研究の道具箱:山田晴通
日本の大学についてのコメント等
このページは、「日本の大学・学部一覧」で取り上げている日本の大学について、追加的な情報が必要と考えられる事項について、山田の責任において簡単なコメント、リンク等をまとめたものです。
このページの記載内容は、山田の責任において作成したものです。随時、加筆修正、情報の追加をおこなっていく予定ではありますが、遺漏や誤記も含まれているものと思われます。
特に事実誤認や、不適切な表現等がございましたら、善処いたしますので、ぜひご一報下さい。
その他も含め、お気づきの点は、東京経済大学山田研究室まで、おしらせください。
- LEC東京リーガルマインド大学への改善勧告の可能性について:
- 慶応義塾大学と共立薬科大学の合併協議について:
- 共立薬科大学は、2006年11月に慶応義塾大学に対して正式に合併を申し入れ、両大学は2008年度を目途に合併することを目指す合併協議には入りました。
- この合併提案は、薬学部の6年制の導入に伴って従来より高度の医療現場での実習を含む教育体制の充実を迫られている共立薬科大学と、伝統ある医学部を擁しながら薬学部を欠いていた慶応義塾大学の双方にとって、利益の大きいものとされています。
- 大学を持つ学校法人同士の合併による大学の統合は、1952年に法政大学が中央労働学園大学(社会学部の前身)を合併して以来、まだ実現した例はありませんが、関西学院大学と聖和大学は、既に同様の合併協議に入っています。
- 両大学の発表は、慶応義塾大学のサイト内のページなどで読めます。[2006.11.24.]
- 東和大学の募集停止・再編・廃校の可能性について:
- 東和大学(福岡市)のほか、短大2校、高校2校、中学校1校を経営する学校法人・福田学園(福岡県)は、志願者の急減と赤字転落を理由に、既存の工学部の募集停止と文系学部の新設、「純真大学」への大学名の変更といった再編案を2006年6月に発表しました。
- しかし、理事会の方針に教授会が反発するなど自体は流動化し、結局、当初予定通りの申請は文部科学省に提出されず、2006年8月には、理事会側が教員の整理解雇が進まなければ廃校の可能性もある旨を記者会見で述べる状況となっています。
- ウェブ上の全国国公私立大学の事件情報には、2005.08.25.の記事、2005.12.01.の記事などがあります。学園の公式サイトには特に説明はないようです。[2006.08.25. / 2006.11.14.追記]
- その後、教員多数に対して解雇予告が行われました。詳細は関連する掲示板などをご参照ください。大学職員.net=以前は関連ブログがありましたがその後閉鎖されました(告知):俺の職場は大学キャンパス:(∩゚д゚)アーアーきこえなーい 掲示板=東和大(純真大)について議論するスレなどがあります。[2006.09.18./ 2006.09.30.追記 / 2006.11.14.リンク先更新]
- 福岡ローカルの信用情報誌の報道(1:2:3:4:5:6:7:8)[2007.01.31./2007.03.13.]
- 浅井学園大学を経営する学校法人・浅井学園のいわゆる「補助金疑惑」について:
- 北海道の学校法人・浅井学園は浅井学園大学(江別市)と、その母体となった北海道ドレスメーカー学院(札幌市)を経営しています。また、姉妹法人として学校法人・北海道浅井学園が、江別市内の幼稚園や旭川調理師専門学校を経営しています。
- 2005年秋に、学校法人・浅井学園が私学補助金を不正に流用したのではないか、という「補助金疑惑」報道が流れました。2001年に行われた大学校舎の耐震工事費を水増しし、差額を理事長の自宅(後に北海道浅井学園へ売却)の改修費用に使っていたのでは、というのが発端でした。
- 2005年12月に、創設者の息子で理事長・学長だった浅井幹夫氏が辞任し、代行者の期間をへて、2006年2月に新たな理事長と学長がそれぞれ選任されました。浅井氏の経歴は、著書の著者紹介によると、「1948年(昭和23年)札幌市で生まれる。学校法人浅井学園理事長。学校法人北海道浅井学園理事長。北海道浅井学園大学学長。同大学教授。北海道浅井学園短期大学部学長。同短期大学部教授。文部科学省「特色ある大学教育支援プログラム」審査部会委員。日本私立大学協会評議員。日本私立短期大学協会常任理事(同北海道支部副支部長)。短期大学基準協会理事。社団法人北太平洋地域研究センター理事など」となっています。また、「疑惑」以前の2005年5月には、こんな報道もありました(2005年5月15日付)。[2006.10.09.加筆/2006.12.25.リンク先変更]
- 2006年3月に浅井幹生氏と、事件当時の大学管財課長、工事の元請け業者が、背任容疑で逮捕され、さらに起訴後に業務上横領で再逮捕されました。さらに4月に入り、浅井氏が別件の業務上横領で重ねて逮捕されるとともに、学園の関連会社関係者など2名が同容疑で新たに逮捕されました。
- 事件の経緯について、ウェブ上には、読売新聞の報道などがあります。また、学園の公式サイトには「報道について」と題する学園再生への動きを含めた説明があります。[2006.05.01.]
- その後、2007年度からの「北翔大学」への改称が決定しています。また、文部科学省等から、補助金の返還を求められ、およそ19.5億円を返納しています。[2006.10.09.]
- デジタルハリウッド大学、LEC東京リーガルマインド大学、苫小牧駒澤大学、石川県立看護大学への大学追跡調査に基づく文部科学省からの指導について:
- 報道によれば、文部科学省は2002年度から2005年度に新設された大学への追跡調査を実施した結果、上記の4大学に対して、学校教育法15条に基づく調査の可能性を示唆して、強く改善を求めたと、2006年3月3日に発表しました。
- デジタルハリウッド大学は、留学制度に関する学生への説明に不適切な点があること、実際の施設が狭隘であることなどが指摘されています。
- LEC東京リーガルマインド大学は、系列の予備校の授業と事実上合併で実施されている授業があることなどが指摘されています。
- 苫小牧駒澤大学は、学生の退学・除籍処分にあたって、学校教育法施行規則に反し、教授会の審議を経なかったこと、必要な教員数を大きく下回っていることなどが指摘されています。
- 石川県立看護大学は、大学院が必要な教員数を大きく下回っていることが指摘されています。
- [2006.03.08.]
- 関西学院大学と聖和大学の合併検討について:
- 関西学院大学と聖和大学は、どちらも兵庫県に立地し、同じメソジスト系の起源をもつミッション・スクールの大学です。両大学は、2008年度からの合併を視野に協議を進めています。
- 両大学の発表によれば、2008年度の統合後の大学名は「関西学院大学」となり、聖和大学は関西学院大学の新学部キャンパスとなるようです。
- 2007年度までは、聖和大学は学生募集を続け、その学生が全員卒業等で大学を離れるまで存続することになります。
- 大学を持つ学校法人同士の合併による大学の統合は、1952年に法政大学が中央労働学園大学(社会学部の前身)を合併して以来、戦後2例目となるようです。
- 両大学の発表は、聖和大学のサイト内のページなどで読めます。[2006.01.24.]
- 萩国際大学について:
- 山口県萩市の萩国際大学は、前身の萩女子短期大学を改組して1999年に開学しましたが、開学から定員割れが続いていました。
- 報道によれば、萩国際大学は6月21日に、民事再生法の適用を申請しました。広島市の塩見ホールディングスの支援を受けて再建に取り組むことになります。「萩国際大」と「再生法」で検索すれば、ヒットするページがいろいろあります。[2005.06.28.]
- その後、2006年4月に、翌2007年度より学部を増設して校名を改称する方針が発表されました。新校名は当初「日本福祉文化大学」と仮称されていましたが、最終的に「山口福祉文化大学」となりました。また、学部の増設ではなく、新大学は「ライフデザイン学部1学部のみをもつ福祉系単科大学」と位置づけられています。[2006.05.01.:2006.10.18.加筆]
- 東北文化学園大学について:
- 仙台市の東北文化学園大学は、1999年に開学し、その後2005年度からの薬学部開設(郡山市の新キャンパスを予定)を目指していましたが、2004年1月に理事長が脱税で逮捕され、引責辞任した後、2月には特定高校との間で入試の倍率操作と思われる行為があったことが明らかになりました。さらに、4月には大学開学時の設置認可申請書類に虚偽記載(多額の寄付金についての架空記載等)があることが明るみに出て、郡山市の協力を得て進められていた薬学部設置準備は白紙撤回されました。例えば、「東北文化学園大」と「虚偽」で検索すれば、ヒットするページがいろいろあります。また、記述内容に信頼性はありませんが、こんなページもあります。[2004.05.09.]
- その後、5月には新たに不適正な資金操作がいろいろと明るみに出ました。不正な融資で建設会社等から資金を集め、それを架空寄付金にみせて辻褄をあわせ、公的な補助金などを受け取っていたという、組織的な行為があったようです。さらに、大学への納入を特定の会社を経由するようにして、元理事長らが大学の資金を流出させていたという疑いも出ています。5月分の給料も支給されないまま6月に入り、労働基準監督署から是正勧告が出されました。[2004.06.03.]
- 報道によれば、東北文化学園大学は6月21日に、藍野大学、健康科学大学などの学校や病院などを経営する「藍野グループ」からの支援を受け、民事再生法の適用を申請しました。[2004.06.21.]
- 湘南工科大学について:
- 前身の相模工業大学(学校法人相模工業学園)は1961年に高校を開校、1963年には大学を開学し、法人名も相模工業大学となり、地元では「相工大(そうこうだい)」の通称で知られていました。その後、経営が悪化し、1978年11月には大学として前例のない銀行取引停止に追い込まれました。1981年には糸山英太郎氏が理事長兼学長に就任して再建に乗り出します。その後は、順調に再建、規模拡大を進め、1983年に現在の名称になりました。
- この間、糸山英太郎氏は、一時的に理事長・学長職を離れることもありましたが、一貫して経営の実権を握り続けています。:糸山氏の公式サイトにある名誉総長・名誉教授授与式のコメント:糸山氏の公式プロフィール:
- 1986年以降、労働組合員である教員に対する昇格差別事件が起こり、さらに長期化した労働委員会や裁判の経緯の中で、2002年には労働組合員である教員の懲戒解雇事件が発生しています。:湘南工科大学事件:[2004.07.01./2004.08.08.]
- なお、大学公式サイトにある「沿革」は、テーブル・タグの組み方が少々変則的で、普通のブラウザで見ると誤解を招くおそれがあります。ソース表示を参照されることをお勧めします。[2004.08.08.]
- 北陸大学について:
- 北陸大学では、理事長を中心とした経営側と教学側との対立が、学長選任などをめぐって表面化しています。こうした学内の緊張を背景に、1995年には、北陸大学教職員組合が結成され、「学内民主化」への取り組みが続いています。この間の事情については、『週刊金曜日』(1996.12.20.)に発表された石井賢治氏のレポート「北陸大学にみる文部省・大学審型「自由化」の実情」がウェブ上で公開されています。[2004.07.02.+2006.09.20.リンク先更新]
- 関西外国語大学について:
- 関西外国語大学では、理事会の実権を握る理事長一族が、大学を私物化していると指摘されています。1998年には教員組合執行委員への懲戒処分事件が起きています。同大学については、1992年に『ワンマン私大の内幕』という暴露本が出版されています。[2006.09.20.リンク先更新]
- 広島安芸女子大学/立志舘大学について:
- 広島安芸女子大学は、広島女子商短期大学を改組して2000年度に開学しましたが、その後2年連続して大幅な定員割れとなり、資金繰りが困難な状態になっていました。2001年9月に福島県の学校法人・佐久間学園(当時:現郡山東都学園)の理事長が新たに理事長に就任し、再建に取り組んでいるとされていました。
2002年4月からは、共学制になり、名称も立志舘大学に改められました。[2001.09.25./2002.03.29./2003.03.15.修正]
しかし、その後、経営はさらに悪化し、理事長もさらに交代しました。そして、2003年1月になり、新年度学生募集の停止、在学生および推薦入学予定者の呉大学への移籍が公表され、事実上廃校されることになりました。完成年度を迎えることなく、卒業生が出ないまま廃校になる大学の例は、戦後混乱期の久我山大学以来ということになります。
なお、佐久間学園は2003年3月に改称していますが、本件との関連は把握しておりません。情報をお持ちの方は、お知らせいただけるとありがたく存じます。
関連報道の例:夕刊フジ「追跡」(ただし、大学名が立志館大学となっている):[2003.03.15./2004.05.14.修正]
立志舘大学のURL(http://www.risshikan-u.ac.jp)へアクセスしたところ、「呉大学社会情報学部坂キャンパス」になっていました。公的資料による確認はまだしていませんが、2002年度末を持って立志舘大学は呉大学に統合されたものと思われます。[2003.04.21./2004.05.14.修正]
呉大学「現在(2003年度)の呉大学坂キャンパスの学生について」[2004.05.14.]
- 福原学園について:
- 学校法人・福原学園は、北九州市で、九州共立大学、九州女子大学、九州女子短期大学をはじめ、高等学校、幼稚園、自動車教習所など、多数の学校を経営しています。
- 福原学園では、理事長を中心とした理事会が不明朗な資金の流出を行ったことなどを契機に、1997年3月に関連大学の4教授会(九州共立大学経済学部、工学部、九州女子大学、九州女子短期大学)が、理事会退陣要求決議を上げるという事態に立ち至りました。また、同学園では、大学教員に対して、事務職や、高校教員への配置転換を強要するなど、強権的な人事をめぐって複数の裁判が展開されました。
- 一連の問題は、1999年6月に旧理事会が総退陣し、文部省・福岡県の意向を受けた新理事会が発足したことを契機に、現在では解決への動きが進んでいます。
- 都築グループについて:
- 学校法人都築育英学園、学校法人都築学園、学校法人都築教育学園などからなる「第一グループ」は、九州の3つの大学(第一経済大学、第一薬科大学、第一工業大学)をはじめ、九州や東京で、短期大学、専門学校など、多数の学校を経営しています。同グループについては、経営する3大学の大幅な定員超過の問題など、様々な批判も存在しています。
- 都築グループは、1996年以来、日本獣医畜産大学の経営移管=買収に乗り出していましたが、1997年末にこの計画は白紙撤回されました。この問題についてのサイト「日本獣医畜産大学移管問題 HOMEPAGE」の中に、「都築総合学園について」の記述があります。←その後、このサイトはなくなりました。
- 2002年4月にグループの新たな大学として第一福祉大学が開学しました。[2002.03.29.]
- 2004年4月にグループの新たな大学として日本薬科大学が設置されています。[2003.05.29./2004.05.14.修正]
- 旧岩田屋本館の購入:グループの資金力を象徴するエピソードです。[2004.02.24.]
- グループの一角である学校法人都築教育学園は、旧・九州学院大学(1968年開設→現・第一工業大学)などを経営し、大学を経営する学校法人として破産宣告を受けた最初の例(1978.11.)となった「坂元学園」(1958年設置認可)を、1985年に改称したものです。こちらのページもご覧ください。[2004.07.01.]
- 大学教職員の労働/雇用に関するメモ:
「日本の大学・学部一覧」サイト外にある、山田の私的ページです。大学の教職員(特に教員)の解雇問題などの事例紹介などもあります。
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