休講は学生諸君の学ぶ権利を損なう行為であり、極力回避されるべきものであることは言うまでもありません。 しかし、一方で教員には、講義を行うという教師としての責務のほかに、研究者としての責務もあり、学会出席や調査など研究上の必要から授業期間中であっても講義を休講とせざるを得ない場合があります。また、大学の行政的な職務、つまり大学の都合で指示された業務を優先しなければならない場合もあります。さらに、通院治療や冠婚葬祭など社会通念上一般的に許容されている個人的理由で、講義を休むこともあります。 ここでは、東京経済大学における休講・補講への対処の原則を説明します。非常勤で出講している他の大学については、その大学における規定や習慣に従って、ここでの説明と異なった対応をとる場合がありますので、ご注意下さい。 以下、赤字の部分は、特に重要な内容の強調です。 また、青字の部分は、山田が個人的な方針としているもので、大学全体の方針ではありません。つまり、他の先生方が同じ対処をされるとは限らないものです。しかし、それ以外は、東京経済大学における共通の規定や習慣に基づくものであり、すべての教員の授業に共通したルールです。 |
休講について 休講は学生諸君に周知されることが必要です。 この観点から大別すると、休講には
学会出張などのように、何週間も前から予め休講の必要が判明している場合、教員は学務課に休講届を提出します。 学務課は、この休講届に基づいて、原則として休講当日の一週間前から、電子掲示板の休講掲示(6号館1階ロビー)や「TKUポータル」などで情報を流します。 学務課が一週間前まで休講を公表しないのは、場合によって休講が取り消される(休講と予告したのに授業ができるようになる)ことがあり得るためです。 山田は数週間前から予定された休講については、授業内で予告し、また研究室のサイト内のページでも予告するようにしています。 一週間以内、つまり授業日から数日前に休講が確定すると、学生から見れば、前の週には何の予告もなかったのに休講になった、ということになります。 こうした場合、教員は速やかに学務課に休講届を提出し、学務課は、即座に電子掲示板の休講掲示(6号館1階ロビー)や「TKUポータル」などで情報を流します。 こうした場合、山田は、可能な限り「TKUポータル」の先にある情報システム「manaba」でも情報を流しています。また、演習など受講者が少数で全員のメールアドレスが把握できている場合には、メールで休講のお知らせを流すこともあります。 授業の当日になって、突発的な理由からやむを得ず休講する場合は、原則として学務課に電話等で通知し、即座に電子掲示板の休講掲示(6号館1階ロビー)や「TKUポータル」などで情報を流します。 こうした場合、山田は、教室の黒板などにも臨時休講する旨を書き出してもらえるよう学務課にお願いしています。突発的な理由で授業を大幅に遅れて始める場合も、これに準じます。 しかし、研究室のサイト内のページや「manaba」は更新が間に合いませんので、ご注意下さい。 |
いわゆる「自然休講」について 以上は、どのような形ではあれ、事前に学務課への連絡ができた場合です。しかし、事前の連絡なしに休講になる場合もあり得ますし、その場合は学生諸君がとるべき対応も異なってきます。以下、こうしたいわゆる「自然休講」の場合について説明します。 授業開始時間から30分を経過しても教員が教室に現れない場合、いわゆる「自然休講」が成立して休講となる、という習慣は多くの学生諸君が認識しているところです。しかし、こうした理解は正確ではありません。 万一、授業開始時間から30分を経過しても教員が教室に現れない場合には、学務課の窓口(6号館1階)へ行って、教員が来ないことを報告し、指示を受けるようにして下さい。 これにはいくつか理由があります。 例えば、その日に臨時の教室変更などがあり、その掲示を見落とした学生がいつもの教室で待っていた、という可能性もあります。 実際、山田の担当科目でも、授業に図書館での実習が組み込まれている科目や、授業中の小テストの際に教室変更が必要になった科目などで、前週の授業で予告し、教室変更の掲示を出していたにもかかわらず、いつもの教室へ来て「自然休講」だと思い込んでしまったという例がかつてありました。 また、突発的な事情で、授業開始が30分以上遅れるような場合には、教員が学務課に連絡し、遅れて開始する見込みである旨の伝言を教室の黒板等に書いてもらうことになります。こうした伝言が書かれた場合には、その指示内容が優先されます。つまり、例えば「30分以上遅れるが、授業は実施する」という内容の伝言が黒板等にあれば「自然休講」は成り立ちません。 単純に30分経過=「自然休講」と考えて、学務課に指示を受けずに行動し、その結果として不利益になることが生じても、それは個々の学生の自己責任ということになります。 さらに、授業開始時間から30分以上遅れて授業に来てみたら、教室に誰もいない、という場合にも、自分で勝手に「自然休講」と判断してはいけません。学務課の窓口(6号館1階)へ行って、教員・受講者が誰もいないことを報告し、指示を受けるようにして下さい。 受講者の人数が極端に少ない授業では、まれに教員が授業をしに教室へ行っても、学生が誰も来ていないという事態が発生します。こうした場合、教員は授業開始時間から30分経過するまでは、その教室で学生を待たなければいけません。もちろん、その後も教室で待ち続けてよいのですが、30分経過後は、学務課に自分の待機している場所を知らせた上で、研究室や教員室で待機することが認められています。 こうした場合、山田は、教室の黒板等にも待機場所=通常は研究室=を書き残すようにしています。 こうした場合、学生が学務課に来れば、待機している教員に連絡をとって授業を始めることになります。つまり、休講ではありません。 また、最終的に学生が一人も来ず、実際に授業は行われなかった場合にも、この回は休講の数に入りません。これは休講ではなく、授業があり、受講者全員が欠席したという扱いになります。 |
補講について 授業期間以外に正規の授業を実施して、授業時間を補うのが補講です。 通常の補講は、各大学の規定に則って行なわれます。東京経済大学の場合、補講は原則として、毎月1回の「土曜補講日」と期末の「補講期間」に実施されます。補講期間は授業期間の一部であり、この期間を安易に休暇と同一視するのは間違った考え方です。 「土曜補講日」や「補講期間」は日数が限られていますので、場合によっては複数の科目の補講が同一の時間帯に行われる場合があり得ます。このような場合、学生は一度に両方には出席できませんので、そうした不運に遭った学生が不利にならないように、補講については「試験範囲に入れない」といった配慮をすることが通例となっています。このため、補講に出席しない学生は相当の数に上るのが実際です。 しかし、一方が優先度が高い必修科目である場合などは、必修科目に出席することは当然です。山田が担当する必修科目の授業では、補講も定期試験を行う場合には試験範囲に入れています。このために補講に出席できなくなる他の科目がある場合には、受講者から事前に申し出があれば、事情を説明して理解を求める文書を当該科目の担当者宛に作成しています。 長期間の休講が発生した場合などは、補講期間以外の時期に補講を実施するなど、例外的な措置がとられることもあります。 大学の授業は半期15週、通年30週を基準値としていますが、実際には祝日があったりするため、休講がいっさいなくても半期14週、通年28週程度しか講義ができない場合もあります。補講は、教員が必要と判断すれば、授業回数が基準値を超えない範囲で実施することができますし、大学によってはそれ以上の回数の補講が制度上認められていえる場合もあります。つまり、1回も休講がなくても、教員が必要と判断すれば、1〜2回の補講をすることが可能だということです。しかし、実際にはこんなに厳しい教員はまずいません。 補講は、休講して授業が遅れた分を取り戻すために実施されるのが普通です。従って、休講回数が多くなると、補講をする必要性は高くなります。東京経済大学の場合、総授業回数の2割を超えない範囲の休講は、やむを得ないものと判断して、教員本人が必要としない限り補講をしなくてよい、というルールになっています。つまり、半期に2回程度までは、休講しても、補講を義務づけないということになっています。 一方、休講が総授業回数の2割を超えると、補講が義務づけられることになります。この補講は、原則として補講期間に消化しなければなりません。 山田が担当する授業では、原則として休講回数と同数の補講回数を確保できるように努力しています。特に、必修(履修必修を含む)の授業では、この原則を貫いています。 また、シラバス段階で15回分の授業内容の明示を求められている場合(大学の方針として15回分の明記を求めている青山学院大学、成城大学、松本大学などのほか、東京経済大学の科目の中でも社会調査士認定科目となっている科目の場合)には、原則として、授業機会が15回に達するまで必要な回数の補講を行ないます。このような場合には、たとえ休講が一度もなくても、補講を何回か実施することになりますので注意してください。 例外的な補講形態について 一部の科目では、通常の補講期間に実施される補講ではなく、週末などを利用して学外で実施する見学会や合宿などを、補講に代わるものとすることがあります。特に、演習のように登録者数が少ない科目では、こうした措置がとられる可能性が高くなります。 東京経済大学の場合は、規定により、こうした学外での行事を補講と見なすのは、科目毎に半期に1回分だけとなっています。また、時間についても、実際には見学等が長時間に及ぶことがあったとしても、補講としては1回分としか数えません。 |
休講時のビデオ上映について 山田が担当する授業では、都合によって休講になる週の授業時間にビデオを上映する場合があります(特に「メディア表現」)。これは、あくまでも休講時の空き時間を利用して、授業に関連した映像を見てもらうためのもので、授業ではありません。従って、これに出席しなくても、次の授業までに適当に時間を作って、図書館など、その都度指示された場所でそのビデオ作品を視聴しておけば、休講となる日に出てこなくても問題はありません。 なお、2010年代からは、こうした対処をする機会はほとんどなくなっていますので、例外的に起こるかもしれない事態だと理解してください。 |
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