YAMADA's favourite Sydney bookshops: 2003 updated
研究の道具箱:山田晴通

ごくごく私的な シドニー書店案内
2003年補訂版

My Favourite Sydney Bookshops, 2003

 このページは、もともと研究室別館で公開していた、2001年度のシドニー滞在中(2001年7月〜2002年3月)に山田が実際に出かけて本を買った主な書店を中心に主観的なコメントでシドニーのいろいろな書店を紹介して作成したページ(以下、「オリジナル版」)を下敷きに、その後の訪問の際に気づいた変化などを補訂、追記して作成しています。ちなみに、山田が最後にシドニーを訪問したのは、2003年8月〜9月でした。その後、作業が取り紛れてしまい、公開するのが大幅に遅れましたが、2004年1月から「研究の道具箱」の中で公開することとしました。
 もちろん、最後にシドニーを訪れて以降の変化は反映されていませんし、オリジナル版で案内を作成してから訪れる機会もなく、その後の変化をフォローできていない店も多いことと思いますので、その点をご承知の上で参考にしてください。また、ここで漏れている情報や、現時点で不適切になっている内容がございましたら、お知らせいただければ幸いです。
[2004.01.05.記]<

[以下の文章はオリジナル版のままです]
 配列は順不同ですが、特にお薦めの店は最初の方に挙げてあります。また、実際に出かけたものの、本を買うに至らなかった店は最後にまとめてあります。もちろん、一回しか行っていない所もありますので、よい印象も悪い印象も、たまたまそう感じた者もいるという程度にご理解ください。

 オーストラリア全体をカバーした英文による書店紹介のサイトとしては、個人サイトながら充実した Australian Bookshops がありますので、網羅的な情報収集にご活用下さい。ただしこのサイトの情報には、既に現状と合わなくなっているものも含まれています。

 また、シドニーを含むニュー・サウス・ウェールズ州の書店ガイドとしては、下記のものがあります(改訂版が出るといいのですが)。
   National Book Council (Victoria) 1999: Bookshops of New South Wales and the Australian Capital Territory, Wilkins Farago, Elwood (Victoria), 215ps.   

 以下、本文中で「書店ガイド」とあるのは、いずれもこの本のことです。また、本文中にある「1階、2階...」等の表現は日本式のものです。オーストラリアは原則的には英国式(Ground floor, 1st floor...)なのでご注意ください。

 このページでは、上記のサイト・書店ガイドのほかにも手元にある範囲で資料を参照し、所在地、連絡先、営業時間等も表示しています。しかし、当然ながら、現状とは違っている可能性もありますので、十分ご注意ください。

 万一、誤りなどにお気づきでしたら、ご連絡ください。よろしくお願いいたします。

古書専門店
古書/新刊
新刊書店
新古本安売店
店名・特色所在地・連絡先
営業時間
コメント

The City
East suburbs
West suburbs
Other areas


店名インデックス(アルファベット順)
所在地インデックス(郵便番号順)


<
Cornstalk Bookshop
(Glebe)

稀覯書・探求本
112 Glebe Point Road, Glebe 2037 ph: 9660-4889
公式には予約対応のみ 平日のオフィス・アワーにはけっこう開いている
 グリーブ・ポイント・ロードでダ・カーポ・ミュージックの隣にある。ただし、黒く塗りつぶしたウィンドウに目立たなく店名が書いてるだけで、看板らしいものは出ていないし、平日でも開けていないことが多いので、必ず電話を入れてから行くように心がけた方がよい。
 古いテラスハウスの1軒分が丸ごと古書店になっていて、全ての部屋が本棚で埋め尽くされている。1階の本来の店舗部分は、稀覯書や地方史資料などが並び、その奥の部屋はオーストラリア文学・語学などの研究書がある。1階は、天井が高いので、棚の上の方へ手を伸ばすときには脚立の天板に乗るようになる。階段を上がると左手は探偵小説を中心としたペーパーバックの部屋で、残りの部屋と廊下にはオーストラリアの政治関係など社会科学系の本が並んでいる。
 古い店舗で、2階の床が本の重さに耐えるのか心配になってしまうが、本の整理状態は極めて良好で、すべての在庫はパソコンで管理されている。探求本への対応もしっかりしている。探求本はニュータウンの店に依頼した分もこちらでまとめて処理されるので、一方に頼めばよい。値段は概ねリーズナブルだが、稀覯本は強気の値つけになっている。日本の大学の研究所などに、オーストラリア関係書籍を大量に納入した実績もあり、公費購入にも広く応じているようなので、支払能力のあるところからはそれなりにもらうということだろう。
[最終確認:2003.09.03.]
Cornstalk Bookshop
(Newtown)

古本屋らしい古本屋
170 King Street, Newtown 2042 ph: 9550-3566
10am-midnight
 いかにも古本屋の王道という感じの店。2002年9月に、以前の店から2ブロックほど東側へ移転した。以前より奥のガレージのスペース分だけ広くなっているが、全体の雰囲気は大きく変わっていない。ただし、レジカウンターは、入口から少し入ったところになった。
 以前と同じようにレジカウンターの前には、特売本(1冊1ドルとか、5ドルという値段)のコーナーがあり、大型本などの棚があるが、その先は、細長いフロアを埋めつくすように、書架が並んでいる。壁面は高い天井まで棚になっていて、しばしば梯子のお世話になる。
 レファレンスものがしっかりしていること、特売品などに掘り出し物がけっこうあることなど、魅力の大きい古書店である。まとめて買物をすると、端数をおまけしてくれることも多い。
 以前は領収書を求めると、店のヘッダのついた普通の用紙に豪快な領収書を書いてくれたのだが、今回からは手書きだがごく普通の領収書になった。
[最終確認:2003.08.13.]
Gould's Book Arcade

百聞一見の大古書店
32 King Street, Newtown 2042 ph: 9519-8947
8am-midnight
 古い建物の薄汚い店舗に、整理がつかないほどの書籍が、あるいは棚いっぱいに押し込められ、床に積まれ、あるいは荷崩れの状態で放置されていて、カウンターでは偏屈な店主がおっくうそうに常連客と雑談をしている、という絵に描いたような古本屋は、少なくなりつつあるとはいえ、まだまだあちこちで出会う。また、スーパーマーケット並の店舗面積の古本屋というのは、日本ではブックオフの出現で珍しくなくなった。しかし、両方の条件を備えた店となると、日本でも出会ったことはない。とにかくシドニーへ来る機会があったら、騙されたと思って一度は出かけてみることを勧める。
 ニュータウンのキング・ストリートといっても、ニュータウン駅からは遠い、東の外れの方で、むしろシドニー大学に近い。シティ側からニュータウンへ向かうバスに乗ると、シドニー大学を過ぎて、通りの名がシティ・ロードからキング・ストリートになって最初のバス停が、グールズの前になる。おそらく、元々は大きな洋品店か、小さな百貨店だったのだろうと思われる、フロアの半分くらいが大きな吹き抜けになっている古い2階建ての建物が、丸ごと古本で埋め尽くされている。
 1階では、古書以外にも、新聞・雑誌のコーナーや、いつ入荷したのか定かでないグリーティング・カード、はては冷蔵庫に入った飲み物や、菓子類まで扱っているが、もちろんフロアのほとんどは古書の棚で埋まっている。1階は、文学・映画・音楽・その他エンターテイメント系の分野を中心に、19世紀の古い本(稀覯書というほどのものはない)やゲイ・レズビアン・スタディーズなどが並んでいる。2階は吹き抜けを囲んで回廊状になっていて、さらに店の奥のほうにかなりの奥行きがある。
 鞄類をレジカウンター前に置き、カウンターに背を向けて2階を見上げると、向かって左手の回廊の壁から奥にかけては、オーストラリアの労働運動に関するものを中心に、左翼関係の膨大な量の資料が積み上がっている。正面の階段を上がってすぐの辺りはオーストラリア関係書籍で、それを中心に軍事史や各国史、地理書などは左側、レファレンスやメディア関係などは右側にある。右手の回廊は、語学書や英語以外の書籍で埋まっている。
 値段は極めてリーズナブル。その上、カウンターに白髪白髭の店主がいるときに大量に買うと、例えば7ドル95セントと値のついている本を8ドルとしていったん計算した上で、1割値引く、というやり方で、1割近くまけてくれる。ただし、この店では、在庫は店主でも把握しきっていないので、とにかく自分の目で棚を(そして床の上を)確かめてゆくしかない。また、同じ本に異なった値がついていることもけっこうある。
 この店には、大きなリュックを準備して、数時間は掘るつもりで出かける価値がある。年中無休、朝の8時から深夜までという営業時間も、実に豪快というか、とんでもない店である。
[最終確認:2003.09.01.]
Da Capo Music

音楽書・楽譜
112a Glebe Point Road, Glebe 2037 ph: 9660-1825
10am-6pm
 グリーブ・ポイント・ロードの古いテラスハウスに入っている。隣はコーンストークである。
 コーンストークと同じように、古いテラスハウスの1軒分が丸ごと古書店になっている(厳密に言えば、2階の1部屋だけは作業場になっているらしくカーテンで仕切られて客は入れない)。1階の本来の店舗部分では、入口近くにバーゲン本のかごがあり、フロアにも低い棚が置かれて稀覯書や大型本などが並んでいる。奥に入ると、階段のある中間の部屋にはクラシック系の音楽史の本、その奥の部屋には器楽などの楽譜や教則本がある。2階に上がると、右手はピアノを中心としたクラシック系の楽譜の部屋で、左手が、ポピュラー音楽、民俗音楽その他の音楽書と楽譜類の部屋になっている。
 日本人は上客なのか、日本語のホームページも開設されている。店まで行かなくても、日本からでも本を取り寄せることが可能なわけだが、やはり何度も足を運んでこそこの店の良さがわかるというものだ。  在庫は、店に出ていない分もあるようで、少なくとも、オーストラリアのポピュラー音楽についての本は、いつもひと通り揃っている。逆に言えば、ここを探して見つからない本は他所でも見つけるのが難しいと覚悟する必要がある。
 支払にはクレジット・カードは使えるが、eftpos は使えないので、カードを使いたくないのに財布の中身が足りないと、通りを少し北へ行った辺りにある銀行のATMまで行くことになる。
[最終確認:2003.09.03.]
Kinokuniya Bookstores of Australia
紀伊国屋書店

最大の日系書店
Shop RP2.02 The Galeries Victoria, 500 George Street, Sydney 2000 ph: 9262-7996
月〜火:11am-7pm 水〜:11am-9pm :11am-7pm
 紀伊国屋書店は、以前は日本人の多いニュートラル・ベイ・ジャンクションに店を構えていたのだが、2002年からシティのど真ん中、タウンホール駅直近に、巨大なフロアの店を出した。
 日本から輸入した書籍を並べたフロアだけでも、中型書店並みの広さがある。値段はだいたい日本での価格の倍くらい。日本語のほか、中国語の書籍も同じくらい充実しているし、英語の書籍も売り場面積も日本語の倍以上あり、とにかくワンフロアの書店としては半端ではない規模である。文房具売り場などにも、日本製のものなどが一通りそろっているし、カフェもある。シドニー在住の日本人なら何らかの形でお世話になるはず。
[最終確認:2003.09.03.]
Antique Bookshop & Curios

アンティカリアン
Level 1, 328 Pacific Highway, Crows Nest 2065 ph: 9966-9925
火〜:10am-5pm
 パシフィック・ハイウェイのクロウズ・ネストのバス停(アウトバウンド=北行き=側)前にある、しっかりした雰囲気の古書店。家具屋の2階で、数軒先にはお勧めの日本料理店「魚や」がある。
 ここはセカンドハンド、リサイクル、イクスチェンジといった言葉が似合う古本屋ではなく、アンティカリアン・ブックショップ、つまり骨董としての古書の店なので、値段は全体的にやや高めだが、比較的新しい本でも変わったものがいろいろあるし、古い本でも状態はよいので、納得の行く価格といえる。
 店舗面積のわりには、壁面の棚はそんなに高くなく、また棚も密度は低いようで、店内の在庫は多くないようにも思う。しかし、ここの貴重書は、かなり値の張るもののようで、ガラス戸のついた棚の中を見せてもらうのはちょっと勇気がいるかもしれない。店内の壁面の4分の3程度は、分類別、残りは、最近発行したカタログ別に並べられている。趣味の本も、他の古本屋とは違って、クリケット、競馬、クラッシク音楽の古い楽譜、といったところが目立ち、いかにも趣味のよい古書店という感じだ。探求本にも応じてくれる。
 (「書店ガイド」には、Tyrrell's Bookshop という別の古書店がここにあるように記載されている。これは経営が代わったためのようだが、電話番号などはまったく異なっている。)
 (オリジナル版では、店の名が微妙に違うが、2003年にもらったチラシの表記に従って改めた。)
[最終確認:2003.08.14.]
Berkelouw Booksellers
(Paddington)

デート用か?
19 Oxford Street, Paddington 2021 ph: 9360-3200
10am-midnight
 シドニーでも有名な、お洒落な古書店。オックスフォード通りの映画館が並ぶ辺りに、ガラス張りの独立店舗を構えている(オックスフォード通り19番地といってもハイド・パークに近いサリー・ヒルズ側ではなくパディントンなので注意)。
 1階が新刊書、2階が新刊書とカフェで、少しだけ古書もあるが、古書専門のフロアは3階にある。3階のフロアは棚も高く、かなりの在庫量で数回は通わないと全体像はつかめないかもしれない。
 きれいな店で、本の保存状態も良い。こういう店だと高いのではないかと思わせるが、そんなことはなく、全体にリーズナブルな値段。
 スタッフの女性たちが可愛いのも魅力のうち?
Berkelouw Booksellers
(Leichhardt)

優雅な読書空間
70 Norton Street, Leichhardt 2040 ph: 9560-3200
月〜木:10am-11pm 金・:10am-midnight :10am-11pm
 ショッピング・センターの向かい側の小さなガラス張りの共同店舗の向かって左半分を占めている。1階が新刊書、2階が古書とカフェで、数は多くないが古レコードも扱っている。ジャンルを問わない品揃えだが、棚も低く広さの割りに在庫はさほどでもない。音楽書の比重は大きめ。
 バークローの店らしく、オックスフォード通りの店と同じように、お洒落な立地、開放的な空間、カフェつきで、本の保存状態も良く、値段もリーズナブル。
 ただし、一度来れば品揃えはだいたい判るので、近くに住むのでなければ何度も足を運ぶことはないだろう。しかし、近所に住むなら、お茶を飲みながら読書しに通う価値があるだろう。
Ashwood's Music and Books

娯楽書
レコード類
129 York Street, Sydney 2000 ph: 9267-7745
月〜水:9.30am-6.30pm 木:9.30am-8pm 金:9.30am-6.30pm :9.30am-5pm :12noon-4pm
 QVB(クイーン・ヴィクトリア・ビルディング)のヨーク・ストリート側のバス停の向かい側、ビルの地下階にある。古書のほか、レコード類も扱っていて、むしろ比重はそちらの方にあるかもしれない。
 古書では、映画・スポーツ・園芸など娯楽関係の大型本が売りになっている。
 (「書店ガイド」には掲載されていない。)
Basement Books

新古本
Shop 1, Henry Deane Plaza, 2 Lee Street, Haymarket 2000 ph: 9211-6973
10am-11pm?
 以前は World Square の工事中のビルの1階部分にあったが、2002年秋に移転して、シドニー中央駅の南西口、レイルウェイ・スクエアの地下通路に面した現在地に落ち着いたようだ。以前より面積は少し狭くなっている。
 大規模な新古本の店。店の入口前には、くず値の本が出ている。店内に入ると、内装はいっさいなしで、コンクリート剥き出しの床に、背の高さ程度の書架が壁のように並び、フロアには平積み台と読書用のソファがあちこちに置かれている。
 値段はだいたい定価の半額以下になっていて、中には9割引きなどというものもある。新古本屋としては、最も安い水準といえるだろう。品揃えは幅広く、在庫の多寡はあってもだいたいどんな分野のものもあるし、書籍のほかにもビデオなどがある。
 (「書店ガイド」には掲載されていない。)
[最終確認:2003.09.01.]
Sappho Books

女流文学
フェミニズム
165 Glebe Point Road, Glebe 2037 ph: 9552-4498
10am-10pm
 グリーブ・ポイント・ロードの商店街に、お洒落だが落ち着いた雰囲気の店を構えている。「書店ガイド」によると、元は肉屋だった建物を改装したものらしい。最初に入った時の印象では、女流文学やフェミニズムなどに強いという印象だったのだが、実際の在庫量としてはそれ以外の普通の本が多い。店名から想像されるよりは、ずっと普通の感じの古書店である。
 店の前には、バーゲン本を並べた台が出ている。中に入ると左手の壁は作家のアルファベット順に並べられた小説類で埋まっている。奥へと進むと、フェミニズム書、エイズ関係の本、ニューエージ物などという棚があり、きれいに整理された本が並んでいる。
[最終確認:2003.09.03.]
Borders Books Music and Cafe
(Macquarie Centre)

カフェで音楽を
Shop 452, Macquarie Centre, Herring Road, North Ryde 2113 ph: 9878-4322
月〜水:9am-8pm 木〜:9am-10pm :9am-8pm
 以前、ハワイでよく利用したボーダーズは、シドニーでも3ヶ所に店を出している。マコーリー・センターの店は、このショッピング・センターの中でも最大の書店。北側の棟の一番上のフロア(level 4)で、ちょうど百貨店グレイス・ブラザースの上にあたる場所にある。
 CD類は店内やや奥の右手、カフェは左手にある。時々ジャズの生演奏をしていたり、いろいろイベントがあるのも、ハワイの各店舗と共通している。カフェの Large カップは本当に Large だ。
 (「書店ガイド」には掲載されていない。)
Gleebooks

文学書
児童書(新刊)
191 Glebe Point Road, Glebe 2037 ph: 9660-2333
8am-9pm
 グリーブ・ポイント・ロードの古書店としては一番北の外れにあたる。新刊書を扱う姉妹店が49番地にあるが、191番地は、古書と児童書の新刊専門になっている。文学系に強いという印象で、社会科学書は比較的少ないようだ。
[最終確認:2003.09.03.]
Wheels Bookshop /
Battlebridge Military Books


軍事・航空関係
333 Church Street, Parramatta 2150 ph: 9687-9025
月〜水:9am-5pm 木:9am-8pm 金:9am-5pm :9am-4pm :10am-4pm
 パラマタ駅からチャーチ・ストリートを北上し、パラマタ川にかかる橋の手前のところにある、軍事ヲタクの殿堂。戦争に負けた事がない軍事的栄光に包まれた無邪気な国では、この手のマニアはメジャーらしく、政府刊行物センターなどでも軍事関係の出版物は多いのだが、さすがにこの店は専門店だけあって充実している。軍事物以外にも、関連の深い航空機関係や、自動車などその他のメカ物が多く、ここではいくらでも時間を潰せるという人も多いはずだ。店名が2つあるのも、同じ店の別の側面に焦点を当てたもののようだ。
 軍事書は、ほとんどがオーストラリアと英米のものだが、日本のプラモデルがらみの写真が中心のものも含め、品揃えは幅広い。専門誌のバックナンバーにも圧倒される。書籍以外にも、ビデオや、戦闘機のポスターなど、いろいろな物を売っているのだが、「戦争に勝ったのはどっちだったか思い出せ」と大書された、ゼロ戦が撃墜されるシーンのイラストが入ったTシャツとか、オサマ・ビン・ラディンの写真をプリントしたTシャツなど、思わず引いてしまいそうなものもある。
 店の奥には「贈 石倉榮三郎君」と墨書された日の丸が飾ってあるが、これは売り物ではなくディスプレイということだ。
 (Berg's Hobbies も参照のこと。)
[最終確認:2003.08.30.]
Books On King

161 King Street, Newtown 2042 ph: 9519-7602
?
 コーンストークとグールズの中間、キング・ストリートの反対側に位置している。元々は The Book Searchers という店だったが、経営が代わって現在の名になったようだ。しかし、今でももとの名で言及されることもある。
白っぽい簡素な内装の細長い店内には、かなりの密度で棚が並んでいる。シドニー大学が近いせいか、大学で教科書に使いそうな社会科学系の本や、SFものなどが充実している。
 2002年にコーンストークがほぼ正面に移転してきた。コーンストークとグールズという特徴のある店に近く、いま一つ印象が薄いが、はしごするというのも悪くない。
 (「書店ガイド」には掲載されていない。)
[最終確認:2003.08.13.]
Gertrude & Alice Cafe Bookstore

ビーチ・リゾートの古本屋
**** Hall Street, Bondi beach 2026 ph: *******
7 days / till late
 ビーチ沿いのキャンベル・パレードから、ラヴェシの角を西へ入り、ちょと先の郵便局のそのまた先にある。このあたりは雰囲気のよいカフェが並んでいるが、ここも、古書店であり、カフェでもあり、なおかつ両方の点から見てそこそこの水準にいっているという貴重な店だ。
 棚は高さも密度も高く、カフェの客が多めの時間帯は、やや窮屈だが、とにかくちゃんとした古本屋になっている。リゾート地の古本屋らしく、文学書や伝記が非常に多いほか、ニューエージもの、ガーデニング、料理などに強い。人文社会科学系は、歴史などの比重が大きく、「ヘミングウェイズ・ルーム」と名付けられた奥の小部屋に集中している。
 カフェとしても居心地はよく、大小のテーブル、ソファ席など、あわせて20席以上があり、落ち着いて長時間居座る人も結構いる。
[最終確認:2003.09.03.]
Katoomba Book Exchange / The Katoomba Book Shop

こちらは高原リゾートの古本屋
34 Katoomba Street, Katoomba 2780 ph: 4782-9997
・月:12noon-8pm 火〜:10am-8pm
 カトゥンバ駅の表口にあたる南側に出て、まっすぐ南へ下るカトゥンバ・ストリートの東側、駅を背にして立つと左側にある。映画館の跡らしい新聞社とレストランが入っている建物の先、カフェが数軒並ぶ間にある。経営は、隣のカフェ「ズッパ」と同じらしい。
 全体的に棚は低く在庫量も大したものではない。リゾート地の古本屋らしく、気軽なペーパーバックや、ニューエージもの、ガーデニング、料理などは比較的あるが、社会科学一般はほとんどない。ただし、オーストラリアものは、社会科学系も含め、そこそこいろいろなものがある。
 2003年初めにきれいに改装して、インターネット・カフェを兼営し始めた。
[最終確認:2003.08.15.]
Paperback Palace


ペーパーバック
Top Ryde, Blaxland Road, Ryde 2112 ph: 9808-4000
月〜水:9am-5.30pm 木:9am-9pm 金:9am-5.30pm :9am-4pm :10am-4pm
 トップ・ライド・ショッピング・センターの南側の出口に近いところにある、パーパーバックと新古本が中心の店。クライム・ノヴェルからロマンスものまで、余り利益が上がるとも思えないペーパーバックを大量に取り揃えている。もちろん、量は少ないがこれ以外の分野のものもある。
 ある程度の値段になっている商品には、買取保証がついていて、貸し本屋的に利用することもできる。
 (「書店ガイド」には掲載されていない。)
Furu-Hon-Ya


日本語の本の古本屋
Shop 1, 1-9 Wilkes Avenue, Artarmon 2064 ph: 0425-210-357
月・水〜:11am-8.30pm
 名前そのままの、小さな日本語の本の古本屋。シドニーの日本人社会で有名な「ラーメン元気」の向かい側にある。
 在庫の中心は新書・文庫類で、新本の定価よりやや安いという程度の値付けで決して安いとはいえないが、当地で新刊を(日本の倍の価格で)手に入れることを考えると妥当な線かもしれない。子供向けの本、漫画なども少しある。
 (「書店ガイド」には掲載されていない。)
AusInfo:
Government Info Shop

(Sydney)

政府刊行物
32 York Street, Sydney 2000 ph: 9242-8500
月〜水:8.30pm-5pm 木:8.30am-7pm 金:8.30am-5pm
 タウンホールとウィンヤードの中間にあたるヨーク・ストリートに面した政府刊行物センター。オーストラリア連邦政府や連邦議会関係の官庁刊行物を中心に、関連する一般書籍などを広く取り揃えており、例えば、軍事関係の棚などもかなり大きなスペースを取っている。
 新規移民などを意識しているのか、オーストラリアの行政の仕組みを平易な英語で解説した資料も多く、立ち読みをしているだけでも勉強になる。特定の資料を探していて、ここにない場合には、関連する政府部局の窓口の所在などを教えてもらえることもあるので、とりあえず店員に相談するとよい。
[最終確認:2003.08.15.]
George St. Book & Record Exchange

意外性の店
601 George Street, Sydney 2000 ph: *****
月〜:10am-7pm :11am-7pm(週末は気まぐれに夜遅くまで開いていることもある)
 ごく普通の古本屋。雑然とした感じの割には、本の状態は良い。パーパーバック類は通俗的なものから、古典的な文学までいろいろある。時々大幅割引きをやっている事があるので、何度か覗いてセールのものを買うというのが良いかもしれない。
 ちなみにこの店の上階には、ポルノ専門の古本屋がある。
 (「書店ガイド」には掲載されていない。)
[最終確認:2003.09.02.]
Kelly's Discount Books Videos & CDs

まぎらわしいけど
583 George Street, Sydney 2000 ph: *****
****
 ほぼ同名の店があるので紛らわしいが、こちらが古い店で、元々の店主が権利を売り渡して近くのリヴァプール・ストリートにひとまわり広い店を構えなおした(この店は2003年に閉店)ということらしい。
 さほど広くない店内で、中心はペーパーバックにあり、総じてあまり魅力的な品揃えではない。ただしなぜか辞書類は在庫がしっかりしている(新古本?)。ポルノ雑誌も扱っている。
 隣は、店名不詳のポスター屋。こちらも開いていれば冷やかしてみたい。
 (「書店ガイド」には掲載されていない。)
[最終確認:2003.09.02.]
Kelly's Books

まぎらわしいけど
229 Broadway, Glebe, 2037 ph: 9552-8280
****
 ここは本当は何も買っていないのだが、ついでに並べておく。ブロードウェイのランドマークになっている、昔の Grace Brothers の建物の並びにある。
 おそらく、元々ジョージ・ストリートの店をやっていた経営者が、(オリジナル版の時点で)リヴァプール・ストリートに移り、さらに、2003年8月にここに移転してきたもの。あるいは今回の移転で経営者も代わっているかもしれない。
 CDその他も扱っている。一応、古本屋だが、書籍は新古書の比重が大きい。ジョージ・ストリートの店よりずっと広いが、ここも魅力的な品揃えとは言えないし、割安感もない。
[最終確認:2003.08.16.]
AusInfo:
Government Info Shop

(Parramatta)

政府刊行物
Shop 24, Horwood Place, Parramatta 2150 ph: 9893-8466
月〜水:8.30pm-5pm 木:8.30am-7pm 金:8.30am-5pm
 政府刊行物センター AusInfo のパラマタの店。マコーリー・ストリート側からホーウッド・プレイスに入ってすぐ左手にある。
 シティの店よりもひと回り小さいが、店の品揃えの構成などはよく似ている。たまたまシティの店で品切れだった資料がこちらにあるという場合もあるので、憶えておいて損はない。
Classic Bookshop

711 George Street, Sydney 2000 ph: 9212-2478
?
 以前は、Books Buy and Sell あるいは Peter White の名で知られていた、ヘイマーケットに近いジョージ・ストリート西側の古本屋。ベトナム系のアジア料理店の地下にある。2002年初めに経営が代わったそうだが、2月末に行ったときも入口の階段に旧店名の看板が残っていた。当分このままかもしれない。
 細長いなりに広い店舗の割には、棚は低く、空いていて、在庫はいま一つ魅力に欠ける。在庫はコンピュータ管理されているが、たまたま訪れた時に店番をしていた店員は、本探しに協力的ではなかった。もちろん、たまたま運が悪かっただけかもしれない。
   大学教科書などの商品には、買取保証がついていて、貸し本屋的に利用することもできる。
 (「書店ガイド」には掲載されていない。)
Abbey's Bookshop

語学書
131 York Street, Sydney 2000 ph: 9264-3111
月〜水:8.30am-7pm 木:8.30am-9pm 金:8.30am-7pm :8.30am-6pm :10am-5pm
 QVB(クイーン・ヴィクトリア・ビルディング)のヨーク・ストリート側のバス停の向かいにあり、近代的なビルの1/2階を占めている。1階は一般の新刊書店だが、2階が語学書専門のフロアになっていて、英語をはじめ各国語の辞典や教材、ヨーロッパ諸語のペーパーバックなどがある。シドニーでは一番充実した語学書の品揃えだろう。
Map World

地図
371 Pitt Street, Sydney 2000 ph: 9261-3601
****
 「旅はここから始まる」が謳い文句の地図専門店だが、アトラス類のほか、関連書籍も若干ある。CD-ROM 類のデモを見せてもらうこともできる。地形図の在庫は、当然LPIにかなわないが、民間で出ている地図、古地図の複写、旅行者向きの外国の地図などは、こちらに軍配が上がる。
 シドニーでは、クロウズ・ネストにも支店がある。
Martin Smith's Bookshop

ビーチ直近
3 Hall Street, Bondi beach 2026 ph: 9365-1482
9.30am-10pm
 キャンベル・パレードからホール・ストリートに入ってすぐ、ラヴェシズ・コーナーの向い側にある小さな書店。店が狭い分、天井がとても高く感じられる。その高い壁の上までがびっしり本棚になっている。この狭いスペースに、いかにもビーチ・リゾートへ来てまで本を読みたいひと向けといった感じで、厳選された一癖も二癖もありそうな本が並んでいる。
 ふらりと来て、目に止まった本を買って帰るのが、この店の正しい利用法だろう。ボンダイ・ビーチへ行くなら、この店に「巡礼」して、ボンダイ・ビーチの歴史をつづった本(例えば「Discover Bondi」)を買うことを勧める。
[最終確認:2003.09.02.]
Berg's Hobbies

書店ではなく模型屋
181 Church Street, Parramatta 2150 ph: 9635-8618
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 ここは書店でも、古本屋でもなく、模型屋なのだが、上で紹介した Wheels Bookshop / Battlebridge Military Books と同じパラマタにあるので、あえて紹介する。場所はパラマタ駅西側のガードの北側、チャーチ・ストリートの歩行者天国の入口のところである。本業の模型屋としては、日本の田宮模型をはじめ、韓国、中国製の各種プラモデルから、模型飛行機のキット類まで、かなり本格的な品揃えで、大変しっかりしている印象だ。値段は、田宮のもので日本の定価の7割増くらいになっている。
 この店の棚の一部は、古い航空雑誌、模型雑誌などのバックナンバーで占められている。保存状態は決してよくないし、ばら売りしているので、既に相当かき混ぜられて、順番もぐちゃぐちゃだが、古いものは1960年代からある。一応、個別の価格がついているものもあるが、実際には一律1冊2ドルにしているようだ。
 Battlebridge に行くなら、ついでに立ち寄って損はないだろう。
 (もちろん、「書店ガイド」には掲載されていない。)
以下の店は、実際に出かけていますが、何も買っていません。
趣味の合う方は覗いてみてください。
Adyar Bookshop

ニューエージ
230 Clarence Street, Sydney 2000 ph: 9267-8509
月〜水:8.30am-6pm 木:8.30am-8pm 金:8.30am-6pm :9am-5.30pm :1pm-5pm
 1922年創業を誇る、シドニー最大、最古の「ニューエージ」系書店。店内には、お香やキャンドル、仏像の類なども並び、なかなか「きている」感じ。怪しげな店内イベントもいろいろ企画されている。
Galaxy Bookshop

SF、ファンタジー
143 York Street, Sydney 2000 ph: 9267-7222
月〜水:8.30am-7pm 木:8.30am-9pm 金:8.30am-7pm :8.30am-6pm :10am-5pm
 Abbey's と経営が同じ SF、ファンタジーものの専門店。もともとはAbbey's の裏手、Clarence Street に面した位置にあったが、2003年に Abbey's の並びに移転した。定期的に出ている手作り感いっぱいのニューズレター(店の入口に置いてある)には、新刊の紹介がぎっしり。
Auto Book World

自動車
275 Clarence Street, Sydney 2000 ph: 9283-7134
月〜水:9am-5.30pm 木:9am-7pm 金:9am-5.30pm :9am-4pm
 新刊書を中心に、自動車整備マニュアルからモータースポーツのビデオまで、多様な資料が並んでいる。細長く奥深い店内は、こぎれいに整理されている。少しだけ置かれている古書は、いずれも稀覯書扱いでかなり高めの値段がついているが、それでも買うマニアがいればこその値付けなのだろう。店の入口に近いところにはバイク関係、店の一番奥には軍事ものがある。
Grace Bros Books

百貨店の上階
436 George Street, Sydney 2000 ph: 9238-9111
月〜水:9am-6pm 木:9am-9pm 金・:9am-6pm :11am-5pm
 David Jones と Grace Brothers はシドニーを代表する百貨店の双璧。前者が三越とすれば、Grace Brothers は高島屋である。
 その本店の上のほう(Level 5)にある書籍売り場は、レコード売り場とカフェに隣接し、特売場と同じフロアになる。カフェの席について、本を拾い読みすることもできるので、連れが買物に勤しんでいる時に時間を潰すには絶好の場所といえる。

コンテンツ=[文書作成:2003.08.14.]=[最終更新:2003.09.07.]


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