この事件では、理事会側が、労働委員会や裁判所から出された一連の命令を無視し、審理/訴訟手続きを取り続けているところに特徴があります。これは、結果的に、組合および当事者に対して大きな精神的・経済的負担をかけ続けることになっています。
この件に関心をもたれた方は、ビラの問い合わせ先となっている東京私大教連(03-3208-8071)へお問い合わせ下さい。
一 湘南工科大学教職員組合のたたかいは、組合員三名にたいする教授昇格差別事件を中心とした不当労働行為とのたたかいです。
湘南工大では前衆議院議員の糸山英太郎氏が理事長と学長を兼務して実権を握っています。
湘南工大教授会は、一九八六年三月に組合員七名をふくむ十一名の教授人事を決定しましたが、理事会は組合を辞めない三名に対し、一〇年にわたって辞令の発令を拒否するという異常な差別を続けています。
二 組合は、九一年七月一日、これは組合員差別の不当労働行為であると、神奈川地方労働委員会に訴えました。理事会はこれに対し、地労委への申し立て自体を攻撃する「見解」を発表し、教職員に「理解と協力」を求め、教授会には三名の教授昇格に新たな見解を出すように要求しました。
三 これ以後、地労委申し立ての取り下げを組合に要求する署名が、職員の管理職を中心に集められています。他方、教授会は、事前の議題提示も、当日の資料提示も無いまま、突如、地労委申し立てに関する教授会決定として、
(1)教授職が管理職であることを制度的に明確にする、(2)教授昇任候補者三名の推薦をいったん取り下げ再検討を行う」ことを決め、理事長に具申しました。
組合は、九一年十一月、これは「地労委申し立てを理由とする不利益取り扱いである」として地労委に訴え、先の申し立てと一緒に審議されてきました。
理事会は、教授を管理職とする就業規則の改悪を強行しましたが、これは、就業規則の改正手続きを停止するよう求めた地労委の口頭勧告を無視してのものでした。
四 組合は地労委闘争をめばり強くすすめ、こうした一連の攻撃が、「組合員は教授にしない」というあからさまな不当労働行為であり、教学権への支配介入であることを明らかにしてきました。
九五年一〇月からは「早期救済命令を求める」団体署名に取り組み、昨年の一二月二七日、組合の主張を認める全面勝利の地労委命令をかちとりました。
これを不服とする理事会が中央労働委員会に再審査を申し立てました。組合は、中労委でも勝利命令をかちとろうと奮闘しています。
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