山田晴通:担当講義科目:2009:

2009年度前期「授業アンケート」から

―東京経済大学 編―


 東京経済大学で2009年度前期に全学的に実施された「授業アンケート」の集計結果が、2009年9月に各授業の担当教員に報告されました。この「授業アンケート」の選択式の回答の集計結果と、自由記入コメントの内容を公開します。

 今回、対象となったのはいずれも前期開講科目の「コミュニケーション論入門」「メディア・リテラシー入門」の2科目でした。
 集計結果については原データを加工せずに、pdf形式でアンケート結果を公開します。
 以下は、自由記入式の問に対する回答を、科目ごとにすべて列挙したものです。ただし、同趣旨のコメントについては、代表的なものをあげた上で、同趣旨の意見の数を(括弧)書きしてあります。
 回答の引用に際して、明らかな誤字・脱字、わかりにくい表現は修正・補足しました。字の誤りなどを修正した箇所は[青色]で記してあります。ただし、句読点については補っている場合もいちいち色をつけていません。
 また、山田からのコメントは[茶色]で記してあります。



コミュニケーション論入門(2009年7月6日実施)
Q19 この授業で良かったと思う点について書いてください。
  • 授業を聞いてみると楽しい。
  • テレビのネットワークの仕組みについて勉強できたので良かったと思います。
  • 宿題が出されたことで、メールの書き方やレポートの書き方の基礎が身についた。
  • 集中して取りくめたと思う。
  • 今後、役に立つ知識が身についた。
  • 課題が毎回出されたが、そのおかげで内容がとても理解できた。
  • 全く知らなかったことを知れた。
  • テレビとか興味深かった
  • 新聞やニュースについてのレポートをたくさんやったので、メディア関係に興味が湧いた。
  • 前半の授業は、構成もしっかりしていてわかりやすく面白かった。
  • 要点がわかりやすかった。
  • 深く教えてくれるのでわかりやすかった。
  • パワーポイントがわかりやすい。(2)
  • 自分の知らない、未知の領域を知る事ができた。
  • 興味ある分野を深く知ることが出来た。
  • コミュニケーション論の基礎的な知識が少しでも身について良かったと思いました。
  • 教員は見た目じゃない。
  • 声のでかさ。
Q20 この授業で改善した方が良いと思う点について書いてください。
  • うるさい
  • 周り(特に後ろ)の私語(3)
  • [私語について]いつもよく注意しているけど、だいたいは授業の先生の声も一応聞こえているし、そんなにずっと注意しなくてもいいと思う。
  • 学籍番号順に座ってもらうというのどうでしょう? 私語防止につながるのではないでしょうか。こんなことをしないと私語がなくならない私たちに問題があるのですが。残念ですね。
      [座席の指定は、大学の授業にはなじまないと思います。ましてや、百名を超える受講者の科目では、着席位置を管理するだけでも非常に困難であると思います。]
  • 授業が定刻におわらなすぎる。[こちらの「よくある要請とそれに対するお答え」を見てください。]
  • [川井教授のクラスと]同じ教科でこんなに違うのはおかしいと思う。
      [具体的にどう違うのか明記されていないので、答えにくい苦情です。この科目は川井良介教授のクラスと、並行してシラバスや教科書は同じものです。また、期末試験の問題も共通問題が多く、評価の分布についても大きな差異がでないように配慮されています。「レポート課題について」のコメントも併せてご参照してください。]
  • 宿題レポートの回数が多いと思う。(6)
  • [レポートの]期限がとても短すぎです。(4)
  • 宿題が約10回ほどあったが、別のクラスではあまり宿題が出されていないのは不平等。回数をもう少し減らして頂いて、締切をもう少し長くして欲しかった。じっくり考えている時間がなかった。
  • 進むのが早すぎる。
  • パワーポイントが早い。もっとゆっくりしてほしい。(4)
  • もう少しゆっくり話してほしいです。
  • もう少しプリントなどまとめたものがほしかった。
  • パワーポイントを配って下さい。
  • 後半は説明が不足しているように感じた。
      [この授業では、後半については教科書があります。したがって、直接授業で取り上げない部分も含めて、自習で補うことが期待されています。質問すべきことがあれば、授業時間内にできるだけ質問してください。それでも足りない場合は、学習センターを利用するか、「学生との面談、および、オフィス・アワーについて」を参照して、研究室へ質問しにくる機会を作ってください。]
  • 先生の体のにおいをどうにかしてほしい。
  • 寒すぎた。
      [教室の空調(特に夏期の冷房)は、人によって感じ方がばらつきますし、座る位置によっても涼しさ/暖かさの感じ方は様々です。また、空調を運転すると、一定量の騒音が発生します。山田が担当する授業では、受講者から空調への要請(「冷房を入れて/切ってほしい」など)があれば、その場で受講者全体に挙手で意見を求め、多数意見にしたがって空調を操作するようにしています。山田としては、騒音のことや、省エネを考慮して、使いすぎないように心がけています。「暑すぎる/寒すぎる」という場合には、挙手してその旨をアピールしてください。]
  • 学生の心意気。

メディア・リテラシー入門(2009年7月9日実施)
Q19 この授業で良かったと思う点について書いてください。
  • スライド[パワーポイント]を使っていて、わかりやすかった。
  • 映像を巧く使っていたと思う。
  • いっぱい資料を使ってわかりやすく説明してくれた点。(3)
  • 先生の取り上げる映像が面白い。
  • 映像をたくさん使っていて、私たちの生活の中での身近なものをとりあげていたのでわかりやすかった。(2)
  • 具体的な例を用いて解説されていたので分かりやすかった。(2)
  • 自分の身近なものから、それをあらゆる視点から読み取る力がついたと思う。
  • 広告について学べた。(5)
  • 広告の見方がとてもおもしろかった。
  • 色々な広告を見れておもしろかった。(2)
  • 様々な広告の意図を知ることが出来、見方を教えてくれた。(2)
  • 広告をみたら、意味とか意図を考えるようになった。広告の見方が変わった。(3)
  • 広告にはいろいろな工夫や意図が入っているのがわかった。(2)
  • 広告・ポスターを見る目がかわった。(2)
  • 映像をみるときの、見方が変わった。
  • 広告について非常に興味があったので、広告の読み方をこの授業で勉強できてよかったです。
  • 自分の知らなかったメディアや広告宣伝の秘策を知れた。奥深さを感じた。(3)
  • 新しい発見が多くておもしろかったです。
  • 専門用語などを学ぶことができた。(2)
  • 授業の内容は結構好き。
  • 話がおもしろい。(2)
  • 眠くならないような感じの授業で良いです。
  • とても大きな声なため、ききとりやすかった。
  • 先生の声が大きいところ。でもたまに大きすぎて心臓が痛かった。
  • 授業中の私語に対して、講師が毅然とした態度で怒鳴って注意を促したのは、静かに講義に集中したい自分にとっては、とても有難かったです。(2)
  • レポートの文字数の指定が1000文字ということが多く、ひんぱんに出題されてもちょうど良い文字数で書きやすく、とてもありがたかったです。
  • クーラーがついていて、涼しい。
Q20 この授業で改善した方が良いと思う点について書いてください。
  • 私語の多さ。(3)
  • まわりがうるさくてイライラする。
  • F307程度の教室で山田教授くらいの声量ならマイクはいらないと思うが、生徒の雑談がうるさいのでどうにかしてほしい。
  • 私語が多いので、何度も注意してもうるさい人は退室させた方がいいと思います。集中したい人にとっては本当に迷惑なので。(2)
  • マイクを使ってほしい。(5)
  • 先生は最初マイクを使わない理由をいっていたが、マイクを使ってもいいのではと思った。
  • 声が大きくてびっくりする。声がでかすぎる。(3)
  • 声は大きいが、どなり声のようで、聞き取りづらいため、マイクにしてほしい。(2)
  • レポートが多い。
  • スライドの展開が早すぎて理解できない、自分流に噛み砕けない、ときが少しあった。(2)
  • スライドがもっとゆっくりの方がよい。(8)
  • スライドが早い。大事とは言われるが、写す時間がない。(5)
  • パワーポイントで示された内容をノートに取っていましたが、画像などはノートに移すことができませんし、文章も早く切り替わるので、要所要所をうまく拾いながら書き移すのがとても大変でした。せめて、文章だけでもノートに取る時間をもう少し多く欲しかったです。
  • ノートをとる時間がなく、正確な知識が頭に入っていなく、混乱している。
  • パワーポイントを使用しているが、次ぎに行くのが早すぎる。時間がない時とかはもっと早い。
  • 早すぎる。実に早い。本気で聞いていても早くて、やる気が失われます。
  • 過激な広告が多すぎて気分を害した。
  • 女をばかにしないで下さい。画像を見ると悲しい気持ちになります。
  • 下ネタ。(2)
  • 比較的セクシュアルな内容のものが多かった気がする。そういう広告が多く,説明しやすいのかもしれないが、もう少し違った内容のものも説明してほしかった。
      [授業の中で、露骨なヌーディティーを含むような、セクシュアルな表現を集中的に取り上げたのは1回だけです。また、その際には、不快感を覚える可能性があることを予め断っています。また、ジェンダーに関する話題、サブリミナル効果について集中的に言及した回を併せてものべ3回だけです。また、必然性がない形に徒に性的表現に言及するようなことはしていません。まして「下ネタ」と指摘されるような発言はしていないつもりです。
      その上で、なお不適切な部分があると判断されるようであれば、それは山田が自覚のないままセクシュアル・ハラスメント行為をしているということになります。そのようなことは生じていないと認識していますが、ハラスメント行為であると疑われる場合は、人権相談室に苦情を申し立てて改善を求めてください。]
  • 入門の授業だからメッセージが分かりやすいものを選んだのだと思うが、もう少し、技法やメッセージが分かりにくいものも混ぜてみてほしかった。
      [お気づきのように、入門科目であることを考えると、現状の内容は適切であると思います。授業の水準より、一歩進んだ学習をしたい場合は、山田か、この講義のシラバスを構成されている山崎カヲル教授に相談してアドバイスを求めてください。]
  • 出席カード配るのが遅い。[こちらの「出席のとり方」を見てください。]
  • 時間通りに終わってほしい。
  • 時間通りに始まれば、時間通りに終わると思います。
  • 教員のルックス。
  • ひげ。
  • 汗臭いところ。近寄ってきたとき、キツい。対処できないものだった。(3)
  • たくさんの人に答えさせる。
      [机間巡視は、授業に緊張感を与える方法として有効で、必要であると考えています。]
  • 山田先生のホームページに、シラバスをのせて欲しい。メールにての送信のルールが、はっきりと分からないので説明が欲しい。掲示が出るのが遅い。
      [この授業の「シラバス」も「電子メールを利用した宿題等のレポートについて」も、授業開始以前にネット上に公開されていますし、ネット上で質問ができるBBSも用意してあります。6号館1階の授業関係掲示板への掲出は、原則として出題の翌日までにするよう心がけています。今年度のこの講義では、この条件を守れなかったケースはなかったはずですが、今後とも十分に気をつけたいと思います。]
  • 忘れ物しないでほしい。
      [この授業では、出席カードを用意し忘れること、途中で足りなくなることがありました。また、この授業だったかどうか記憶は曖昧ですが、パソコンの接続に必要なプラグを間違って持ってきたこともあったかと思います。十分に気をつけたいと思います。]
  • 先生が、[←これだけで、読点で終わっている。]

アンケート集計結果についてのコメント
科目は違っていても、レーダーチャートの形状は共通する面があるようです。両科目を通じて全体平均より大きく劣っているのはQ8「この授業では、周りの私語が少なかった」、次いでQ5「授業は、ほぼ定刻通りに実施されていた」です。
これに準じて、コミュニケーション論入門ではQ4「教科書やプリント、機材の使い方は適切であった」、Q13「この授業の内容に興味をもった/知的刺激を受けた」、Q14「この授業は全体として満足できるものであった/履修して良かった」、メディア・リテラシー入門ではQ6「授業の内容はシラバスと一致していた」、Q7「成績評価の方法について、教員から十分な説明があった」、Q9「教室の設備(机、椅子、マイク、映像設備など)は快適であった」がやや平均より低くなっています。

今回、調査対象となった2科目は、いずれも履修必修となっている1年生科目で、クラス割当も強制的になされています。自らの意思で選択した科目よりも、評価が低めに出ること自体はやむをえない部分があります。また、人数が百数十名と受講人数も多いため、適度の緊張感を保って授業を進めることは容易ではありません。その意味では、受講者数が少ない科目も含めた全体平均よりは、厳しい評価が出やすいものと思います。

以下、低めの数値が出た項目別にコメントしておきます。他のコメントを参照して頂きたい場合は、リンクをしめしています。
  • 両方の科目で評価が低かった項目:
  • 「コミュニケーション論入門」で評価が低かった項目:
    • Q4「教科書やプリント、機材の使い方は適切であった」[後述の「パワーポイントの使用について」を見てください。]
    • Q13「この授業の内容に興味をもった/知的刺激を受けた」
    • Q14「この授業は全体として満足できるものであった/履修して良かった」

  • 「メディア・リテラシー入門」で評価が低かった項目:
    • Q6「授業の内容はシラバスと一致していた」[この科目のシラバスは、山崎カヲル教授が書かれたものであり、教材も半分以上が山崎教授が用意されたものです。シラバスの内容のうち、山田のクラスでは、当てはまらない部分(「講義内容はすべて印刷物かPDFファイルで渡す」など)については、最初の授業で説明をしてあります。
      いずれにせよ、今後に向けて、山崎教授とも相談した上で、シラバスの内容の一部を変更する必要があるかどうか検討したいと思います。]
    • Q7「成績評価の方法について、教員から十分な説明があった」[評価方法は、シラバスにも明記されていますし、初回の授業でより詳しく説明しています。なお不明な点があれば、直接質問するようにしてください。]
    • Q9「教室の設備(机、椅子、マイク、映像設備など)は快適であった」
自由記入回答についてのコメント
  • 授業中の私語について:
      授業中の私語については、頻繁に注意喚起をしています。それでも、私語が多いことへの苦情はかなりあります。また、逆に、現状について、そんなに頻繁に注意する必要はないという声もあります。授業担当者としては、授業を中断して時間を割き、注意するのは、出来るだけ避けたいところであり、現状以上に頻繁に注意することは難しいと思っています。

  • マイクの使用について/声の大きさについて:
      上の「私語について」とも関連しますが、山田が授業でマイクを使わないのは、過去のマイクを使った授業における経験を踏まえています。
      マイクを使用する授業では、大きな音がスピーカーで上から降ってくる中で、隣とひそひそ話しても構わないと感じる人が多くなり、小声のおしゃべりが増えます。また、どのような音量に設定しても「音が大きすぎる/小さすぎる」という両方の苦情が出てきます。また、人によっては、機械を通したマイクの音は聞き取りにくいと感じる場合もあります。
      加齢とともに、声を出すのが少しずつしんどくなって来てはいますので、いつかはマイクの使用に踏み切らなければならないとは思いますが、当面その必要はないと思います。
      マイクを通さないため、授業中は、通常の話し方よりも、大きな声を張り上げています。また、授業中は机間巡視も頻繁に行っていますので、山田が席の近くまできた時に、教室全体に聞こえるような声で話し続けていますから、人によっては不快なほど大きい声だと思われるのかもしれません。しかし、声の大きさも個人によって感じ方に大きなばらつきがあります(良かった点の方に声の大きさを上げている回答者もいます)。必要に応じて、山田が近づいてきたら耳を塞ぐ等の対応をとってください。

  • パワーポイントの使用について:
      授業中提示するパワーポイントのスライドは、内容を書き写すことを前提にはしていません。書き写すことを期待するスライドについては、その都度、書き写すよう注意を促していますし、その場でリクエストがあれば、投影時間を長めに取るようにしています。また、授業終了後であれば、研究室で個別にスライドの中身を見てもらうことも出来ます。「学生との面談、および、オフィス・アワーについて」を参照して、スライドを見にくる機会を作ってください。
      授業で使用しているパワーポイントのスライドには、ネット上で公開されているものなど(山田以外の方の)著作物が含まれています。画像については、紙に印刷するにせよ、電磁的記録によって提供するにせよ、複製して配布することは違法行為と見なされる虞れがありますので、複製の提供は考えていません。
      ただし、テキスト部分についてはその限りではありませんので、今後、何らかの形でテキスト部分のみの公開ができるかどうかは考えてみます。

  • レポート課題について:
      山田は、多くの授業で、受講者の予習/復習を促すために宿題をよく出します。これは、授業の理解を深めるために行っているものであり、また、受講者に文章を書く機会を作ることで、文章力の向上に寄与することを期待してのことです。また、こうしたレポートの大部分は、メールのやり取りで提出してもらっていますが、これもリテラシーの向上につながることを期待してのことです。
      宿題、課題が多く出されることを肯定的に捉えている意見もありますし、こうした手法は教育効果があると考えていますので、出題頻度を下げることは考えていません。また、締切までの時間が短いのは、次の宿題がすぐに出るためです。与えられた時間の中で課題をこなすことも、求められている能力のうちであると理解してください。
      他の教員が担当するクラスと統一シラバスで並行開講している科目についても、宿題、課題の回数に違いが生じる場合がありますが、授業手法の違いであり、特に調整する必要があるとは考えていません。

  • 山田の容貌、体臭等について:
      容貌については、何らかの対応をする考えはありません。
      体臭についての苦情は、山田が体質として多汗であり加齢とともにそれが著しくなってきていること、今回調査対象となったのが夏場の午後の授業で、前夜に入浴してから18時間以上が経っている状態だったことが関係しているかと思います。
      考えられる対策としては、授業の直前(昼休み時間帯など)にシャワー/入浴する、制汗剤を使用する、といったことがありますが、来年度の夏学期までに具体的に対応を考えたいと思います。

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