「れんこんネット」ホームページに戻る
「放射性れんこん」の紹介
バックナンバーの目次一覧

放射性れんこん Vol.8

1992.7.26発行


目次
  1. 金刀比羅山が切り崩されそう!(レジスターN)
  2. 浅川地下壕&金刀比羅山 問題 ビデオ化プロジェクト(涼)
  3. れんこん地下壕ツアー感想文集(FUYUKI)
  4. パソコン通信って、なあに?(Eggs)
  5. PKO法案?なんですかそれ(はるか)
  6. 原発用語の基礎知識(McOtto)
  7. れんこんワーキンググループちゅーもんができた(レジスターN)


「金刀比羅山 -八王子高尾- が切り崩されそう!」

 [レジスターN]

1、はじめに

八王子市の高尾駅を降りて、西の方に10分程度歩くと、金刀比羅山という小高い山に突き当たります。北側のふもとあたりがフェンスで区切られていて、何やら土木工事が進められているのに気がつきます。
「山が削られて宅地開発されている」なんて風景は、もう珍しくもなんともなくなってしまっている日本人の一員が、その場を通りすぎたとしてももおそらく何も考えないでしょう。私も八王子市住民とはいえ、高尾地区とは反対側の市東北部で生活しているため、この地域に特別の注意を向けたことはありませんでした。

きっかけは、れんこんネット会員の FUYUKIさんが、この金刀比羅山周辺にある、旧日本政府の作った地下壕のことをいろいろ調べていて、「是非みんなで行ってみよう」という話となり、「れんこんネット地下壕ツアー」が実現したことからでした。

行ってみて驚いたのなんの、「なんでこんな大規模な穴が、こんなとこにあるの?」、「八王子に10年も住んでいて、今までまるっきり無知であったとは!」と、「これは一回見てきたというので満足できるような代物でない」と思うに十分のインパクトでした。
さらに、金刀比羅山周辺には、「北西部尾根切り崩し絶対反対」などと書かれた立て札があちこちにみられ、学校法人矢野学園が行なわせている工事に対する反対運動が地元に存在していることがわかります。
そう言えば、以前新聞かなんかで「学園建設の名の元に行なわれようとしている自然破壊」というような感じの記事を読んだ覚えがあるような気が・・・。そのことを少し思い出しつつ、「何やら重大な自然破壊行為が行なわれつつあるようだし、それにもちゃんと注意を向けないとなぁー」と思ったのでした。

結局、それから2ヶ月あまりの間に、数回この地域に足を運ぶことになりました。行くたびに新しいことを知り、ますますこの地域のかかえる問題の重要さを痛感することになりました。
金刀比羅山が削られてしまうことは、近隣住民にとってのみの問題ではありません。とにかく、ここで抱えている問題を多くの人達に知ってもらうことが重要なように思えます。短い期間で知り得た、私の限られた知識ではありますが、できる範囲で紹介してみたいと思います。

2、何が問題なの!

まず、金刀比羅山を切り崩してしまうことがかかえる問題点を整理してみます。問題は大きく分けて3つ存在していると思います。

2ー1、自然破壊
金刀比羅山は、広葉樹を中心にした豊かな自然林に覆われています。ブナ、カシ、コナラ、クヌギ、シデ、カエデ・・・と多種多様な樹木を見ることができます。また、アサダのような貴重な樹木も何本か成育しています。(「実は、私は樹木に関してはそれなりにうんちくが・・・」というのは大ウソ。こんぴらコミュニティに参加して聞きかじってきたのであります。)
都市の近郊にこのような環境があるというのは非常に貴重です。高尾から歩いて10分さらに山道を登ること5分、その程度で自然林に親しむことができるというのは絶対に大事にしないといけないもんじゃないでしょうか。
この山を半分以上も削り取って、プールだのテニスコートだの体育館だのを建設することが自然破壊でないとは、誰も言えないでしょう。

圏央道の開発計画に示されるような、高尾山一帯がどんどんズタズタにされようとする波の中、より身近なところで破壊を食い止められなければ、みんなもうヤケクソになってしまわないでしょうか。
「自然は、ブラウン管を通して見るもの」、「自然はスカイラインの向こうにあるもの」なんてことがまじめに言われかねないですね。(この時は、ブラウン管の向こうや、スカイラインの向こうの自然も危機にさらされることでしょうが。)

話はポーンと飛びますが、新聞によると「全国的なゴルフ場建設ラッシュはバブル経済崩壊後も続いている」ですって。身近な自然がないがしろにされていくのは、こういうご時世と無縁ではないのでしょうね。
アー、悲しい!

2ー2、史跡破壊
金刀比羅山が、戦国時代に戦略的に重要な位置であったことは、この近辺の地形を観察すればすぐにわかるものなんです。(所詮はこれも、こんぴらコミュニティで仕入れてきた知識であります。でも教わってみると、なるほど!と思えるもんですよ。)
簡単に言うと、戦国時代滝山城を拠点にこの辺一帯をおさめていた北条氏にとっては、武田信玄の軍勢が小仏峠を越えて西方から攻めてくるのは、たいへんな脅威であったのですが、この小仏峠の方を見通せるポイントとしては金刀比羅山が一番いい場所だったということです。現在では、金刀比羅神社のあるところは木がおいしげっていて眺望しにくいのですが、尾根ぞいにもう一つ西にある頂きに行けば、きれいに小仏側が見通せます。
そういうわけで、この金刀比羅山の山頂には、重要な砦があったという説が立つわけです。実際に調べてみると、金刀比羅山周辺にはいくつかの史跡が発見できているそうです。
考古学者の十菱さんが書いている資料の一部を転載しますと
----------------------------------------------------------------------------
金刀比羅山の北斜面には、今のところ、竪堀(たてぼり)6ヶ所、尾根頂きを平らに削った平場2ヶ所が発見できました。竪堀には長さ30〜50m幅3〜5m深さ1〜2mで、山腹に縦に掘られた堀割です。中世、戦国時代に特有な山腹の防衛施設の一種で敵兵が斜めに登ってくるのを妨害するものです。尾根の平場は金刀比羅神社のある標高260mの山頂と、三和団地西側の標高240mの尾根です。図のように、地形を削って小さな場所(郭:くるわ)を造形したとみられます。物見櫓(ものみやぐら)か、狼煙台(のしろだい)の跡と思います。
----------------------------------------------------------------------------
「竪堀とはなんぞや?」と質問されましても、限られた紙面でありまして説明しきれません。詳しく知りたい方は、れんこんネットの涼さんが十菱さんの現地解説をビデオに取っているので、それを借りて下さい。
とにかくこれらは、貴重な史跡であり、文化財保護法にもとづききちんと調査してからでないと開発はできないことになっています。

それから、これは史跡というわけではありませんが、金刀比羅山の山頂には、金刀比羅神社という神社があります。江戸時代の中頃から後期になって、砦としての戦略的な意味がなくなったころ、「せっかく山の上に、平たい土地があるんだから、神様でもまつっとくか!」という話になったのかどうかは定かでありませんが、四国の金刀比羅宮に行ってきた人が、ここに奉ったそうです。
それ以来、ずっと地元の人々を中心にした神社信仰が続いてきています。山がドカッと削られるとなると、当然その神社もそこに建っていられなくなります。それで、矢野学園の方は勝手に移転先とか決めてくれているようなんです。しかし、神社を信仰している人達にとって、「学園を作るからとかいうので、勝手にホイホイと神社を移転させましょう」、なんて無茶苦茶な話です。
ここの神社の宮司さんも、反対運動に協力的に動いておられるようでした。

2ー3、戦争遺物を未調査のまま破壊
金刀比羅山周辺には、旧日本政府が終戦前一年間足らずの間に作った、巨大な地下壕が存在しています。この地下壕のことに関しては「地下秘密工場 / 斉藤 勉著、のんぶる舎出版」に非常に詳しく書かれています。多少なりとも興味を持たれる方がいれば、是非これを一読することを進めます。
地下壕が掘削されたのは、1944年の秋ごろからで、当初は倉庫かなんかに使われる予定で掘り始めたようですが、最終的には中島飛行機の地下工場として使われることになったものです。
現在入ることができる地下壕を調べてみただけでも、これを1年足らずで掘削したというのは、ものすごい労力を集中させた工事であったと推測できます。学徒動員や、朝鮮人労働者動員で、大量の労働者を確保したようです。
「地下秘密工場」によると、朝鮮人労働者は最盛期で2000人位いて、実際作業に従事していたのは1000人位ではないかということです。工事の犠牲になった人も何人かはいたようですが、そのへんもはっきりした数字はわかってないようです。

地下壕は3つの部分に別れていて、イ地区、ロ地区、ハ地区と名付けられています。このうちのロ地区の地下壕が、矢野学園が切り崩そうとしている、山の中腹やや下あたりを走っています。

大変な労力を注ぎ込み、犠牲者まで出しながら掘った地下壕は、結局ほとんど使われることもなく終戦を向かえました。やはり、これは旧日本政府の行なった愚行の一つでしょう。今も残る地下壕は、その重要な記録なわけです。
戦後47年間、まともな調査もせず、ほったらかしに近い状態にしたきた行政の怠慢が、まず指摘されなければならないと思います。実際に地下壕の出入り口は民家の裏庭にポッカリあいていたりするわけで、ちょっと信じられない状態で置いておかれています。
斉藤氏が著してくれた本がなければ、私は一生この地下壕の存在には気がつかなかったでしょう。今のままほっておかれたら、結局誰も知る人のない地下壕になってしまいかねませんが、行政関係とか教育関係の人達は、それでいいと思っているのでしょうか。

こういう状況で、地下壕の一部を矢野学園が永久に調査不能な形に破壊してしまうというのですから、たいへんなことなわけです。過去の戦争の遺物を自分達の都合で勝手に破壊してしまうとしたら、そのような学校がいかなる教育を実践してくれるのでありましょう。

3、現在進行している事態
十菱さんが書かれている資料によると以下のようにあります。
-----------------------------------------------------------------------------
金刀比羅山については城郭遺跡の発見届けによって、1992年1月30日付けで東京都教育委員会より開発主体の矢野学園あてに文化財産法にもとづく手続きと発掘調査が義務づけられるようになりました。工事は中止され、八王子教育委員会と協議する予定が朝日新聞2月26日付記事で報じられました。
-----------------------------------------------------------------------------
しかしなんとであります。工事現場では日々ブルドーザが動いているようなのです。先日(7月5日)、十菱さんも含めて地元で反対運動をされている方々が、工事現場を調べに行くのに、私もついて行ってみたわけですが、どんどんブルドーザが山に建設予定の道路を作っているようなのです。
もうこれは、はっきり違法な工事なんではないでしょうか。工事を監督する責任は都の環境保全局にあるそうなんですが、「見て見ぬふり」を決め込んでいるのでしょうか。
こんな感じで工事が進められて既成事実が積み重ねられていくと、地元で反対している人達も「もうあそこまでやれれてしまったら、どうにもならないんじゃない」というようなあきらめムードになってしまわないかが心配です。矢野学園から受注を受けて動いている富国興産も、その辺を意図的に狙って工事をゴリ押しにでも進めておこうというのではないでしょうか。
十菱さんの話では、「工事は明らかに史跡である場所の一歩手前まで進んでいるから、最低その場所にかかる前には止められる」ということです。

何はともかく、現在進められているゴリ押し工事を、一日も早くストップさせることが重要なようです。

4、最後に

私たちにできることは何なのでしょうね。
やはりできたら、具体的なことで力になっていきたいですね。

今号の「放射性れんこん」でこの問題を特集したのを手始めに、いろいろ考えて行ければ、と思っています。
金刀比羅山/地下壕問題ビデオ作成プロジェクトも、その後の活動によっては大いに役立つことでしょう。

都の環境保全局がこれ以上怠慢を続けるとするなら、その辺への抗議活動も必要になると思います。矢野学園/富国興産への直接の抗議行動も必要になってくるでしょう。
そういう時に、パソコン通信の機動力を活かした形での協力ができていければいいものだと私は思っています。

このページの先頭に戻る


「浅川地下壕&金刀比羅山 問題」
ビデオ化プロジェクト

 [涼]

私の動機

きっかけは、FUYUKI隊長(地下壕探検以来の彼の呼称)率いる、れんこんネットのOFF会としての「地下壕探検」であった。その規模や歴史的意味会いに、感銘を受けた。そして、何より私は、これをビデオカメラに収めておきたいと言う衝動にかれれた。特に、ロ地区と呼ばれる地区が、矢野学園の建設工事により埋められたりする可能性があり、やるなら今しか無いとの焦りにも似た衝動にかられた。金刀比羅山全体の問題も、同様に切迫している。切り崩され始めた山の斜面を見ていると、「何とかしなければ」と思う。でも、私に出来る事は限られている。

ここで、私なりの拘りを話したいと思う。ビデオカメラを所持していて、それを何に活用するかは人それぞれだろう。私の場合には、ハード的側面から興味を抱いてビデオ撮影を始めることとなった。しかし、そろそろ10年近く経ってくると、物足りなさを感じてくる。むしろ、映像の持つコニュニケーションツールとしての側面に興味を感じて、何かまとまったテーマは無いものかと思っていた。そんな時に、今回の問題が出てきた。映像の持つ明快さで、何とか他の人にも知らせたいと思う。見る方も、気軽に見れるだろうと思う。しかし、半分は映像遊びの側面を持っている事も認めなければなるまい。ともあれ、これは私のライフワークとしての取り組み課題となっている。すなわち、プロジェクトとして終了した後も、継続して撮影して行こうと思っている。
実際に撮影するにあたっては、充分な調査・検討の上で行いたい。安易に撮影するだけの、自己満足だけで終わりたくない。もっとも、どうやっても自己満足でしかないのかも知れないが。ともあれ、行動あるのみ。

今後の計画

今後は、以下の計画がある。

1.地下壕MAPの完成(調査はハ地区を残すのみ)
地下壕内部の詳細MAPを、調査の上で作成している。イ・ロ地区は調査完了しているが、MACでの清書が遅れているので早急に作業したい。ハ地区の調査は、早急に行いたいが雨が気がかり。現在の状況を正確に調査する事は意味深いと思う。これを元にして、実際の撮影点を決定する。下見の意味もあるので、自分で参加しておきたい。

2.地下壕のビデオ撮影及びインタビュー(同時に写真撮影)
天候が気がかりではあるが、水没していない時を狙いたい。関係者の話を聞く機会を持てれば、色々と聞いてみたい。気分はTV局? 実際問題、本(地下秘密工場)の内容以上の事を調べるのは容易ではないだろう。むしろ、より一般的でとっつき易い側面で映像化したい。本屋でこの本を手に取る人は限られるかと思うが、ビデオなら気構えも不要だろう。

3.金刀比羅山関連資料(史跡、地下壕)の収集(図書館等の活用)
実作業には時間がかかりそう。手分けして行う必要がある。

4.金刀比羅山開発関係の事実関係の情報収集
金刀比羅山の毎月の催しで、聞き込み等を行う。この催し自体には毎回テーマがあるが、それとは別に、金刀比羅山問題についての面白い話がたくさん聞ける。

5.上記関連映像資料(ビデオ)の撮影(史跡案内も含む)
以前に撮影した分の足りない部分を再度撮影する。毎月1回は現状確認を行いつつ資料映像も撮影しておく。とは言え、実際に見る方が良いのは言うまでもない。そのきっかけになる部分を、映像化したい。

6.2及び5を編集し、販売、上映を行う。(各30分で1本1000円程度)
上映は、一般市民に対しても行う。公共施設等を利用し、市の広報等にも情報を載せていく。市民運動の一助になるだろう。

7.必要に応じて放射性れんこんで特集、号外発行。
必要な情報が集まり次第、まとめ作業を行う。

8.地下秘密工場の著者、斎藤 勉氏とのコンタクトを取る。
より詳しい話が聞ける可能性がある。

9.出来ればマスコミに取り上げて貰える様にする。
これにより、多くの人が事実を知る事が出来る様になる。

現在の時点でのプロジェクトチーム・メンバー

涼(ビデオ撮影担当)
McOtto & NOM(写真担当)
Eggs(文書資料担当)
レジN(渉外担当)
FUYUKI(行動隊)

但し、各作業等については協力者を募ります。但し、撮影隊自体は人数を多くはしない方が機動性は上がるだろうと思う。

注意!

地下壕は安全ではありません。常に崩落の危険があります。よって、地下壕探検を推奨するものではありません。もしも探検に行く場合には、自分の責任において自分を守る覚悟が必要でしょう。事故等が起きた場合に、いかなる責任も負いかねます。また、貴重な歴史的価値のある場所をみだりに荒らす行為も避けねばなりません。専門家による本格的調査が出来ていない現在、そのままの状態を維持させる必要があるでしょう。

このページの先頭に戻る


「れんこん地下壕ツアー 感想文集」

 [FUYUKI]

地下壕に行って
FUYUKI.

 5月3日なんやかんやで17人もの人々を連れて地下壕へ行ってきました。隊長ということになって、それなりにがんばったつもりだったんですが・・・まず行ったのがイ地区でした。イ・ロ・ハと3つの地区に分かれている中で最大のもので、ほぼ終戦までに完成していて、実際に航空機用のエンジンの生産もされていたというところでした。そうそう、ここの地下壕は中島飛行機の武蔵工場を疎開させる目的で作られたものなんですが、中島飛行機ってのはエンジンを作っていた会社で、有名な海軍の「零戦」や、陸軍の「隼」などの1200馬力の「栄」エンジン、海軍「紫電改」や、陸軍「疾風」の2000馬力「誉」エンジンなど、日本の主力戦闘機のエンジンをつくっていました。それから、「零戦」と「隼」は、それぞれ生産数で日本の第一位と二位で、この2機種だけで1万5千機以上が生産されました。

 私はガキの頃から飛行機が好きだったので、それでも浅川地下壕に興味をそそられ、今回で6回目の入穴でした。また、おそらく浅川地下壕で作られたのは「誉」型だったんだろうと思います。イ地区は戦後私有地になり、マッシュルームの栽培等が行われたため、坑道には電気の配線がなされたり、栽培当時の箱やトレイが放置されたりと戦争当時の面影はあまり残してはいないのですが、まぁ広さは最大で、れんこんの某2人が全部の坑道を通過するのに7時間もかかったとか・・・・しかし、こんなに多人数を案内したのは初めてで、余り説明とかが出来ずにみんなただただ、ついてきただけという感じで反省しています。

 イ地区から出て山道を通り、一時みんなが休憩をしている間に私と他3人で矢野学園の敷地内に侵入し捜し当てたのがロ地区でした。ここは今問題になっている金毘羅山の造成の問題の一端で、入り口は閉鎖されていました。もっとも、我々は入りましたけど・・ここは何本か坑道が別々にあり、まだつながってない様子でした。ここで印象に残ったのは何と言っても昭和30年代の新聞が落ちていたということでしょう。なんか、TVのブラウン管の破裂の事について書いてありました。どうも地下壕の中は外と比べて時間の流れが遅い、入る度にそんな気がするのであります。

 ロ地区から出てみんなともう一度合流し、最後に入ったのがハ地区。結局、番号の通りイ・ロ・ハと入った訳です。しかし、ここに入るのが一つの難関でした。というのは、ここはまともに民家の裏手で、下手すれば明らかな「不法侵入」だからです。そんな訳で、討議の結果、3、4人ずつ分けて入って行こうということになり全員が入り終わるまでに15分ほど掛かりました。ハ地区は一番完成度が低く、へんぴな場所にありますがその事が幸いして一番当時の姿を残している壕ということができます。なにせ、おそらくその辺の山から切ってきたのであろう杉の坑木が50年を経た今でも多数残っているのです。一部では坑道の両脇に規則正しく並んでいるところもあります。ここには未だに掘った当時のドリルの跡等が残っていて、かなり貴重な資料になると思います。そして、坑道の中で祝杯(?)をあげたりしたわけです。

 全てが終わってからの反省ですが、やっぱり説明が行き届かず、ただただ付いてこさせるだけという感じになってしまったのが、一番心残りでした。あとは、もっと詳しく入る前に概要等を言っておくべきでした。訳も分からず穴に入ったとか、後で「そうだったのか」とか知った人がいたら本当にすみませんでした。しかし、あの地下壕は本当に土地の所有者とかからしたら厄介者でしょうね。なんせ、我々のような「探検者」が生き埋めにでもなった日には、管理責任を問われてしまう訳ですから。しかし、金毘羅山の遺跡の件も含めて、学園の組織的な破壊は何としても止めさせなければならないと思います。しかし、あの地下壕を何かに利用しようというアイデアはなかなか見付からない物です。結局、マッシュルームも採算が取れないから止めたんでしょうし。私が考えた一つは、会員制の核シェルターです。あそこに非常食等を置いておいて、いざ核戦争や原発事故なとが起こった時には使用出来る。年会費等は設備、地下壕の保全に充てる・・いまさら流行らないか・・・・・でも、あれは国家の事業で作られた物なんだから行政が責任を以て調査等してほしい。終わり

「高尾の地下壕探険ツア〜」
REFINE

 今回、部の仲間とこの「高尾の地下豪探検ツアー」に参加させていただいた REFINE という者です(^_^;)。以前から私達は今回のような「探検」を出来るところを探していたですが、東京にそのような場所があるわけがないと思っていたところに今回の企画を知って、参加することにしました。

 「高尾の地下豪」のことは以前テレビにニュースなどに取り上げられてるのを見て知っていましたが、実際現地にいって見るまではこれほど規模の大きいものだとは思ってもいませんでした。しかも戦時中につくられかなりの時間が経っているといううのに、いまでもほとんどの部分が残っているのです。地下豪の入口はいくつもあるわけですが、それのどれもが「こんなところに入口があるの?」と思わず口にださずにはいられないようなところにあるのです。事前に「れんこんネット」に書かれていた FUYUKI 氏のレポートで知っていたとはいえ、実際に入口が民家の軒先にあるのをみたときは驚きであいた口がふさがりませんでしたね(苦笑)。

 はじめにイ地区に入ったのですが、私達が入った入口はとても狭かったので私は中もこんな感じなのかなぁ、と考えながら入ったのですが予想を裏切る結果となったのでした。入口が狭かったのは崩れて埋まってしまっていたからだったのです(^_^;)。そして FUYUKI 隊長を先頭にどんどん奥へとすすんでいきます。このイ地区は実際使われていたそうで、地面も平らで歩きやすかったのですが、なかはとても湿度が高く、我々の持ってきた懐中電灯の明かりでもやがかかっているのがわかります。おまけに事前に配られた地図のコピーはあっと言う間に湿気をすってふにゃふにゃになってしまいました(^_^; )。天井を見上げるとごつごつとした岩肌がまじかにあり、いつ落盤がおきるかという不安が頭からはなれませんでした。唯一の救いは約20名という多人数で入ったおかげで暗闇に対する恐怖感がなかったことです。それでも、みんなで一斉に明かりを消すと結構くるものがありましたけどね(笑)。もし、私たち部の仲間だけでここに来ていたらあまりの恐怖にすぐに出てしまっていたでしょう。それを考えると FUYUKI 君は凄い(笑)。

 そして午後には2つ目のハ地区に入ったのですが、ここの入口は先ほど書いたように民家の軒先にあるのです。こちらの地下壕はほぼ完成していたイ地区とは対称的に地面はでこぼこだし、あちこちで落盤があったのか土砂の山という感じで奥に進のにはちょっと恐怖感がありました。実際に岩肌に触ってみると簡単に崩れてしまうのです(^_^;)。実はこの穴から出るときに鞄を天井にこすってしまい、少しでしたがバラバラと崩れてきたときは冷汗ものでした(゚_゚;)。このときのことは一生忘れなれないでしょう(苦笑 )。また、入りにくいにも関わらず、中にはジュースの空缶や新聞などが落ちていたのですが、新聞なんかは10年以上前のものなのにほとんど腐らずに残っていて時代を感じさせられるような、時間の流れがないかのような複雑な感じがしたのがとても印象的でした。

 というわけで、テレビで見たものを実際に自分の目で見ることができて大変良かったと思っています。機会があれば今度は地図に載っているところ全てを見てみたいですね。私の同行者の中には自由に見たいところをみれなくて少々不満だったやつもいましたが・・・(^_^;)。かなり危険ですがみなさんも機会があれば行ってみることをお薦めします。最後に一言、「レジNさんの行動力は凄い(笑)」
by REFINE

MYUFAくんの高尾地下壕探険記
MYUFA(REN20926)

 初めまして!MYUFA(REN20926)と申します。この度は、れんこんネットに入会したばかりの新人なのに、いきなりオフ会なるものに参加させていただき、ありがとうございました。ボードの方には参加表明はしていませんでしたが、REFINEさんとその仲間達の内の1人です。

 と言う事で、え〜っと何処だったっけかな・・・・そうそう高尾の地下壕でしたネ。当日は20人位いたのかな。とにかくオフ会なるものは初めてなので緊張しましたネ。地下壕に入る前までは、ミステリー心を揺ぶるスポットだとワクワク的な気持ちでいっぱいでした。そして、何か当時の物を見付けてやるとか幽霊関係はでないかな〜とか遊び気分120%でした。しかし、いざ地下壕に入ってみると(川口浩探険隊のテーマが頭に流れる(^^;)そんな気持ちはぶっとんでしまいました。予想以上の広さに驚き!開いた口が塞がらないとはまさにこと事。とても地図からは想像できませんでした。さらに、あの闇、闇、闇(あたり前だけど)。そしてその闇が自分は今、実際に地下壕にいるんだな、という事を実感させてくれました。とにかく感動してしまいました。

 最初、地下壕を進んで行く時は一番ウシロにいたんですが、これが実は結構恐かったりした(笑)。私し、幽霊関係、オカルト関係は信じているもんで・・・・、オイオイ。他に地下壕内では、キノコ(?パッと見、しいたけっぽい)が残っていたのにも!写真も取っちゃいました。地下壕では飛行機(戦闘機?)を作っていたという事ですが、見れませんでした。翼の1つも見たかった、ザンネン。車や変な機械やハシゴなんかもありましたネ。途中、あれは、湧き水だったんでせうかネ。とっても綺麗な水が溜まっていました。澄んでるって感じで。でも隣が便所だったのねん(^^;。それから、行き止まりの所でFUYUKIさんが、壁にある数個の小さい穴について説明されて、見ましたが、とても生々しかったです。それほどまでに奥へ奥へ広くする必要があったのでせうか。当時の落盤の様子が目に浮かびます。

 というわけで、霊能者がいなくて良かった(^^;、という事と非常に良い経験をしたという感激でいっぱいの一日でした。最後に危険度はないとは言いきれませんでしたが、みなさん無事でなによりでした。(^^,チャオ!

このページの先頭に戻る


「パソコン通信って何?」

 [Eggs]

(1)概要編

   まず、
「パソコン通信」と言う言葉を聞いたことは有りますか?少しくらい耳にしたことはあることでしょう。この、「放射性れんこん」は、そのパソコン通信と言うものを基盤に作られているものです。そして、パソコン通信という物はいったいどのようなものなの?と言ったような疑問を持っている人に、少しでもパソコン通信の実態を紹介したくて、この記事を書いています。途中、どうしても専門用語が多く出てきてしまうので、なるべく分かりやすく書いたつもりですが、最後の用語集などとともに読み進んでいってみてください。

 パソコン通信と言うからには、パソコンを使って何かやる。と言うことは判るでしょう。実際に何をやるのでしょう?それは、自分のパソコンを電話回線を使って、他のコンピュータに電話して、こちらのコンピュータと会話が出来るようにつなげるのです。ちなみに、このやり取りを耳で聞くと「ガリガリガリ」といった音になります。ファックスの音みたいなものですね。
 そして、こちらから必要なコマンドを入力して、文章(メッセージ)を読みだしたり書き込んだりするのです。このようなコンピュータと電話を使った構成をネットワーク(ネット)といいます。

 さて実は、ここで言う「他のコンピュータ」というのがミソで、このコンピュータは自分だけでなく、他の人も同じ様な手順で書き込んだり、読み込んだりしているのです。だから、このコンピュータには沢山の人のメッセージが一杯書き込まれていることになります。だから、このコンピュータの上で、人同士の「会話」が出来るようになるのです。この、「会話」のやり取りが、現在のパソコン通信の主な部分なのです。
   大手・草の根

 実際にはパソコン通信と言っても様々な規模の物が有ります。会員数が25万人という企業が主催しているものから、数十人という、個人で行っているものなど、ピンからキリまであり、その規模によって、パソコン通信も二種類に分けることができます。会員が数万人から数十万人という規模で、全国規模で、有料のものを、「大手」、個人が主催していて、使用料の無い無料のものを「草の根」と分けられます。ここでいう有料というものは、NTTの電話料金とは別に、ネットの運営企業に使用料金を払うのです。
 なぜ、大手は有料なのかというと、様々なサービスを提供しているからなのです。天気予報、ニュース速報、オンラインショッピング、様々な情報の検索・・・などなど様々な利用方法があるのです(それなりの特別料金が取られてしまいますが)。草の根ネットは、個人が開いているものなので、大手のようなサービスはありませんが、大手のように全国規模ではなく、地域に特定した話題が多く、会員間のコミュニケーションが密なのが特徴です。

   草の根ネットの「れんこんネット」

 放射性れんこんの土台になっている、れんこんネットの説明を少しします。れんこんネットとは東京都・八王子にある「草の根ネット」です。会員数は1000人以上になっています。このれんこんネットは、原子力発電所の危険性から、脱原子力発電所を考えたり、「世の中なんかおかしい」ということを主に、皆で話し合ったりしようという試みで生まれました。そうは言っても、半分は世間話や、好きなことを話しているだけです。ちなみに、れんこんという言葉は、れんこんが地下でつながりあっていることと、ネットワーク(パソコン通信のことをこういうこともあります)を引っ掛けたところから産まれた名前です。
 草の根ネットは、大体それぞれに、色々特色が有ります。みんなでわいわい騒いだりするのが得意だったり、絵を書くのが好きな人がいっぱいいたり、コンピュータが好きな人間が集まったりと、そのネットを運営している人の特色がよく出てきます。れんこんネットの場合は、学生と、技術系の人間が多くいますので、専門的な話しが好きな人が多いのも、特色ですね。かくいう私も、技術系の仕事をやっていますから。

  パソコン通信の面白さ

 パソコン通信の面白さ、特に草の根ネットの面白さは、そんな結構話しのあう人が集まってくるところに有ります。そこで、たわいもない話しから、ちょとまじめな話をしたりする訳です。ネットワークの上の話しだけではなく、実際に人同士が会うと(オフラインと言います)、普通だと知り合うこともない人とたくさん出会えたりすることもあります。そんな人達と話していると、いろいろ知らないことを知ったり、勉強になることは良くあります。

(2)準備編

 ここまで、パソコン通信の概要について話してきましたが、実際にパソコン通信は、どのように始めればよいのでしょうか?具体的に話してみましょう。
 まず、必要な機器を揃えなくてはいけません。電話回線が必要になります。これは、通常使っている電話回線でかまいません。そして、パソコンにモデムと言う装置が必要になります。

 例を出しますと・・・

パソコン PC−9801DXのセット        (ディスプレイ込み) 25万円程度

モデム  一般的なもので、3〜4万円

通信用  2〜3万円の市販品、又は、WTERMと
のソフト いう通信ソフト。これは、ただなので、こ
     ちらの方が良いでしょう。売ってはいない
     ので、手に入れるのが難しいかもしれませ
     ん。

ハード・ディスク
(あると便利) 100メガバイトのもので、10万円
       程度

 このような感じです。ハードディスクという装置は、通信には特に必要はありませんが、あるととても便利です。実際には、パソコンを良く知っている人に見てもらわないと、買うことは出来ないでしょう・・・。いまだにパソコンを「使いこなす」のは大変なことなのです。誰かパソコンに詳しい知り合いを探しましょう。

 さて、このように買い揃えた器材をこの図のようにつなげます。

 機器を買い揃えたら、それらを使えるように「設定」しなければなりません。この設定は、パソコンを何も知らない人には、ほとんど不可能と思われるので、どうにかしてパソコンを知っている人に、設定して、使えるようにしてもらうようにしてください。この設定の方法を書き始めかたら、本が一つ書けてしまうので(笑)、ここでは省かせてもらいます。

(3)実践編

 さあ、スタート!
 実際に通信を始める様子を紹介してみます。通信するネットは、「れんこんネット」とします。パソコンの電源を入れて、通信ソフトを動かします。さきほど書いたように、パソコンの「設定」によってここまでの手順が異なってしまうので、省略させてもらいます。設定をしてもらった人に教えてもらってください。ここでは、上記の例で書いた機械で、通信ソフトにWTERMを使ったとします。

 実際の手順

 今パソコンで通信ソフト(WTERM)が動いていると思いますが、そこで「f・5」キーを押します。すると、選択メニューが出てくるので、れんこんネットの項(これは、知っている人に設定してもらってください)を選択します。すると、勝手に電話をかけるので、つながるまで少し待ってください。ちなみに、こちらからどのようなことをしても相手のコンピュータ(ホスト)が壊れることはないので、その点は安心してください。
 れんこんネットでは、メニューに出てくる数字を選択していくことで、とりあえず何処にでも行けるので、最初は数字だけでうろつき回るのも良いでしょう。
 いまは、以下のようなメニューが出ていると思いますが、ここで「2」を入力すれば、今まで説明してきた電子掲示板に行くことが出来ます。


[1] 電子メール      (MAIL)
[2] 掲示板               (NOTES)
[3] 環境設定             (SETUP)
[4] プロフィール         (PROF)
[5] ファイルライブラリ   (POOL / FILER)
[6] Chat・Talk・SysOp Call (OTHERS)
[7] 終了                 (OFF / BYE / EXIT)

 その後に、以下のようなメニューが出てくると思いますが、これからは話題ごと(ボード)に枝分かれしています。

1:れんこんネット案内所
2:れんこんセンター
3:アラマー広場
4:ホイホイ通り
5:プロジェクトルーム

 ちなみに、今回の放射性れんこんでPKO関係の記事が乗っていますが、それは、「アラマー広場」の、「雑記帳」というボードで話しが進んでいったものです。

 いきなりですが、最後に

 ここからは、どうやって書き込みをして、どのようにメッセージ(書き込み)を読んでいくのか、その他、電子メールの使い方は、プログラム・ライブラリはどのように使うのか・・・などなど、を説明しなければいけないのかもしれませんが、もしあなたが、実際にここまでやってくればおのずと解ることばかりです。

 この記事を読んで、パソコン通信をやってみようと思い立った人がいれば幸いです。

(4)オマケ

パソコン通信でよく使われる用語

ネットワーク(略してネット)
 自分のパソコンから電話回線を使って相手のコンピュータにつなげて、いろいろなやり取りが出来るような構成、その全体をこう呼びます。また、この相手先のコンピュータを「ホスト」と呼びます。

「ネットに入る」
 そのネットワークの会員になるように登録してもらうということを言います。また、読み書きをするためにネットワークに電話をしてつなげることも、こう言います。この時には、「ログイン」という言い方もあります。

ハンドル
 ネットワークの上では、主に本名は使わずに、ペンネームをうのが慣例となっています。何故か分かりませんが。そして、このペンネームをハンドル(またはハンドル名)といいます。例えば私の場合は「Eggs」というハンドルを使っています。当然本名ではありません(笑)

パソコン通信(略して通信)
 「通信をしている」と言うように、略して使うことが多いようです。

電子掲示板
 ネットワークで、主に話しを展開する場所です。話題ごとに「ボード」というものに分かれているのが普通です。

書き込み
 ネットーワークの、電子掲示板にある「ボード」に、メッセージを書き込むことをそう言います。または、その書きこまれたメッセージをそう言います。

ID
 これは、ネットワークにおける「本名」のようなもので、通常変更することは出来ません。銀行に例えると、銀行の口座番号、クレジットカード番号です。

パスワード
 これは、他人があなたのIDで、勝手にネットワークに入ることを防ぐためにあるもので、例えると、銀行の、クレジットカードの暗証番号に当たります。

このページの先頭に戻る


「PKO法案?なんですかそれ」
日本の歴史に、新たな1ページが加えられました。れんこんネットから、1992年6月PKO法をめぐるメッセージ。

 [編集:はるか]

■ 参院特別委員会可決を前に

◇Date 9:16pm 6/ 4/92 レジスターN (レジN)

 こういう時は、何をさしおいても国会前に抗議に行かないといけないのでないか、という気持ちがあって、こんなとこで書き込みしている自分に対して自責の念を禁じえないところです。自分が国会前に行ったからどうなるというわけでもないのですが、歴史的な暴挙になるような法案の採決がなされようとしている時に、ごく普通にすごしてしまうというのが情けない。

◇Date 11:38pm 6/ 4/92 REN20945 (KJ)

国会が会社から歩いて10分位のところにあるもので、今日の夕方行ってみました。「議員面会所」の前は労組や市民団体の人たちの熱気で凄かった。

■ むーぶめんと

◇Date 1:24am 6/ 3/92 ハタクン (はたくん)

 ぼくがPKO法案に反対してる、っていうのは、よくわかんないけど、たぶん、なんか、責任を感じてるんだと思う。今の社会の中で、ぼくが、なにかを、ささやかにでもすることによって、何かいい方向に向かわせることが、もしかしたら、できるかもしれない、って、わりと楽観的に信じてる。

 出来るのに、今やらないのって、すごい、なんか、誰に対してなのか、よくわからないけど、「責任」を感じるのね。そういうこと、できるなら、今、やらなくちゃ、って、なぜかは分からないけど、思う。別に、国家の一員として、国の政策に対する責任がどーのこーのっていうんじゃなくて。もっと、漠然とした、責任なんだけど。

◇Date 7:33pm 6/ 3/92 HARUKA (はるか)

 そうそう。全然わけわかんないのに、黙ってられないという感じすら、私にはあります。ほんとに全てがわかってる人もいなければ、何もわからない人だっていない。知識不足を感じつつも、そう思います。

◇Date 4:34am 6/ 3/92 RYOU (涼)

 本当の事言うと、争い事って嫌いなんですよね。例え、それが反対活動であったとしても。やたらアナーキーな人ってのは、疲れるのですよ。でね、どうやって一般の人に興味を持ってもらえるかなって考えているのです。反対活動にしても、デモとかって今の時代にはピンと来ないなぁ。

◇Date 7:33pm 6/ 3/92 HARUKA (はるか)

 もうひとつわからないこと。運動の実効性というものに対する根本的な疑問。私なりの答えは「かならずしもただちに効果があらわれるような方法でなくとも、やるだけの価値はある」ということ。市民投票でもなんでもいい。自分の意見を表明すること、他人に知らせることが、なによりもまず大切なのではないか。実効性なんて、その次の問題だと思う。

■ 参議院議員面会所

◇Date 1:52am 6/ 6/92 ハタクン (はたくん)

 国会前は、2日頃から、ずーーーーっと、24時間営業中じゃない、誰かが何かをやってます。

◇Date 8:26am 6/5/92 REN20930 (☆こせき☆)

 国会にいきました。すごい熱気と共感がありました。(略)国会に駆けつけることは、もう何の力にもならないと諦めてる皆さん。そうではありません。とりあえず反対してる人が様子を見にくるだけでも大きな力になると昨日確信しました。あんな盛り上りをマスコミが無視し続けるのも、それを恐れての事だと思います。

何がいま起こっているのか、自分の目で見に行きましょう。TVでは見られないものが見れますよ。

◇Date 1:52am 6/ 6/92 ハタクン (はたくん)

 熱気はあったけど、ぼくは、あの熱気の中で、一人だった。ナンテネ
 いや、ほんと、あまり共感は感じなかった。一部の、知ってる人たち、前から知ってるよーな雰囲気の人たちとは何かを共感できた、かも、しれないけど。

◇Date 1:28pm 6/6/92 REN20930 (☆こせき☆)

 国会議員面会所なんて4日に初めて行った。

 はたくんはこの手の運動に多少の違和感を感じつつ手伝ってるということなんだろうね。私はたった一人で参加したので知り合いは一人もなく、そういう意味じゃはたくんよりも一人でしたよ。

 「闘争>勝利」とか言っておしくらまんじゅうする顔隠してる人たちがきわめつけだけど、どうも組織ってのが苦手です。

 私はシュプレヒコールにはそれほど違和感はないんだけど(同調できないのは言わないし)それよりも、あの青いビニールのゼッケンみたいなの(中にスローガン書いてあるコピーを入れるヤツ)は絶対かんべんしてほしい。耐久性とかスローガンを換えやすいとか、日本的な効率的発想ってやつなんだろうけど、あれを着けることでアッという間に「デモ・ロボット」になってしまう。かっこ悪いだけでなく、個人で参加していたって「ああデモやる人なんだなぁ」としか見えないと思う。
 「格好なんか関係ない中身だよ」というのは正論だが、それが歩道の人達にアピールするかどうかは別問題と思う。デモはオシャレしてすべきでは、とさえ思う。団体でひとかたまりに見える事にはなんのメリットもない。いつもは多様な服装や格好をした一人一人の個人が参加しているのだから、それを視覚的にもアピールすべきだと思う。

◇Date 1:23pm 6/ 5/92 HARUKA (はるか)

 そこではいろいろなひとたちが思い思いの行動をしていた。労働組合のひとたちは、さすが演説への激もうまい。ほんとにうまい。でも、労働組合でなくて、うまくないひとも、歌を歌ったりして、議員面会所も、入り口も不夜城と化していた。

 ぼくのなまえはじみん ぼくのなまえはこうめい みんしゃあわせてさいけつだ ぼくときみとでさいけつだ おおきなくにからちいさなくにを おさえるちからだ こぉくぅれぇんぐん!
(やんまーのCM)

 ぜんぶ嘘さそんなもんさ 自衛隊はまやかし ぜんぶ嘘さそんなもんさ 自衛隊はまやかし アジア派兵はちょっとね みもだえる
(ぜんぶうそさ、ダッケ)

 ぜんぜん暴力的じゃない、これは。でも、ストップPKOとかいって、歌ってた人を、守衛と警官は連れて行こうとした。あ、あなどるといかんのだな、と思った。

■ 国際貢献?侵略?なんなんだ?

◇Date 2:23am 5/ 7/92 ASIMOV (Isaac)

 PKOの主な反対の理由は何なんでしょうか?簡単に教えて欲しいです。

◇Date 5:34pm 5/ 9/92 HARUKA (はるか)

 アメリカのクエール副大統領が、経済大国の日本にも国際貢献をしてもらいたいということを言ったそうです。で、内政干渉うんぬんということには、この際、いっさい目をつむっておきますが、「あぁ、また始まったか」という、暗い感じにさせられます。私は、日本が世界の警察官として大国の権威のようなものを振りかざす必要はないと思う。日本が世界に向けて誇れることは、戦後47年にわたって、日本の軍隊によって殺された人は一人もいないのだ、ということだと思う。経済大国ということばは好きじゃないけど、こういう状態になったのも、軍備競争にそれほど巻きこまれなかったからでは?

◇Date 1:45am 5/28/92 ASIMOV (Isaac)

 私だってPKOには反対です。この法案に心のそこから賛成している市民は、極極小数だということは判ります。(略)

 私だって書きたくはないが、こういう書き方だってできます。とある国が韓国に侵攻したとします。今にも韓国は占領され、しかも核ミサイル使われそうだとします。アメリカの到着はとうてい待てないが、自衛隊を出動すれば未然に防げる。この時どうするのが一番よいか。何もせず、時に身を任すか、少しでも努力するか。

◇Date 6:00pm 5/28/92 SANGORO (SANGORO)

 韓国に他国が侵略してもそれは韓国民衆が解決する問題です。今現在の日本が、「韓国を守れ」と言って韓国に軍隊を送ることは、韓国への侵略につながるのは目に見えているではありませんか。

◇Date 1:25am 5/29/92 ASIMOV (Isaac)

 地球上に存在している空気は、他の星からは入ってこないことを考えると、まんざら任せっぱなしにしておくことはまずいのではないでしょうか。地球は宇宙船だし、韓国民衆は同じ地球人だし、ここは、侵略とか、そういった言葉がポンポン出てきては困るような気がするのです。

◇Date 10:45pm 6/24/92 REN21021 (mochy)

 初めて書き込みます。mochyです。まず僕の立場を明らかにしますが、職業自衛官....歯科医官です。階級は2等陸尉ね。ちゃんと戦闘訓練も「戦術」や「装備」なんかの学科も幹部候補生学校で教育されてきています。

 さて。なんか基本的に間違いがあるようですね。軍隊というものは人殺しの集団でもなんでもありません。もう少しその辺を勉強してから、PKOを論ずるなら論ずるべきではないでしょうか?ジュネーブ条約などの戦争国際法規についても勉強しないとなりませんね。アジアを侵略ですか....そんな発想は民間人ならではですね。恐れ入りました。戦争とは何をすることかご存知ないと見える。昔の「土地」が生産手段だった時代とは訳が違います。子供の陣取り合戦じゃありませんから、今時侵略なんてやりませんよ。

◇Date 1:03am 6/25/92 REN20945 (KJ)

 現職の自衛官の方とこういう所で出会えるということは思ってもいなかったことです。あなたの書かれたことはおそらく戦争の客観的認識として正当だろうと思います。現代では古典的な意味(ないし、日本がかつて行ったアジア侵略のようなという意味あい)での侵略戦争は成り立たない、という指摘はまったく納得できるのです。

◇Date 10:45pm 6/24/92 REN21021 (mochy)

 (続き)むしろあっちの方で面倒を見てくれって言い出したって不思議じゃない状況です。日本から見て、実は(語弊がありますが)、すでにアジアは征服されたに等しい状態なんですよ....だって生産力は日本系の企業によって発揮されていますし、しかし政府としての責任はあっちが勝手にやってくれている....これだけおいしい状態はありません。なのになんで「侵略」して責任までひっかぶらないとならないんですか?

◇Date 1:03am 6/25/92 REN20945 (KJ)

 現職自衛官の方の眼から見てこのように見えるのです。これこそがまぎれもない現代の”侵略”なのではありませんか。確かにこの”侵略”は自衛隊が軍事力をもって遂行したものではないでしょう。いわゆる”経済力”の産物です。しかし”経済”の論理だけでは権益を守りきれないとしたらどうでしょう。(略)軍事力にバックアップされない政治権力なんてものはお笑い草だ、ということは軍人のあなたが我々民間人よりもよっぽどよくご存知のことでしょう。

 (略)PKOは違う、とおっしゃいますか。国連に協力する以上は”侵略”への加担はありえないと考えておられるのでしょうか。前にも述べたことがありますが、少なくともカンボジアでは国連は大国介入の為の機関として1970年代末以降あり続けてきました。(この経緯はここでは詳しくは述べませんが。)もし国連に大国の介入をやめさせる力があったのならそもそもカンボジアにそんなに大量の地雷が埋まる道理がありません。冷戦終結で一層国連における大国の権力は増大しました。PKOが、国際舞台での政治大国化を必須の命題とする自民党政府=財界=支配層にとっての国連に照準をあてた戦略の一環であることは明白であり、そしてそれはアジアに対する経済侵略を引き続き行ない、また拡大していくという意思の表明にほかなりません。

ですから、私はPKOに反対します。また反対する権利があるし、もしアジアの経済的・政治的解放を目指し幸福の享受を渇望する数億の民衆の心とひとつになりたいと考えるならば、PKO反対は義務であるとすら考えています。

■ じゃ、どうすればいいの?

◇Date 2:39pm 5/30/92 REN20848 (yamasaki)

 私の友人には、この1年間も、フィリピンのピナツボ火山の火山灰除去と農地回復のために現地に行っている人がいるけど、もちろん政府とか公的機関の援助も無く、市民のカンパに頼っています。自衛隊にしか「出来ない作業」などと言うのは、せいぜい「敵地制圧」くらいなもの。そんなことしに行くとはもちろんだーれも言ってはいません。(略)因みに、カンボジア復興で最も不足しているのは、無償援助だそうです。援助で最も大切なのは、その国の民衆に活力を与え、自らの力で問題を解決出来るように、必要な技術や知識を移転し、その中から民衆段階の理解を深めることにあるんではないかい。

◇Date 10:45pm 6/24/92 REN21021 (mochy)

 何にでも反対を唱えていては何も生まれませんね。(略)PKOについてもそうです。あなたは行くんですか?行かないなら余り偉そうなことを言うのは止した方がいいでしょうね。(略)

 皆さんは誤解しています。反戦ということでは僕は人後に落ちる者では有りません。だからこそ自衛隊、だからこそPKOなんです。よく考えてください。

◇Date 6:16pm 6/25/92 RYOU (涼)

 人はそれぞれ役割分担をして生活しています。ですから、「直接的にやっていないから」との理由で意見を言えなくなるのは、おかしな事だと思います。例えば、商品についての意見や苦情を言っている人に対して「自分で作りもせずに」と言うのは変ですね。政治も同じ事でしょう。

◇Date 10:50pm 6/29/92 REN20768 (KPS)

 私自身は PKO 活動にどういう形であれ自衛隊が参加することを否定したくはないですね。民間ボランティアで良いと言うのでしたら、そう言っている人が率先して行ってきて下さい。それで、自衛隊を派遣しなくても済むようにすればいいのではないですか? 湾岸戦争時に避難民を民間からの寄付で移送して、自衛隊の出番をなくしたように。

◇Date 6:54pm 6/28/92 UNIMARU (うに丸)

 (略)我々が本当に気を使わなければならない国はどこか・・・・、私はアジアの国々だと断言します。(略)そのアジアの国々はPKO法案に敏感に反応して反対の表明を行っています。だからこそ日本は、まずアジアの国々に納得して貰い賛成されて初めてPKO法案を審議すべきだと思っています。

 (略)日本は平和憲法を有する国です。自衛力を持たない国は無責任な国ですから自衛隊を軍隊としても私はかまいません。しかし、自衛隊が活動範囲を海外に広げるならまずアジアの国々に喜んでもらえる形で行うべきです。理想論ですが日本も含めたアジアの国々で1つの組織を作りPKOに参加する。組織に参加した国は比率に関係なく同等の発言権を持っている組織。そういった組織を作りPKOに参加する事が私の望んでいる形です。

◇Date 3:14pm 6/13/92 MIZOTEC (MIZOTEC)

 こないだPKO法案で自民党の誰かがいっていた。「社会党の反対する法案は、これまですべて貢献してきた。このPKO法案もきっと貢献すると思う。」言葉が正確でなくだいぶ感じが違うけど。私は同感と思った。反対が強ければ強いほど、いい法案に思えてしまう。(だいぶ偏っていると思うけど(^^;))

◇Date 6:37am 6/27/92 GENESIS (むらた)

 PKOでの死者は過去40年間において750人前後である、という資料が頭の中に入っています。平和維持活動に参加する自衛官の方々は、極限では死に至ることも覚悟の上だと思われます。入隊時に宣誓されるとおもわれますが、いわば自らの身を国のために捧げるべく(なんだかナショナリズムみたいでいやだが/個人的な意見)そのための死は辞さないとのお考えかと思われます。私はそういう考え方はご立派かと思われます。しかし、自衛官の方々の平和維持活動に関する草案を作成し、それを強行裁決した、政府の人間は過去40年間の死者数750前後を、その数字の前後に「しか」「たった」などと明確に発言しました。>朝日テレビの「朝まで生テレビ」より西村氏の発言

 わたしはそんな考え方を持つ政府には賛成し兼ねます。

■ 衆議院議員面会所

◇Date 3:03am 6/ 9/92 ハタクン (はたくん)

 参議院本会議で、PKO協力法案の採決が始まって、社会党は牛歩をやめ、共産党だけが牛歩をしました。で、さっき、1時55分頃、可決されました。なんてあっけない。で、衆議院にこんどは移るわけで、せっかく仲よくなった衛視さんとか警察さんとお分かれして、衆議院の議員面会所に、集まる場所は移ります。

◇Date 8:21pm 6/10/92 レジスターN (レジN)

 国会前にとにかく行ってみるというのは、だれにでも割と楽にできることのように思います。別にやじ馬的に眺めに行くのでもいいと思いますよ。

・通行人のように通り過ぎながらながめる
・少し離れたところから、立ち止ってながめる
・議面の前あたりに突っ立ってながめる
・議面の中に入って様子をみるV

等々、やじ馬的に行く場合でも選択肢は豊富です。

◇Date 12:51am 6/11/92 REN20945 (KJ)

今夕、衆議院の議面に行ってきました。おどろいたことは、参院の議面よりも衛視の数が多く、しかも態度が横暴なこと。規制も厳しい。横断幕を持ったりゼッケンしたりしている人たちに対して、平気で実力排除とかもしてくる。まったく怒りを禁じ得ませんでした。

◇Date 12:57am6/13/92 REN20930(☆こせき☆)

なんと、警察はとうとう力ずくで議面前の集会を少しでも減らそうとして来ましたよ。(略)デモを解散して、みんな議面前にもどろうと歩いて行くと警官がウジャウジャいて、「ここから先は行けません。もう集会は終ってますから、そっちからお帰りください。」などと言って、帰そうとする。

 それをすりぬけてむりやり進んで行くと、なんと参議院議面前の歩道が大量の警官とバリケードで閉鎖されていて、衆議院議面に行かせまいとしているではないか!デモ帰りの人はどんどんやってきて車道までいっぱいになり、車も通れなくなり緊迫した状況、怒鳴る人多数。「通せ!通せ!」の大合唱。しかし警官隊は動く気配無し。そのうち人々は向かいの歩道に渡って車道を横切って衆議院議面に向かって歩き始める。最初は阻止しようとしていた警官隊も、結局は多勢に無勢でさながら議面前は歩行者天国の様相。本当に権力はなりふりかまわずPKO法案を通そうとしているのだと、改めて実感。

◇Date 12:56pm 6/13/92 NOM (NOM-ch2)

 私は今日は何が何でも行ってみようと思います。人が大勢で、知ってる人には逢えないかもしれないけど、自分がそこいることに意味があると思います。

■ 法案成立を目前にした6月14日の動き

◇Date 1:29am 6/15/92 HARUKA (はるか)

 昨日はアルバイトが終わってから、渋谷の街頭演説にやじ馬に行きました。(略)なんか寂しかったなぁ。今回はビラ蒔きもしなくて、完全に傍観者だったからかもしれないけれど、全国実行委員会かなんかのデモとのエール交換を見ながら、あぁ、とけこんでいけない…との思いを強くせざるを得なかった。

 なんか、この段階で、すでに疲れてた私だけど、無謀にも国会へと向かったのでした。何が起こっているかも知らずに…。

◇Date 1:57am 6/15/92 REN20945 (KJ)

 今夕、国会周辺は信じがたい状況になっていました。「定例」の衆院議面集会に参加しようとして続々と地下鉄の駅からでてこようとする市民を、乱闘服・完全武装の警視庁機動隊が阻止線を張って、駅構内に2時間以上にわたって監禁したのです。(これは、永田町・国会議事堂前両駅で起こったことです。)

◇Date 1:29am 6/15/92 HARUKA (はるか)
,P.  営団地下鉄の永田町駅のホームに降りると、リュックを背負った集団が列を成して進んでいった。「うー、動員だぁー」ってやだなぁとか思いながら平河町出口へいくと、いきなり機動隊のバスがサイレンをけたたましく鳴らして駆け抜けて行く。「えっ、なんか違うぞおいおい」とそのまま進むと、国会議事堂裏の交差点の雰囲気が異常な緊張。「えーっ、交通規制だぁ!」なんと、議員面会所の通りが参院側から衆院側まで通行止め。バリケードなんて初めて見たぞ。

◇Date 1:57am 6/15/92 REN20945 (KJ)

 「我々はただ通行したいだけだ。どいてくれ」「機動隊の指揮官は事情を説明せよ」と当然のことを主張する人々にたいし、警察は「駅前に立ち止まっている諸君、直ちに日比谷公園方面に移動しなさい」などとふざけた”警告”をするばかり。実際、日比谷公園よりのほうに立っていた人々は機動隊によってむりやり分断されこづきまわされながら日比谷公園に連れていかれました。

◇Date 1:29am 6/15/92 HARUKA (はるか)

 議面前はバリケード封鎖に抗議の声が上がっていた。あたりまえだ。バリケードの前では「正当な請願権の侵害だ」とか言ってたけど、議員面会所で今の様子を知るだけのことに、しかも、武器を持っていないわたしたちに、ジュラルミンの盾と警棒。おいおい、なんか勘違いしてないか?あとで聞いたところによると、過激派が紛れこんでいるとの理由だそうだ。夜のNHKニュースでは、3人の逮捕者が出たことを報じていた。わたしがいたその時間の2時間くらい前だ。それで、6時からの集会に過敏に反応していたということらしい。

◇Date 1:57am 6/15/92 REN20945 (KJ)

 警察(その上にいる国家権力中枢と自民党)は、ただこの数千のPKO法案に抗議する人波が、国会前に存在することを不愉快に感じ、いみきらい、恐れたから、こんなことをしたのだと思います。日本の国家権力は、こんなつまらないことの為に税金をムダ遣いして機動隊を大量動員し、暴行・脅迫を行うのです。しかし、こんなあからさまな警察の横暴を実見したのはさすがにはじめてだ。

国会に行かなかった、行けなかった皆さんにも心から訴えます。PKO法案は通って終わりなのでなく、闘いの始まりに過ぎない。

 私たちが、真に自由に情報を得、考え、発言し、行動することのできる社会を築いていけるかどうかは、これからの私たちの闘い方にかかっているのであり、そういったものは既存の社会体制や権力やらが与えてくれるものでは決してなく、それらを享受しようとする私たち市民の責任においてかちとっていくしかないものなのです。

■ やっぱり、考えなくちゃね、もっと

◇Date 10:50pm 6/29/92 REN20768 (KPS)

 金で解決する時代が終ったわけですから、別の方法を考える必要があるでしょう。カンボジアという仕事の場があり、要請があれば参加するべきでしょう。国内世論が2分されているからといって、相手がまってくれるかどうか? 自衛隊派遣に反対する国があるのは当然でしょう。賛成している国もあるわけです。反対されている国の意見を聞いて何もしなければ、賛成している国から批判され続け別の意味でよくない状況を生み出します。全てにおいて上手くいく方法があればいいんですが、未だ見つけられないわけです。

◇Date 12:56am 6/30/92 REN20945 (KJ)

 一般論としてはそのとおりといいたいところですが・・・ いずれにしろ拙速だけはよくない。カンボジアの地雷を全部除去するんだって何十年とかかるといいます。自公民は拙速でした。そこが国民の不信をもっともまねいているのです。「善き意図」がまったく感じられないのです。また反対派も海外の論調のみに頼っていてはいけませんね、確かに。「私たちはPKOには派遣しない!」と自分の言葉で主張できれば、説得によって国際社会での理解も得られるはずです。

 このふた月のアーティクルは270をこえ、残念ながら皆さんのメッセージは細切れに編集し紹介せざるをえませんでした。紙面の都合でほんの一部しか扱うことができませんが、みなさんがこの問題を考えるきっかけになれば、と思います。
(編集責任:はるか)

--------------------------------------
「れんこんネットでの <最近の話題>」

以下のリストは最近、「れんこんネットアラマー広場内雑記帳」に出されている話題です。この中から、次号「放射性れんこん」で紹介されるノートが選ばれるかもしれません。すでに「障害者関係のノートを・・・」という声も出ています。
次号、乞うご期待!

  143  92/06/06   41  ASIMOV    地球環境を市民が考える
  144  92/06/09   13  レジスターN   「『異様』について」という異様な話
  145  92/06/12    9  HARUKA    憲法講義の実況中継【禁転載】
  146  92/06/15   30  REN20472  PKO法案可決成立!
  147  92/06/25   11  EGGS      れんこん発、時事ニュース解説
  148  92/06/27   37  SANGORO   労働相談のノート
  149  92/06/30    4  REN20472  教科書検定問題
  150  92/07/01    4  REN20472  国際捕鯨委員会(IWC)って、どんな機関
  151  92/07/01   12  MIZOTEC   幸せな結婚
  152  92/07/02   10  RYOU      PKO(法)について考える
  153  92/07/04   34  RYOU      障がい者介助について考える
  154  92/07/06   22  RYOU      差別言葉を考える1「障害者」
  155  92/07/08   23  レジスターN   参院選挙について
  156  92/07/08    4  カワチマル     参院選挙について2 いまの「うちだ」
  157  92/07/09    2  NOM       差別用語「頭に来る」
  158  92/07/10    2  V-LORD    そのポスター1度見てみたい
  159  92/07/13    5  RYOU      差別意識を考える
  160  92/07/15    5  RYOU      子供の気持ち/大人の良心って

-------------------------------------

このページの先頭に戻る


「原発用語の基礎知識」
その1:高速増殖炉

 [McOtto]

「なんで"れんこん"なのに原発の話が少ないんだ!?」という皆様の御意見にお答えして? 原発のお話を書き連ねていこうと思います。
原発初心者の人にも分かるように書くつもりですので、原発の達人(←なんじゃそりゃ?)の方々は我慢して下さい。どうしても我慢できないなら読み飛ばしましょう(笑)

さて、今回のテーマは「高速増殖炉」。でははじめましょう。

○普通の原発とどこが違う? 増殖って?
日本にゴロゴロとある"普通の原子炉"は燃料に核分裂性のあるウラン235を使っているのですが、天然のウランの中には235は約0.7%、濃縮ウランでも3%しか含まれず、残りの大半は燃えない(核分裂しない)ウラン238が占めています。高速増殖炉はその余ったウラン238を燃える(核分裂する)プルトニウム239に転換させる装置なんですね。
転換はどうして起こるかというと、ウラン238に中性子がくっつくとウラン239になり、そしてそれがネプツニウム239になって最後にプルトニウム239になるのですが、その過程は省きます。

ところで、高速増殖炉だけがプルトニウムを造るのではなく、普通の原子炉でもプルトニウムは生まれています。原子炉の内部で核分裂しているのはウラン235とプルトニウム239が半々だそうです。ウラン235が消費される量に対してウラン238がプルトニウム239に転換される比率を転換率といいますが、軽水炉では0.7程度。だから燃料は消費されて最後は燃えないウラン238が残ります。じゃあ、もっと転換率を上げてプルトニウムをどんどん造っちゃおう、ってことで転換率を1以上になるように作ったもの、それが増殖炉。

○どんな構造?
基本的には加圧水型軽水炉に似ているのですが、冷却水に水ではなく金属ナトリウムを使っていること。

普通の原子炉である軽水炉では名前のとおり原子炉内に軽水(ただの水)が詰まっています。これは冷却材でもあり、そして減速材としての意味があります。
核分裂させるには核燃料に中性子をぶつけなければならないのですが、核分裂によって発生した高エネルギー(高速)の中性子を水で減速させて低速の熱中性子にする役目があるのです。(熱中性子のほうが核分裂を起こさせやすい)

ですが増殖させるには沢山の中性子を必要とします。ウラン238にくっつけるためにですね。エネルギーの低い熱中性子ではなくて"高速"の中性子を使ってどんどん中性子をばらまいて反応をさせる。だから高速というわけ。で、高速の中性子が沢山必要だから水のように減速効果の高いものは使えません。そのために冷却材として金属ナトリウムの溶けたものを使っています。

○安全なの?
これほど危険極まりないものはないでしょうねぇ。

まず一つは冷却水のナトリウムです。ナトリウムは水に入れれば燃えだすし、高温であれば空気中でも発火します(ちなみに1次系のナトリウムは炉心出口で500度を越えるそうです)。それに腐蝕性が高いんですよ。高速増殖炉では1次・2次冷却水には溶けた金属ナトリウムを使っており、その熱を蒸気発生器を使って3次の水を沸騰させるのですが、もし蒸気発生器が壊れたら! 美浜の事故を語らなくても簡単に想像がつきますよね(^_^;) 蒸気発生器が壊れなくても、なにかの拍子にナトリウムが外部に洩れたらどうでしょう… あまり想像したくないですが、その可能性は否定できないですね。

もう一つは暴走しやすいこと。簡単に書くと、軽水炉では寿命が長いタイプの中性子(遅発中性子)が多く制御がしやすいと言われていますが、高速炉にはその中性子はほとんどなく、また、別の中性子(即発中性子)も軽水炉より寿命が短くて制御が難しいので、なにかの拍子に中性子が多くなると一瞬の内に核分裂が連鎖的に起き、暴走してしまいます。
それに設計自体に無理があるんですね。高速の中性子は熱中性子と比べて核分裂させる確率が低いため、沢山の燃料をギュウギュウ詰めにしないと臨界を維持できません。このために軽水炉に比べて高密度で高温になります。だから構造が複雑になり、作るのがとっても難しい。だから開発しようとしていた国々は開発を止めた、または止めようとしています。

そしてもう一つ、プルトニウムという猛毒の物質。こりゃすげー恐い。プルトニウムの許容量というのも、もっと許容量を減らせ、いやこのままでいいんだ、などいろいろと言われているのですが、今の許容量とされている値でも例えば肺に入った場合は4000万分の1グラムだそうです。そんなの目では見えませんね。たったそれだけを吸い込んだだけで、もう許容量に達するのです。それにプルトニウム239は半減期が24100年という比較的長寿命なので、どこかの原発で事故があってプルトニウムが放出され、そしてそれを吸い込んじゃう危険性というのは十分考えられると思います。

プルトニウム。プルートー(黄泉の国の王)の名に恥じないほどの殺傷力を持つ、死の王。それを生み出す死の装置が高速(増殖)炉「もんじゅ」なのです。ちなみに「もんじゅ」の開発には1兆円を越える開発費が投じられました。どこの国もがサジを投げ出すようなことに1兆円も投資したのです! 「技術革新のためには仕方がない?」それとも、「死神にそんな大金を出すんだ?」どう思いますか。考えてください。

○今後は?
アメリカは高速増殖炉の開発を止め、ドイツも凍結した。高速炉先進国のフランスでさえスーパーフェニックスの開発を止めようとしているのに、日本はそんなことはおかまいなしに進めようとしています。7月にはついに(公にされた)初めてのプルトニウム運搬を行いました。市民の反対などまったく無視して。ニュースでも放送されたので御存じの方も多いと思います。こんなものをいつまでも続けようとしている日本。いい加減に危ない火遊びは止めて欲しいものです…

さて、文面も尽きましたのでこんなところで今回のお話しはおしまいにします。簡単すぎる、難しくてよく分からなかった、そんな御意見がありましたられんこんネット事務局まで御連絡下さい。もちろん感想も大歓迎です。
          文責:McOtto(まこと)

参考文献:
「プルトニウムの恐怖」 高木仁三郎著 岩波新書
「最後の話」      広瀬隆著     八月書房
「imidas 1992」      集英社

このページの先頭に戻る


「れんこんワーキンググループちゅーもんができた」

 [レジスターN]

 れんこんネットは92年5月16日をもって、正式にシスオペのいないネットになり、れんこんワーキンググループで共同運営していくネットとなりました。
 と言っても、パソ通になじみのない人にとっては、何のことかよくわからないことでしょう。そういう方のために、ごく簡単にシスオペというものを説明しておきます。

 パソコン通信というものは、何処かにホストコンピュータがあって、そのコンピュータに電話回線で接続してきた人達がメッセージを読んだり書いたりしているわけです。そのホストコンピュータが、そういうことをやってくれるのを可能にするには、誰かがホストコンピュータを操作して面倒見てやらなければなりません。
 システムオペレータというのが、その面倒を見る人のことを言うわけです。シスオペという言葉は、システムオペレータを略してそういうわけです。

 以上の説明からしますと、シスオペは、面倒ホストコンピュータの世話をみんなのために行なう奉仕者なわけです。しかし、ホストコンピュータの面倒を見るということは、ネット上では、強大な権力を手中にすることでもあるわけです。
 「気にくわないメッセージは削除する」「嫌なやつは、会員からはずす」「ネット上のボード構成を自分の好きなようにする」・・・と言ったようなことができてしまいます。さらには、「他人のプライベートなメールをのぞく」ことですら、その気になれば不可能ではないのです。(こんなことするシスオペがいたら、そんなネットはすたれるのみであることは言うまでもありません。)

 結局、シスオペには、「ネット運営の面倒を見る」、「ネットを支配する」という二つの側面があるわけです。

 れんこんネットでは、今までの経験から、「『ネット運営の面倒を見る』ということを特定の人間に負担させると、その人の負担が重くなりすぎる」ということがわかっていました。
 ですから、ここのところは輪番制というやつが導入できないかと検討したわけです。具体的には、「ヘルパー」という名の担当者が1週間位の期間で交代しながら面倒を見ていくことにしました。(ホストのメンテのようなセキュリティ上の問題がともなうような事は、ヘルパー業務からは外しています。)

 「ネットを支配する」ということに関しては、今までもほとんど無干渉で、無政府的状態にまかせてやってきて問題なく来ているわけで、そういう機能は不要であることは、はっきりしていました。ただ、今までのやり方では、「あれをやろう、これをやろう」と言っても、結局責任の所在も明らかでなく、うやむやのままになってしまうことが多く、そこのところは何とかしたい、というのはあったわけです。
 それで、「月1回参加したい人が自由に集まる会議でネットの方針を決めて、決めたことは実行していこうではないか」ということになったわけです。

 この、「ヘルパーが交代しながらネットの面倒を見ていく」、「月一回集まって、ネットとして取り組むことを決めて実行に移していく」ということを担うグループを、《れんこんワーキンググループ》と名付けたわけです。  ワーキンググループは、なんとなく集まってくる有志の集団なわけでして、どなたでも自由に参加できる性質のものです。れんこんネットに興味が湧いたら、まずはこのワーキンググループの定例会議に足を運んでみることをお薦めします。毎月第三土曜に開催されることになっています。
(レジN)

このページの先頭に戻る