研究の道具箱:山田晴通:韓国・北朝鮮の地名


木浦 モッポ(モクポ) Mokp'o

面積:46.01平方km
人口:232,747人(1994年末)
世帯数:66,090世帯(1994年末)

大韓民国南西部に位置する全羅南道(チョルラナムド)の漁港を中心とした港湾都市。

栄山江(ヨンサンガン)の注ぐ木浦湾(モッポマン)の入口に面し、黄海に臨む。近海漁業の基地であり、食品加工・綿紡績・醸造などの工業もある。国鉄・湖南線の終点であり、ソウルへは直通列車が走っている。周辺の海域・地域は多島海海上公園に指定されている場所が多く、済州島(チェジュド)や、沖の島々への海上交通の要地となっていることもあって、訪れる観光客も多い。

李朝時代には水軍の拠点があったが、港湾都市として発達したのは、李朝末の1897年に開港地となり、日本人が居住するようになって以降である。1904年には、アメリカから綿花の種子がもたらされ、以降、周辺での綿花栽培が発展した。
植民地時代の1914年に湖南線が開通し、日本(内地)と中国大陸とを結ぶ中継地として、港湾機能の拡充が進み、急速な都市拡大が進んだ。この時期に建設された日本風の街並みは、現在も一部が残っている。市街地西郊の儒達山(ユダルサン)(228m)の麓にある木浦文化院の建物は、旧日本領事館(1900年建築)である。木浦は、植民地時代には、朝鮮半島有数の港湾都市であったが、独立後は、日本・中国との航路を失い、港湾機能は大幅に後退した。


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