研究の道具箱:山田晴通
青山学院大学の学生がレポートに使ったジャズ入門書
山田は、2003年に青山学院大学で「音楽史A」を担当し、期末の選択レポート課題の一つとして、
ジャズの歴史を通史的に述べた文献(書籍)を3冊以上選び、その記述内容を比較しながら紹介する書評をまとめてください。
特に、時期区分、様式の分類方法や名称、代表的とされる演奏者やレコードなどが、どれくらい一致したり、食い違ったりするのかを、わかりやすく説明してください。
という課題を出しました。この課題を選択した受講者は73名いました。ここでは、このレポートで学生諸君が取り上げた書籍を、取り上げた人数が多い順に紹介します。実際には,書籍を1冊しか上げなかった者や、一人で3冊以上に言及した例もありましたので、のべ人数は73×3=219とは一致していません。また、書誌を的確に記載していない例が多かったので、極力該当するものを探しましたが、書名だけでは判断がつかなかったものもありました。こうした場合は、書名だけで上げてあります。ただし、書名(『ジャズの歴史』)からはいずれか判断がつかないもの(ティロー?、ヴィーニャ?)は、人数に入れませんでした(該当1件)。また、書籍ではなく雑誌特集号(『スイング・ジャーナル』など)を上げているものが4人=のべ6件(重複なし)ありましたが、詳細が調べられないので、取り上げておりません。あしからずご了解下さい。
- 17人:
- ティロー,フランク(中嶋恒雄・訳)(1993):
『ジャズの歴史 その誕生からフリー・ジャズまで』音楽之友社(TRCのデータ)
- 16人:
- 後藤雅洋(2000):
- 大和 明(1997):
『ジャズの黄金時代とアメリカの世紀』音楽之友社(はじめて音楽と出会う本)(TRCのデータ)
- 15人:
- 14人:
- 油井正一(2001):
『生きているジャズ史』シンコー・ミュージック(TRCのデータ)
(データは改訂版:当初、東京創元社より『ジャズの歴史』として刊行、1988年に『生きているジャズ史』と改題してシンコー・ミュージックから刊行)(人数には『ジャズの歴史』を挙げている者を含む)
- 12人:
- 小川隆夫(2001):
- 悠 雅彦(1998):
『ジャズ 進化・解体・再生の歴史』音楽之友社(音楽選書)(TRCのデータ)
- 11人:
- プリーストリー,ブライアン(後藤誠・訳)(1995):
- 9人:
- 6人:
- 5人:
- ヴィーニャ,ジュゼッペ(小松博・訳)(1998):
『ジャズの歴史 その誕生からフリー・ジャズまで』ヤマハミュージックメディア(TRCのデータ)
- 3人:
- 岩波洋三(1977):
- 植草甚一(1967):
- 後藤雅洋(2001):
- 羽鳥直人(2000):
『ジャズが好きになる本』エール出版(Yell Books)(TRCのデータ)
- 前田一郎(1984):
- 村井康司(2000):
『ジャズの明日へ コンテンポラリー・ジャズの歴史』河出書房新社(TRCのデータ)
- 悠 雅彦・稲岡邦弥・福島哲雄(2000):
- カー,ロイ(広瀬真之・訳)(1999):
『ジャズ100年史』バーン・コーポレーション/シンコー・ミュージック(TRCのデータ)
- リー,エドワード(小木曽俊夫・訳)(1986):
- 2人:
- 岩浪洋三(2000):
- 小川隆夫(2002):
- 鎌田善浩(2000):
- キーワード事典編集部・編(1990):
- 後藤雅洋(1990):
- 後藤雅洋・中山康樹・村井康司・編(2002):
『JAZZ "名盤" 入門! 100人のジャズジャイアンツ』宝島社(別冊宝島)(TRCのデータ)
- 中山康樹(2000):
『マイルス・デイヴィス ジャズを超えて』講談社(講談社現代新書)(TRCのデータ)
- 三井 徹 ほか・編(2000):
- 油井正一(1972):
- コカー,ジェリー(小木曽俊夫・訳)(1989):
- テイラー,ビリー(古屋直己・訳)(1986):
- 1人:
- −−−−(1999):
『60年代音楽 1960s beat classics』音楽之友社(TRCのデータ)
- arc出版・企画企画・編(1983):
- 岩浪洋三(1987):
- 穐吉敏子(1996):
- FM東京「セレクト・ジャズ・ワークショップ」制作グループ・編(1987):
- 植草甚一(1976):
- 植草甚一(1979):
- 植草甚一(1977):
- 小川隆夫(2002):
『ニューヨークJazz パーフェクト・ジャズ・ガイド200』東京キララ社/三一書房(TRCのデータ)
- 小野好恵(1998):
- 金田由紀子・佐川和茂・編(2001):
- 川又一英(1993):
『ルイ・アームストロング 少年院のラッパ吹き』メディアファクトリー(TRCのデータ)
- キーワード事典編集部・編(1992):
- 後藤雅洋(1990):
- 北村崇郎(2000):
『ニグロ・スピリチュアル 黒人音楽のみなもと』みすず書房(TRCのデータ)
- 栗村政昭(1977):
- 講談社出版研究所・編(1981):
『JAZZ&JAZZ 歴史にみる名盤カタログ800』講談社(TRCのデータ)
- 後藤雅洋(1998):
『JAZZ百番勝負 ジャズを本気で愛するための100枚100曲』講談社(TRCのデータ)
- 後藤雅洋(2002):
- 清水俊彦(1987):
- 清水俊彦(1990):
- 副島輝人(1994):
- 田幸正邦(2002):
『ジャズの起源はベートーベンにある』東京図書出版会/星雲社(TRCのデータ)
- 津神久三(1999):
『ニューヨーク・ジャズエイジ 芸術都市にみる狂騒の10年』中央公論社(TRCのデータ)
- 柘植元一・塚田健一・編(1999):
『はじめての世界音楽 諸民族の伝統音楽からポップスまで』音楽之友社(TRCのデータ)
- 寺島靖国(2000):
『JAZZはこの一曲から聴け! マイ・フェイバリット・アルバム100』講談社(講談社+α新書)(TRCのデータ)
- 寺島靖国(1994):
- 外山喜雄・外山恵子(2002):
『ニューオリンズ行進曲 Jazz Satchmo New Orleans』冬青社(TRCのデータ)
- 中山康樹(2002):
- 行方 均・編(1994):
- 本多俊夫(1976):
- 水城 雄(2001):
『誰も教えてくれなかったジャズの聴き方』ブックマン社(TRCのデータ)
- みつとみ俊郎(1999):
- 油井正一(1990):
『油井正一のジャズ名盤物語 ベーシック・コレクション126』共同通信社(TRCのデータ)
- 和田 誠・編(1990):
- クロウ,ビル(村上春樹・訳)(2000):
- ゲイフォード,マーティン(名倉幸江・池野晴美・訳)(1996):
- スチュワート,レックス(村松潔・訳)(1990):
- ストウ,デーヴィッド・W(湯川新・訳)(1999):
『スウィング ビッグバンドのジャズとアメリカの文化』法政大学出版会(TRCのデータ)
- ハドロック,リチャード(諸岡敏行・訳)(1985):
- ヘントフ,ナット(堀内貴和・訳)(1994):
- フランシス,アンドレ(村井範子ほか・訳)(1981):
『ジャズの世界 その歴史と美学とテクニック』東京創元社(TRCのデータ)
- ミラー,H・M(村井範子ほか・訳)(2000):
- モンソー,モーガン(小島希里・木島始・訳)(1998):
- ラッセル,ロス(湯川新・訳)(1994):
『カンザス・シティ・ジャズ ビバップの由来』法政大学出版会(TRCのデータ)
- FORDHAM, John(1993):
Jazz: Recordings, Musicians, Instruments, History, Dorling Kindersley.(Red Sky Books)
<メモ>
- 植草甚一(1908-1979):
映画、ジャズ、ミステリなどについて多数のエッセイを残した。早稲田大学除籍。「JJ氏」の通称で知られる。(参照)(植草オジサンもの)
- 油井正一(1918-1998):
日本のジャズ評論界の第一人者だった、影響力の大きいジャズ評論家。慶應義塾大学出身で、三田音楽会会長などを務めた。(参照)
- 穐吉敏子(1929-):
- 岩浪洋三(1933-):
ジャズ評論家。元『スイング・ジャーナル』編集長。東京芸術大学などでジャズを講義した。
- 悠 雅彦(1937-):
- 寺島靖国(1938-):
- 後藤雅洋(1947-):
- 小川隆夫(1950-):
ジャズ評論家として知られるが、本業は整形外科医。(平凡社)
- 中山康樹(1952-):
- 定成 寛(1965-):
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