東京経済大学では、1997年に、ある事件をきっかけに「セクシャル・ハラスメント防止ガイドライン」が 制定された。しかし、東京経済大学のガイドラインは、そのきっかけとなったのが学生間の事件であったことや、全国ネットワークのような学外の取り組みとほとんど無関係なまま起草されたことも あって、他の大学とは異なる背景で制定されたものとなっている。諸々の事情から、ガイドラインの制定は迅速に行われたが、その後、学内での問題関心は急速に薄れてきているのが現状である。 一方、ガイドライン制定後の制度整備や、実際の運用など、現場では具体的な課題が提起され、取り組みが重ねられている。今回は、直接この問題を担当していない一般教員の立場から、こうした状況の一端を報告したい。 |