1996年度データ・アクセス法  (1997.01.21.井田英文)

文献インデックス『映像』


この文献表は、「映像」に関する様々な書籍の中から、 日本語によって発表された文献を順不同ながらも列挙したものである。東京経済大学の図書館にある書籍の中から選び、現物を閲覧して確認をとってある。
 文献の選択にあたっては、主に「映像」をコミュニケーション論の分野と密接に関係しているものを第一義として「都市・文化・メディア」関連のものを選択した。また、「映像」系のメディアである「テレビ・映画」について論じているものや、心理学的な見地や映像教育について論じたものについても、それらと密接な関係があると当方で判断して掲載した。
 取り上げた文献に関しては、1985年以降に発表されたもので、日本語による学術的な著作、研究論文を掲載した。だが、発表時期が1985年以前の文献や、新聞・テレビへのインタビューや対談記事についても「映像」に対する示唆に富んでいるものに関しても掲載した。

  1. 岡田晋(1996.3)  :映画映像の意味作用
      岡田著『映像学・序説』九州大学出版会 pp.224〜227
  2. 多喜弘次(1990.5) :ニューメディアと映像コミュニケーション
      植条則夫/編・緒『映像学原論』ミネルヴァ書房 pp.84〜99
  3. 今村太平(1976.5) :言葉と映像
      今村著『映画の眼』光和堂 pp.41〜76
    *『思想』(1976.5) 岩波書店 より転載
     [映像のなかにみる言葉との関係や、具体と抽象の関係を論じている。]
  4. 近藤耕人(1994.1) :映像の性質と機能
      近藤著『映像と言語(復刻版)』紀伊之国屋書店 pp.23〜37
  5. 野崎茂(1990.5)  :映像文化の展望および課題
      植条則夫/編・著『映像学原論』ミネルヴァ書房 pp.166〜170
  6. 大森哲夫(1991.8) :ジャーナリズムが捉えた映像教育
      大森著『人間的映像の教育−子供と作るメディア・コミュニケーション−』阿部出版 pp.197〜211
    *新聞のインタビュー記事の抜粋を再構成して、転載。
     [成城学園初等部での事例から、子供たちへの映像教育の様々な必要性を論じた。]
  7. 岡田晋(1996.3)  :映像における伝達作用
      岡田著『映像学・序説』九州大学出版会 pp.191〜202
     [「映像」を文化的・社会的な諸相として捉え、その記号のメッセージと人間との関係を論じた。]
  8. 佐藤忠男(1987.6) :子どもと映像
      後藤・坂元・高桑・平沢/編『メディアを読む』ぎょうせい pp.89〜115
     [子どもたちの知識の発達度や認識度によって異なる映像の捉え方を論じた。]
  9. 中野順一(1990.5) :映像情報とその受け手
    植条則夫/編・著『映像学原論』ミネルヴァ書房 pp.229〜233
  10. 幡野豊治郎(1987.6):都市のイメージ・特色の探検
      後藤・坂元・高桑・平沢/編『メディアを読む』ぎょうせい pp.170〜222
     [映像としての都市のイメージ性を認識する方法を、東京都内の二十数箇所を事例にして論じた。]
  11. 山中速人(1994.5) :映像コミュニケーション−そのひろがりと展望−
      『コミュニケーション科学(No.1)』東京経済大学C学部紀要 pp.75〜83
  12. 岡田晋(1996.3)  :文化・記号・映像
      岡田著『映像学・序説』九州大学出版会 pp.231〜236
  13. 宇波彰(1991)   :映像表現における画面外の問題
      宇波著『映像化する現代−ことばと映像の記号論−』ジャストシステム<1996> pp.52〜63
      *『藝術學研究(No.2)』明治学院大学芸術学科紀要より転載
     [映像を記号として捉えるなかで、「画面」の外にさらなる新たな意味の付加する役割が存在することを論じた]
                        
  14. 加藤幹郎(1996.3) :映画・視線のポリティクス 〜ホロコースト映画についての覚え書き〜
      桂英史/編・著『20世紀のメディアB』ジャストシステム pp.83〜101
     [映画は観客、登場人物、キャメラ(=映像)の各自の視線をリレーして伝わり組織化する事を論じた]
  15. 飯塚久夫(1993.9) :距離・対象・時間拡大からみた技術の変遷
    飯塚・川浦・小林・徳永/編・著『コミュニケーションの構造』NTT出版 pp.156〜172
     [コミュニケーション伝達に用いる技術の変遷の中で、「時間」という観点から"画像・映像"系を取り上げて論じた]
     
  16. ナムジュンパイク・筑紫哲也・水越伸(1995):もし夢が人生の代用ならば、ビデオは夢の代用品だ!
    水越/編・著『20世紀のメディア@』ジャストシステム pp.171〜178
     *「NEWS23」での対談を筆録したもの。
     [人間固有のネットワーク性が持つ双方向的なコミュニケーションについて討論した。]
  17. 粉川哲夫(1992.5) :「映像メディア」として逆用
      粉川・武邑・上野・今福/編・著『ポスト・メディア論』洋泉社 pp.
     [情報の拡張性においての活字メディアを「映像」のメディアに取り込む事を論じた。]
  18. 日高昭二(1992.10) :写真という装置−川端康成の視線−
      日高著『文学テクストの領分』白地社 pp.83〜106
      *「日本近代文学(1992.10)」より加筆・修正して転載。
     [日本の近代での写真(=映像)の役割や問題を、川端の考えを引用して論じた。]
  19. 安川一(1993.5) :マンガの循環−ヴィジュアルの循環−
      香内・山本/編・著『メディアの現在形』新曜社 pp.274〜307
     [マンガの"ヴィジュアル"な表現と日常感性の「循環」を論じた。]
  20. 山田和夫(1970) :万博映像論
      山田著『映像文化とその周辺』啓隆閣 pp.20〜36
     [映像と万国博との関わり合いや、展示された映像の形式や内容の意義について、映像文化・芸術への示唆を交えて論じた。]
  21. 宇波彰(1992) :映像表現の物語作用
    宇波著『映像化する現代』ジャストシステム<1996> pp.64〜79
      *『藝術學研究(No.2)』明治学院大学芸術学科紀要より転載。
     [映像表現の中に人間が読みとろうとする何らかの意味(=物語)づけを論じた。]
  22. 猪俣謙次(1991.2) :日常空間に広がる創像体験の場
      猪俣著『映像化ビジネス』東洋経済新報社 pp.175〜187
     [VRなどの「映像」を拡張した状況下での「創像体験」という新なコミュニケーション・メディアの可能性を論じた]
  23. 大森哲夫(1986.12) :映像の読み取り能力を育てる
      後藤・坂元・高桑・平沢/編・著『メディア教育を拓く』ぎょうせいpp.195〜199
     [映像リテラシーの教育の意義とイメージを拡げるトレーニングの必要性を論じた]
  24. 佐藤忠男(1987.6) :映像から何を読み取るか?   後藤・坂元・高桑・平沢/編・著『メディアを読む』ぎょうせい pp.89〜115
     [マンガ・アニメ・映画などの映像系のメディアから子ども達が読み取り、学ぶことを論じた]
  25. 猪俣謙次(1991.2) :映像と現実の共鳴が起こすイメージの拡大
      猪俣著『映像化ビジネス−視覚情報社会の文化戦略』東洋経済新報社 pp.166〜174
  26. 宇波彰(1995)   :テレビの映像と日常性
    宇波著『映像化する現代』ジャストシステム<1996>
      *『コミュニケーション科学(No.3)』の(書評)より修正・加筆して転載。
     [有力な映像メディアであるテレビによる様々な問題や映像と現実の関係について論じた。]
  27. 山田和夫(1972)  :日本におけるアメリカの映像文化
    山田著『映像文化とその周辺』啓隆閣<1975> pp.54〜65
     [日本の映像文化におけるアメリカ製の映像文化による影響などを論じた]
  28. 松本俊夫(1991.9) :映像の了解と身体
      松本著『映像の探求−制度・越境・記号生成』三一書房 pp.232〜240
     [映像を人間の身体に受容させてゆく上での身体性を論じた]
  29. 松本俊夫(1990.5) :脱自己同一化と映像ビジネス
      植条則夫/編・著『映像学原論』ミネルヴァ書房 pp.134〜138


    ここからは「未見」の書籍となります。

  30. 近藤耕人(1971)   :『映像言語と想像力』三一書房
  31. 四方田犬彦(1983.12) :『映像の召喚−エッセ・シネマトグラフィック』青土社
  32. 波多野完治(1991)  :『映像と教育−波多野完治全集G−』小学館
  33. 河内隆幸(1993.12) :『映像革命CG−コンピュータ・グラフィックで社会、芸術、産業が変わる』図形処理情報処理センター
  34. 中島義明(1996.6)  :『映像の心理学−マルチメディアの基礎−』サイエンス社
  35. 渡辺武達(1995.5)  :『メディア・トリックの社会学−テレビは真実を伝えているか』世界思想社
  36. 三井秀樹(1988.11) :『コンピュータ・グラフィックスの世界−映像革命の最前線を探る−』講談社ブルーバックス
  37. 井上宏(1987.3)  :『テレビ文化の社会学』世界思想社
  38. 四方田犬彦(1994.6) :『漫画原論』筑摩書房
  39. 関口進(1996.3)  :『テレビ文化−日本のかたち』学文社
  40. 香山リカ(1996) :『テレビゲームと癒し』岩波書店
  41. 廣畑一雄(1985)  :『生活の中のテレビ−送り手と受け手の論理』国土社
  42. 山下恒男(1995.3) :『テレビゲームから見る世界』ジャストシステム
  43. 岡村黎明(1993.5) :『テレビの明日』岩波新書 新赤版283
  44. 石田順一(1992)  :『放送とニューメディア』丸善
     
  45. 桜井哲夫(1994.11)  :『TV魔法のメディア』筑摩書房
  46. 藤竹暁(1985.3)   :『テレビメディアの社会力−マジックボックスを解読する』有斐閣選書
  47. 山田和夫(1984.8)   :『偽りの映像−戦争を描く眼』新日本出版社
  48. 青木貞伸(1991.4)  :『映像産業の未来を考える』電波新聞社
  49. 山岸達児(1992.3) :『映像の発想』教育出版センター
  50. 松本正道(1994.9) :『芸術経営学講座C−映像編−』東海大学出版会

 


このページのはじめにもどる

雑多な文献リスト類にもどる    研究の道具箱のふたにもどる

山田晴通研究室へゆく    CAMP Projectへゆく