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concert review


都はるみコンサート//1999 December 19 @日本武道館


私は今年大学で「都はるみ研究」のゼミを履修している。
この講義を履修した理由はホントに興味とネタ狙いでしかなかった。
そういうわけで、今回ゼミの人たちと先生とでこの公演に足を運ぶことになった。
日本武道館自体も初めて行ったのに、それが都はるみってすごい!!
とても楽しみにしながら地下鉄に乗って至った九段下。席はS席7350円。

私は「若者はどの程度来てるのだろうか」「観客の様子はどうだろう」と
興味を抱きつつ今回の公演を楽しんだ。
まず若者はニール・セダカのコンサートより発見することが出来なかった。
私たちは大学生8人だったので、きっと目立っていたに違いない。

「王将一代小春しぐれ」ではキラキラひかる着物を着て、
「ふたりの大阪」を作曲家の市川昭介とデュエットし、
「アンコ椿は恋の花」「涙の連絡船」「さよなら列車」「大阪しぐれ」
「浮草ぐらし」「夫婦坂」(いずれも市川昭介作曲)を彼の指揮で熱唱した。
「浪花恋しぐれ」を作曲家の岡千秋とデュエットし、「道頓堀川」(岡千秋作曲)も歌った。
作曲家の弦哲也(歌うまい!)の指揮で40歳になった心情を唄った「小樽運河」、
京都3部作である「千年の古都」「古都逍遥」「大原絶唱」を歌うはるみ。

はるみのコンサートを見たり、歌っている映像を見たことのある人なら
分かると思うが、彼女はまさにステージを「走る」のである。
レーザーディスクで見たあの「走り」は生で見ても最高。思わず笑いがこぼれた。
それと観客の呼び掛け。「はるみちゃん!!」は想像してたけど、
「みやっこ!」にかなりびっくりした。

戸口に近い座席のせいで、開け閉めで足元と背中にかなり冷気が入った。
観客が良く出入りしていたため、それは非常に恒常的であった。

もちろん誰一人として立ち上がって聴く人はいなかった。
正直に言うと、ずっと座りっぱなしでいるのはかなり辛かった。

終わりに近付いた頃、「あなたの隣りを歩きたい」を歌いながら
アリーナ席の観客と握手をしていて、アリーナ席をうらやましく思ってしまった。
この曲の盛り上がりは終わりというかんじを思わせていたけれど、
大好きな「邪宗門」を続けてくれたときは、かなり来て良かったと思った。
あの最初の始まり方がすごいカッコいい。
そして最後に「好きになった人」でお別れ。
アリーナ席はかなりの人が立ちあがった。1階(っていっても実質2階)の人たちは
立ち上がらずだった。「好きになった人」は終わりに近付いた。
その時だ。
観客はバタバタと立ち上がりだした。しかし、「好きになった人」に
立ったのではなかった。そのまま帰り出したのだ。
まだはるみはステージにいるのに、だ。
これには相当驚いた。アンコールもないのだ。
客電もすぐにつき、余韻に浸る暇もなく、気がついたら武道館の外にいた。
この流れるような終わり方は初めての体験だった。
座りっぱなしでたっぷり2時間50分。CD3枚分くらいだから仕方がないのかなんなのか。

それにしても4月にこのゼミに入った頃には数曲しか知らなかったはるみの歌が、
コンサートで歌われた曲ほぼ完全に分かっていて、勉強の成果?が
よく分かったし、きっとこのゼミが終わってもはるみには注目していくと思う。