で、講義に関するおしらせで行います。>
[この講義は、2007年度だけの担当科目です]
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