この講義は、田村紀雄教授との合同の講義ですが、1999年度については実質的に山田の単独開講となります。
地域メディアが地域社会の中で果たしていく役割について、文献を読んでいきます。
また、講義と連動する形で、具体的な地域メディアの見学なども企画されます。
[この講義は、1999年度からの新たな担当科目です。]
[1999年度の採点結果:A=3人]
<この講義時間枠には、フィールドワークI・IIが配当されているが、初年度は、実質的にフィールドワークIのみの開講となる。>
実習分野: 地域社会におけるコミュニケーション活動の共同調査
講義科目の概要:
特定の地域社会を対象に、実際に現地へ出かけ、時間をかけて様々な聞き取りや観察を行う調査の方法を、共同調査の実践を通じて学ぶ。
この授業は、通常の(時限を定めた)講義と、実際にフィールドワークを行う実習からなっている。
講義においては、調査計画の策定を指導し、予備的・中間的な調査経過の評価を行い、最終的には調査報告書の作成を指導する。
講義内容:
具体的な調査の課題や調査地の選定などについては、受講者の希望も考慮するが、基本的には講義担当者の責任において決定する。
受講者は、まず、具体的な調査の実施計画を立て、調査計画書を作成する。次いで、実施計画に基づいて、文献調査も含めた予備的な調査を実施するとともに、本調査の計画に必要な改善を加えた上で、本調査を実施する。現地での調査については、予備調査等を含め、のべ2週間以上の時間をかけて調査活動を行うことが、期待される。また、講義と関連して、定められた時限以外に作業等のために相当の時間を割くことが必要となる。また調査地によっては、受講者が実習に伴う旅費・滞在費等の経費を負担をする必要が生じる。
調査後には、調査報告書を作成するが、その作成方法についても指導する。
[この講義は、1999年度からの新たな担当科目です。]
[1999年度の採点結果:受講者が1名だけだったので公表しません。]
地域と情報化
授業概要:
現実の社会における情報化の進行とともに、地理学においても、その影響の把握や情報を視野に入れた新しい視点の導入が、様々な形で進んできた。この講義では、地域における情報化の意義を、地理学の視点から考えていく。
授業計画:
これまで講義担当者(山田)が発表してきた論文の中から、地域と情報化の関係について理論的な形でとり上げているものを数本選び、講読していく。
なお、講義担当者の既発表論文のリストは、ホームページで公開されている。この講義に関心がある者は、予め見ておくことを勧める。
http://camp.ff.tku.ac.jp
教科書:使用せず(プリント教材を用意する)。
参考書等:授業中に指示する。
成績評価:2回程度提出してもらう予定のレポートによって行なう。平常点も多少は考慮するが、単なる出席点を与えるわけではない。
講義概要は、省略します。
山田が担当する回についての詳しい内容は、講義に関するお知らせを見て下さい。
今日ではポピュラー音楽の全体を覆う存在になったといわれるロック音楽の歴史をたどり、音楽の社会的背景、音楽の商品化と市場、音楽の技術的背景に注目しながら、いくつかの重要なエピソードを取り上げて検討していく。(1)ロック音楽の生成をめぐる「白人」文化と「黒人」文化の接触云々といった言説とその批判的検討、(2)ビートルズに体現されたメディア・テクノロジーの発達と文化の「雑種」・「多文化主義」化、(3)ロック音楽の日本への受容、などの話題を中心に構成していく予定であるが、受講者との議論を踏まえて内容を一部変更することもあるかと思う。
[この講義は、1999年度のみの担当科目です。]
[1999年度の採点結果:A=38人、B=63人、C=3人、未受験=81人]
講義題目: ポピュラー音楽への多様なアプローチ
授業計画及び内容:
「ポピュラー音楽」という言葉は、いざ定義をしてみようとすると、実は大変やっかいな概念です。そもそも様々な音楽ジャンルの間には、中間的な境界領域が、曖昧な形で広がっているので、どのように定義をしたとしても、ポピュラー音楽であるものと、そうではないものとを単純に二分することはできません。また、同じ「ポピュラー音楽」という言葉にも、「広い」意味や「狭い」意味、その他諸々の意味あいがあり、文脈によってこの「広がり」が変わったり、ずれていくことがしばしば生じます。同じ音楽でも、聞き手の立場や状態によって、またその音楽が提供されるメディアや環境によって、ポピュラー音楽になったり、ならなかったりすることもあります。「ポピュラー音楽」という言葉を定義づけようとすると、日常化した言葉の内に潜む、やっかいな側面が立ち現れてくるのです。
この講義では、「何がポピュラー音楽か?」という問いからはじめて、日常的に我々の回りに存在している「ポピュラー音楽」の本質について、できるだけ多様な視点から検討していきます。特に、音そのもの、音楽そのものに限らず、それぞれの時代における技術的な裏付けや社会的な背景に注目し、社会現象としての「ポピュラー音楽」の意義を掘り下げていくことが全体を通しての課題となってくるはずです。講義の中では、受講者の皆さん自身の感覚をリトマス試験紙にしながら、様々なテーマについて一緒に複眼的に考えてみたいと思っています。
成績評価の方法: 前期、後期とも平常点とレポートによって評価する。
使用テキスト: 教科書はない。必要に応じてプリント教材を用意する。参考書類は講義中に紹介する。
留意事項: 講義の中で、簡単なアンケートを実施することがあります。積極的に御協力下さい。
[この講義は、1999年度のみの担当科目です。]
[1999年度の採点結果:A=33人、B=30人、C=1人、欠席=6人、失格=70人]
講義題目: 音楽史への多様なアプローチ
授業計画及び内容:
「音楽史」を、比較的ゆるやかに広い意味で捉えたとき、音楽をめぐる歴史的現象を、どのような観点から論じていくことができるのか、具体的な研究論文を読みながら考えていく。詳細については、受講者の希望を聴いた上で決定していきたい。
成績評価の方法: 前期、後期とも平常点とレポートによって評価する。
使用テキスト: 教科書はない。必要に応じてプリント教材を用意する。参考書類は講義中に紹介する。
[この講義は、1999年度のみの担当科目です。]
[1999年度の採点結果:A=2人、放棄=3人]
【授業表題】 日本人はポピュラー音楽をどのように聞いてきたのか
【授業内容】
大衆文化の社会科学的研究は、社会学をはじめ、社会科学関連の諸学において、近年いよいよ重要性を高めている。ポピュラー音楽を対象とした社会科学的研究も、急速に制度化が進みつつあり、研究成果も徐々に蓄積、共有されるようになりつつある。
この講義では、特に、社会におけるマス現象としてのポピュラー音楽の特質を踏まえ、日本人がどのように、多様なポピュラー音楽に接し、受容し、消化・消費してきたのか、という受容論を中心に論じていく。
講義は、ゲスト講師によるそれぞれ独立した一回ずつの授業が中心となるが、数回に一回のペースで、それぞれの授業では扱いきれなかった関連する音源の紹介なども行う。
【授業計画】
以下に、各回の担当者とテーマを列挙するが、授業のテーマは、仮のものも含まれており、変更される場合がある。
また、都合により、順番や担当者が多少変更される可能性がある。
<既に日程変更が出ています。今後、順次、変更内容を公開します。>
赤字表記になっているのは、当初の予定から日程変更のあった回です。ご注意下さい。
変更等については、授業中に指示する。
音源紹介と解説の回は、原則として山田が担当する。
第1回(4月14日): 瀬川 昌久(音楽評論家/(社)日本音楽家協会 顧問)
「戦前日本におけるポピュラー音楽の受容」
第2回(4月21日): 細川 周平(東京工業大学)
「戦前日本の大衆音楽の諸相」
第3回(4月28日): 「音源紹介と解説(1) 戦前篇」
第4回(5月12日): 西村 秀人(上智大学)
「戦後日本におけるラテン音楽の受容」
第5回(5月19日): 後藤 雅洋(四谷「いーぐる」店主)
「ジャズ喫茶という空間」
第6回(5月26日): 杉原 志啓(音楽評論家/学習院女子大学非常勤講師)
「ロックンロールの受容」
第7回(6月2日): 「音源紹介と解説(2) 戦後篇」
第8回(6月9日): 小泉 恭子(兵庫教育大学)
「学校教育におけるポピュラー音楽の聞かれ方」
第9回(6月16日): 五十嵐 正(音楽評論家)
「日本におけるブルースの受容/聞かれ方」
第10回(6月23日): 中河 伸俊(富山大学)
「教会、ソウル、趣味の共同体
−日本人は黒人大衆音楽をどう受容したか」
第11回(6月30日): 渡辺 潤(コミュニケーション学部)
「ロックを聞いていた若者たち」
第12回(7月7日): 難波 弘之(音楽家/東京音楽大学非常勤講師)
「プログレッシブ・ロックを聞く」
第13回(7月14日): 「音源紹介と解説(3) ロック篇」
第14回(9月22日): 小川 博司(関西大学)
「進化する歌謡曲と聴き手」
第15回(9月29日): 大倉 恭輔(実践女子短期大学)
「歌謡曲からはじまる議論」
第16回(10月6日):「音源紹介と解説(4) 歌謡曲篇」
第17回(10月13日):山田 晴通(コミュニケーション学部)
「小室哲哉の歌詞について考える」
第18回(10月20日):北川 純子(大阪芸術大学非常勤講師)
「演歌を聴く、演歌を遊ぶ」
第19回(10月27日):森川 卓夫(ワーナーミュージック・ジャパン)
「大衆がポピュラー音楽に求めてきたもの」
第20回(11月10日):村田 公一(同志社女子大学大学非常勤講師)
「ユーミンブランドにファンが見た音の映像とは
― プレ・バブル期の夢」
第21回(11月17日):稲増 龍夫(法政大学)
「アイドルを聞く」
第22回(11月24日):東谷 護(早稲田大学非常勤講師)
「阿久悠を読む、聞く、考える」
第23回(12月1日): 井上 貴子(大東文化大学)
「ヴィジュアル系のファンダム」
第24回(12月8日): 久万田 晋(沖縄県立芸術大学)
「沖縄音楽の聞かれ方」
第25回(12月15日):石谷 崇史(音楽評論家)
「アジアの音楽を聞く」
第26回(1月12日): 「音源紹介と解説(5) ポップス篇」
第27回(1月19日): 「総括:ミニ・シンポジウム」
【評価方法】
前期・後期のそれぞれについて、2回以上の臨時レポートを課し、それらの評価を総合して評価を下す。
詳しくは講義の中で指示する。
なお、講義内容等については、山田研究室のホームページで常時情報を提供しているので、こちらも参照すること。
http://camp.ff.tku.ac.jp/YAMADA-KEN/
[追記]
この講義の「講義資料およびプレイリスト」のページを、学生の協力を得て開設しました。(1999.04.14.)
[この講義は、1999年度だけの特別企画講義科目です。]
[1999年度の採点結果:A=102人、B=60人、C=7人、Z=93人]
演習表題
地域コミュニケーション調査
演習内容
地域コミュニケーションに関する調査を、参加者全員で企画・計画・実施し、報告書を作成する。この共同研究は、調査自体が成果を上げることもさることながら、参加した学生が調査の経験を通して研究の手法を身につけることを主な課題とするものである。共同研究には、対象地域での合宿を伴う現地調査などが組み込まれる。共同研究と並行して、4年次における「卒業制作・卒業論文」に向けた指導も行う。学生は、各自の関心のあるテーマについて予備的な文献調査を行って、その成果を報告するとともに、「卒業制作・卒業論文」に取り組む具体的な研究計画を練り上げる。
演習の性格上、時間割の外での拘束もあるし、ゼミの運営は強いコミットメントを要求する。参加者は、「カネ」、「ヒマ」、「根性」のうち少なくとも二つは充分に備えていること。(なお、事前に山田晴通研究室のホームページを見ておくこと。)
教科書
・未定(専門書を使う可能性がある)
参考文献
・随時指示する。
関連授業科目
・地域のコミュニケーション ・データ・アクセス法
その他
・希望者多数の場合は、個人面接により資質、意欲、適性などを総合的に判断して選考する。
・編入学生等、「コミュニケーション演習I」未履修者や、
他の教員の担当した「コミュニケーション演習I」の履修者の参加も歓迎する。
[1997年度の採点結果:受講者が1名だけだったので公表しません。]
[1998年度の採点結果:受講者が1名だけだったので公表しません。]
[1999年度の採点結果:A=3人、Z=1人]
講義表題
「地域」と「コミュニケーション」の諸問題
講義内容
コミュニケーションをめぐる議論は、社会総体を対象とする普遍的なマス・コミュニケーションの問題として、個人レベルのパーソナル・コミュニケーションの問題として論じられる場合が非常に多い。言い換えれば、中間的な、「地域」のスケールで論じられるべき問題は、見落とされがちなのである。コミュニケーションをめぐる諸問題のうち、マス・メディアに見られる地域間の差異、地域メディア、コミュケーション形態にみられる地域性、あるいは、マス・メディアの流す地域イメージなどは、そのような問題の例である。こうした地域のコミュニケーションをめぐる諸問題について概説するとともに、「地域」スケールの問題意識が、マス・コミュニケーションやパーソナル・コミュニケーションに対して提起していく課題についても論じる。
参考文献
随時指示する。ただし、意欲のある者には、次の二冊が役立つだろう。
・竹内・田村・編『新版地域メディア』日本評論社
・大石 裕『地域情報化』世界思想社
講義計画
一年の講義を通して、授業二〜四回程度を一つの区切りとして、次の八つのテーマを順次取り上げていく。ただし、取り上げる順序などは、多少変更が生じるかもしれない。
・「地域」と「コミュニケーション」の結びつき方
・「地域メディア」の位置づけ
・日刊地域紙
・CATV
・その他の「地域メディア」
・「地域情報化」政策
・地域社会の変化とコミュニケーション
・「地域イメージ」の諸問題
評価
年間数回のレポートに、出席状況を加味して評価を行う。
[1997年度の採点結果:A=17人、B=8人、Z=11人]
[1998年度の採点結果:A=24人、B=17人、C=2人、X=1人、Z=26人]
[1999年度の採点結果:A=4人、B=3人、Z=11人]
講義表題
数学が苦手な人のための「確率・統計」
社会科学的な研究において、調査統計の処理はきちんと理解しておかなければならない基本的な部分を成している。特にコミュニケーション学部では、必修科目「コミュニケーション調査法入門I」が置かれ、具体的な調査の手法とともに、調査の結果得られたデータの統計的な処理について学ぶことになっている。こうした統計処理を学ぶためには、基礎的な知識として高校レベルの数学、とりわけ「確率・統計」分野について、一定水準の学力が必要になる。ところが、近年の高校の数学教育のカリキュラムの変化などによって、学生諸君の中には、「確率・統計」について全く学習の機会がなかった諸君や、高校において一定の学習をしていても理解が不充分な諸君が多い。そうした諸君は、「調査法」関連の科目において、ごく基本的な部分で大変苦労する恐れが大きい。
この講義は、もっぱら数学が苦手な諸君を対象に、調査統計処理に必要不可欠となる高校レベルの基礎数学を、しっかりと理解してもらうことを目的としている。いわば、「調査法入門」のさらに手前にある「調査法『門前』」の講義だと思ってもらえばよい。
具体的には、調査データの統計処理において不可欠なツールである、「標準偏差」と「単純相関」の2点に絞って、手計算で出来る範囲の計算問題を解きながら、その基本的な考え方を理解することが、この講義を通した到達目標となる。受講者が高校レベルの「確率・統計」を未習であるという前提から出発し、できるだけ平易かつ丁寧に、受講者全員が「標準偏差」と「単純相関」についての計算の手続きと、統計的な意義を理解できるように指導する。
したがって、「標準偏差」と「単純相関」について既に十分理解している諸君は、この講義を受講する必要はない。逆にシグマを用いた計算ができない諸君(「シグマ」が何のことかわからない諸君を含む)には、ぜひ受講して欲しい。
教科書:なし(必要に応じてプリント教材を配布する)
参考書:高校の数学の教科書・参考書等、手元にあるものでよいから用意して欲しい(具体的には講義中に指示する)
関連分野:コミュニケーション調査法I・II、社会調査法、統計学
[この講義は、1998年度の特別講義「調査統計処理のための基礎数学」と同様の内容です。
この特別講義の最後の授業の際、匿名で集めた感想・コメントをすべて(90名分)公開しています。
→ 特別講義「調査統計処理のための基礎数学」受講者の声
この特別講義の採点結果:A=64人、B=25人、C=6人、Z=11人]
[1999年度の採点結果:A=30人、B=7人、Z=8人]
受講者(1998年度は1名)の研究テーマに沿って、卒業論文の指導を行う。
[1998年度の採点結果:受講者が1名だけだったので公表しません。]
[1999年度の採点結果:受講者が1名だけだったので公表しません。]
複数の教員によって構成される講義の一部を担当する。(責任者は廣井敏男・経済学部教授)
内容は、環境という観点の根本的な出発点を再度整理するとともに現実の環境保護活動など、環境問題への様々なアプローチの紹介をする予定。
具体的には、環境社会学、環境倫理学などの基礎概念について講義するとともに、コミュニケーション論の視点からみた環境問題の特性について議論していく。2回程度は、ゲスト講師を招く予定
山田の担当部分は、後期の最後の7回分程度になる予定です。
[この講義は、分担するだけの科目なので、採点結果は公表しません。]
演習表題
地域メディア論
演習内容
地域社会において、コミュニケーションの担い手として一定の役割を果たしているのが、「地域メディア」と総称される諸媒体である。具体的には、地域紙、タウン誌、CATV、ミニFMなど、様々なものが「地域メディア」の例であるが、中でも日刊地域紙と、自主放送チャンネルをもつCATVは、とりわけ重要なメディアである。
この演習では、日刊地域紙と自主放送CATVの両方が存在する地域を選び、文献購読や現地調査を通じて、「地域メディア」が地域の中でどのように支えられているのか、といった問題について考えていく。
演習の性格上、時間割の外での拘束もあるし、ゼミの運営は強いコミットメントを要求する形で進めていく。参加者は、「カネ」、「ヒマ」、「根性」のうち少なくとも二つは充分に備えていること。
(補足)1997年度は、
・竹内・田村・編『新版 地域メディア』日本評論社
を輪読。夏の合宿は、長野県松本市周辺の諸媒体を見学した。
今年は、コミュニティFMについて調査を行いたいが、詳細は未定。
[1997年度の採点結果:A=3人、B=2人]
[1998年度の採点結果<特別聴講生を含む>:A=3人、Z=2人]
/授業のねらい/
地域情報を伝達するメディアに注目して、議論を進めていきます。
簡単に言ってしまえば、「地域メディアから見た地域情報論」の講義ということになります。
地域の特徴が、地域メディアにどのように反映され、さらに地域メディアの特性が、地域における情報の流通、コミュニケーションにどのような影響を与えるのかを、具体的な調査事例を踏まえながら考えていきます。
/授業形態/
授業は講義形式で行います。
講義の大部分では、講義担当者がこれまで発表してきた論文や記事等を教材にして、これを講読していきます。
/成績評価/
講義の半ばの段階と、最後に、それぞれ筆記試験を行い、その成績によって評価します。
/教科書・参考書/
教科書はなし。
以下の諸論文を印刷教材として用意する予定です。
(若干の変更の可能性もあります。)
・山田晴通(1997)地域.(特集 現代マス・コミュニケーション理論のキーワード)
マス・コミュニケーション研究(日本マス・コミュニケーション学会),50,pp16〜23.
・山田晴通(1995)「地域のコミュニケーション」という視点.
コミュニケーション科学(東京経済大学),3,pp53〜64.
・山田晴通(1984)宮城県石巻市における地域紙興亡略史−地域紙の役割変化を中心に−.
新聞学評論(日本新聞学会),33,pp215〜229.
・山田晴通(1989)CATV事業の存立基盤.[一部分のみ]
松商短大論叢(松商学園短期大学),37,pp3〜68.
・山田晴通(1998)ドラマ作りの村−長野県山形村.
児島・宮崎編『表現する市民たち 地域からの映像発信』日本放送出版協会,pp43〜65.
・山田晴通(1998)多メディア・多チャンネル時代における日本の地方民放テレビ局の動向.
東京経大学会誌(東京経済大学),208,pp113〜124.
参考書等は、講義中にも紹介します。
なお、上記の論文の一部はウェブ上にテキスト公開されていますので、関連する文献も含めて事前に目を通しておくと、理解が深まりやすいと思います。
http://camp.ff.tku.ac.jp/YAMADA-KEN/Y-KEN/biblio.html
/授業内容/
以下のテーマについて、それぞれ3〜6時間をかけて講義していきます。
(1)地域・情報・コミュニケーションをめぐる基本的な概念の整理
(2)日刊地域紙の歴史と、地域における役割
(3)ケーブルテレビの歴史と多様性
(4)地域メディアと地域住民の参加
(5)空間的なメディア秩序の変質
[この講義は、1999年度のみ担当する科目です。]
[1999年度の採点結果:A=17人、B=15人、C=6人、D=7人、E=26人]
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