研究の道具箱:山田晴通:韓国・北朝鮮の地名


羅先 ラソン(ナソン) Rason


朝鮮民主主義人民共和国北東部に位置する直轄市。

伝統的には羅津(ラジン(南ではナジンと読む))といい、咸鏡北道(ハムギョンブクド)に属した。
元々は漁村に過ぎなかったが、1965年に清津(チョンジン)と鉄道(清羅線)で結ばれてから、港湾の整備と都市化が進み、北東部有数の港湾都市となった。1967年には市に昇格し、1970年代以降、国際貿易拠点として開発が急速に進められた。
1993年9月(一説には1994年)には隣接する先鋒郡(ソンボングン)を合併して直轄市に昇格し、羅津−先鋒(ラジン−ソンボン)となり、2000年8月には羅先(ラソン)と改称した。

羅津〜羅先の発展は、ロシア(ソ連)、中国との国境貿易と密接に関連している。
羅津は、1972年から、不凍港を求めていたソ連に、港湾施設の一部が貸与された。ソ連〜ロシアは、周年利用できるこの港を、東南アジアとの貿易の拠点としているほか、軍事的にも利用しているものと推測されている。
漁港として重要であり、周辺には養殖場なども多い。海産物の加工品は、ロシアへも輸出されている。

1980年代以降は、中国やロシアと連動した豆満江開発計画によって、「羅津・先鋒自由経済貿易地域」が設定され、外国からの投資の誘導が図られている。現在では中国からの輸出品が、羅津〜羅先を経由して日本や韓国に送られるようになっている。
(最終更新:2001.01.17.)
羅津、先鋒地区:金剛山国際グループによる北朝鮮、朝鮮民主主義人民共和国へようこそのサイトにあるページ
北、「羅津-先鋒市」を「羅先市」に変えたもよう:連合ニュースの記事ページ

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