研究の道具箱:山田晴通
日本の大学についてのコメント等
このページは、「日本の大学・学部一覧」で取り上げている日本の大学について、追加的な情報が必要と考えられる事項について、山田の責任において簡単なコメント、リンク等をまとめたものです。
このページの記載内容は、山田の責任において作成したものです。随時、加筆修正、情報の追加をおこなっていく予定ではありますが、遺漏や誤記も含まれているものと思われます。
特に事実誤認や、不適切な表現等がございましたら、善処いたしますので、ぜひご一報下さい。
その他も含め、お気づきの点は、東京経済大学山田研究室まで、おしらせください。
- 東北文化学園大学について:
- 仙台市の東北文化学園大学は、1999年に開学し、その後2005年度からの薬学部開設(郡山市の新キャンパスを予定)を目指していましたが、2004年1月に理事長が脱税で逮捕され、引責辞任した後、2月には特定高校との間で入試の倍率操作と思われる行為があったことが明らかになりました。さらに、4月には大学開学時の設置認可申請書類に虚偽記載(多額の寄付金についての架空記載等)があることが明るみに出て、郡山市の協力を得て進められていた薬学部設置準備は白紙撤回されました。例えば、「東北文化学園大」と「虚偽」で検索すれば、ヒットするページがいろいろあります。また、記述内容に信頼性はありませんが、こんなページもあります。[2004.05.09.]
- その後、5月には新たに不適正な資金操作がいろいろと明るみに出ました。不正な融資で建設会社等から資金を集め、それを架空寄付金にみせて辻褄をあわせ、公的な補助金などを受け取っていたという、組織的な行為があったようです。さらに、大学への納入を特定の会社を経由するようにして、元理事長らが大学の資金を流出させていたという疑いも出ています。5月分の給料も支給されないまま6月に入り、労働基準監督署から是正勧告が出されました。[2004.06.03.]
- 報道によれば、東北文化学園大学は6月21日に、藍野大学、健康科学大学などの学校や病院などを経営する「藍野グループ」からの支援を受け、民事再生法の適用を申請しました。[2004.06.21.]
- 湘南工科大学について:
- 前身の相模工業大学(学校法人相模工業学園)は1961年に高校を開校、1963年には大学を開学し、法人名も相模工業大学となり、地元では「相工大(そうこうだい)」の通称で知られていました。その後、経営が悪化し、1978年11月には大学として前例のない銀行取引停止に追い込まれました。1981年には糸山英太郎氏が理事長兼学長に就任して再建に乗り出します。その後は、順調に再建、規模拡大を進め、1983年に現在の名称になりました。
- この間、糸山英太郎氏は、一時的に理事長・学長職を離れることもありましたが、一貫して経営の実権を握り続けています。:糸山氏の公式サイトにある名誉総長・名誉教授授与式のコメント:糸山氏の公式プロフィール:
- 1986年以降、労働組合員である教員に対する昇格差別事件が起こり、さらに長期化した労働委員会や裁判の経緯の中で、2002年には労働組合員である教員の懲戒解雇事件が発生しています。:湘南工科大学事件:[2004.07.01./2004.08.08.]
- なお、大学公式サイトにある「沿革」は、テーブル・タグの組み方が少々変則的で、普通のブラウザで見ると誤解を招くおそれがあります。ソース表示を参照されることをお勧めします。[2004.08.08.]
- 北陸大学について:
- 北陸大学では、理事長を中心とした経営側と教学側との対立が、学長選任などをめぐって表面化しています。こうした学内の緊張を背景に、1995年には、北陸大学教職員組合が結成され、「学内民主化」への取り組みが続いています。この間の事情については、『週刊金曜日』(1996.12.20.)に発表された石井賢治氏のレポート「北陸大学にみる文部省・大学審型「自由化」の実情」がウェブ上で公開されています。[2004.07.02.リンク先更新]
- 関西外国語大学について:
- 関西外国語大学では、理事会の実権を握る理事長一族が、大学を私物化していると指摘されています。1998年には教員組合執行委員への懲戒処分事件が起きています。同大学については、1992年に『ワンマン私大の内幕』という暴露本が出版されています。
- 広島安芸女子大学/立志舘大学について:
- 広島安芸女子大学は、広島女子商短期大学を改組して2000年度に開学しましたが、その後2年連続して大幅な定員割れとなり、資金繰りが困難な状態になっていました。2001年9月に福島県の学校法人・佐久間学園(当時:現郡山東都学園)の理事長が新たに理事長に就任し、再建に取り組んでいるとされていました。
2002年4月からは、共学制になり、名称も立志舘大学に改められました。[2001.09.25./2002.03.29./2003.03.15.修正]
しかし、その後、経営はさらに悪化し、理事長もさらに交代しました。そして、2003年1月になり、新年度学生募集の停止、在学生および推薦入学予定者の呉大学への移籍が公表され、事実上廃校されることになりました。完成年度を迎えることなく、卒業生が出ないまま廃校になる大学の例は、戦後混乱期の久我山大学以来ということになります。
なお、佐久間学園は2003年3月に改称していますが、本件との関連は把握しておりません。情報をお持ちの方は、お知らせいただけるとありがたく存じます。
関連報道の例:夕刊フジ「追跡」(ただし、大学名が立志館大学となっている):[2003.03.15./2004.05.14.修正]
立志舘大学のURL(http://www.risshikan-u.ac.jp)へアクセスしたところ、「呉大学社会情報学部坂キャンパス」になっていました。公的資料による確認はまだしていませんが、2002年度末を持って立志舘大学は呉大学に統合されたものと思われます。[2003.04.21./2004.05.14.修正]
呉大学「現在(2003年度)の呉大学坂キャンパスの学生について」[2004.05.14.]
- 福原学園について:
- 学校法人・福原学園は、北九州市で、九州共立大学、九州女子大学、九州女子短期大学をはじめ、高等学校、幼稚園、自動車教習所など、多数の学校を経営しています。
- 福原学園では、理事長を中心とした理事会が不明朗な資金の流出を行ったことなどを契機に、1997年3月に関連大学の4教授会(九州共立大学経済学部、工学部、九州女子大学、九州女子短期大学)が、理事会退陣要求決議を上げるという事態に立ち至りました。また、同学園では、大学教員に対して、事務職や、高校教員への配置転換を強要するなど、強権的な人事をめぐって複数の裁判が展開されました。
- 一連の問題は、1999年6月に旧理事会が総退陣し、文部省・福岡県の意向を受けた新理事会が発足したことを契機に、現在では解決への動きが進んでいます。
- 都築グループについて:
- 学校法人都築育英学園、学校法人都築学園、学校法人都築教育学園などからなる「第一グループ」は、九州の3つの大学(第一経済大学、第一薬科大学、第一工業大学)をはじめ、九州や東京で、短期大学、専門学校など、多数の学校を経営しています。同グループについては、経営する3大学の大幅な定員超過の問題など、様々な批判も存在しています。
- 都築グループは、1996年以来、日本獣医畜産大学の経営移管=買収に乗り出していましたが、1997年末にこの計画は白紙撤回されました。この問題についてのサイト「日本獣医畜産大学移管問題 HOMEPAGE」の中に、「都築総合学園について」の記述があります。←その後、このサイトはなくなりました。
- 2002年4月にグループの新たな大学として第一福祉大学が開学しました。[2002.03.29.]
- 2004年4月にグループの新たな大学として日本薬科大学が設置されています。[2003.05.29./2004.05.14.修正]
- 旧岩田屋本館の購入:グループの資金力を象徴するエピソードです。[2004.02.24.]
- グループの一角である学校法人都築教育学園は、旧・九州学院大学(1968年開設→現・第一工業大学)などを経営し、大学を経営する学校法人として破産宣告を受けた最初の例(1978.11.)となった「坂元学園」(1958年設置認可)を、1985年に改称したものです。こちらのページもご覧ください。[2004.07.01.]
- 大学教職員の労働/雇用に関するメモ:
「日本の大学・学部一覧」サイト外にある、山田の私的ページです。大学の教職員(特に教員)の解雇問題などの事例紹介などもあります。
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以下は、2004年末現在の歴史的文書ではなく、現在有効なページへのリンクです。
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