日本地理学会2004年度春季学術大会の経験をふまえた
会員が少ない大学で大会を開催するためのヒント
当分のあいだは工事中です。少しずつ増やしていきます。(2004.04.14.)
- 実行委員会は、非常勤教員経験者など、会場校の状況を理解している会員を中心に構成する。
- 会場校に所属する会員が1名しかいない場合、非会員の専任教員から協力を得る必要がある。
大会期間中、会場で、「○○はどこ?」といった問いに答えるだけでも、実行委員としての役は果たしていることになるだろう。そのためにも、会場校のことを理解している会員には、名目的であってもよいから実行委員に関わってもらうべきである。
事前準備の段階でも、当日でも、専任教員がいれば融通が利くが、いないとダメということがいろいろ発生する可能性がある。こうした事態に備えるため、会員でなくてもよいから複数の専任教員を実行委員会に確保する必要がある。
東経大大会の場合、実行委員会は、過去数年の間に非常勤教員として東経大に出講していた経験者を中心に構成した。大会の一年程前に、該当する旧・現非常勤講師の全員に、実行委員会へ「参加できない/名目的にのみ参加できる/実質的にも参加できる」のいずれかを選んでほしいという照会をし、「参加できる」と回答のあった方々で実行委員会を組織した。
これに加えて、非会員の東経大専任教員1名に加わってもらい、体制を整えた。
なお、東経大大会の実行委員には、たまたま本務校が会場校となった経験のある者が2名おり、多くの助言を得ることができた。会場校の非常勤経験者でなくても、近傍の大学等に、既に会場校を経験している会員がいれば、そうした方に実行委員となってもらうのもよいかもしれない。
- 実務的な決定は、会場校の専任教員である責任者(実行委員長)が独断で下せるようにする。
会場校の会員が一人の場合はもちろん、少数の場合でも、諸々の細かい事項の決定は、責任者が独断で迅速に進められるようにする。
事前準備の段階では、会場校の責任者(実行委員長)が準備状況を報告し、進捗を確認するとともに準備に穴がないか助言を求める機会として実行委員会を位置づけ、大会が近付くにつれて会合の間隔が短くなるように開催日程を設定する。
大会直前や期間中は、変則的なことや突発的なことへの対応などで、責任者は実務的な判断にいちいち関わっていられなくなる可能性が高い。大会直前や期間中は、独断で迅速に判断する権限を現場に近い立場の者に下ろし、責任者は適宜報告を受けるだけにする。
- 特定の行事をもっぱら担当する実行委員を設定する。
大会期間中には、様々な行事が行われるが、場合によっては、特定の行事をもっぱら担当する実行委員を設けることも有効である。日本地理学会の大会は、比較的規模の大きな学会だが、これを小さな学会の集会なり研究会の集まりと見立てて、単位となりえる行事については、特定の実行委員に決済を一任することで、効率良く準備が進むものと期待される。
東経大大会の場合、前日の東経大主催シンポジウムとそれに連動した日曜日のフォーラムをもっぱら担当する者、環境地図展と地理教育公開講座をもっぱら担当する者を決め、その分野について決定権をもって準備と実施にあたってもらった。
- アルバイトの動員については、地理学専攻の院生がまとまった数いる近傍の大学に支援を仰ぐ。
- アルバイトは、基本的な職務を明確にして、数名から十数名のグループごとに分業制をとる。
東経大大会の場合、アルバイトは大きく三つのグループから成っていた。東経大には地理学専攻の院生はいないので、あくまでアルバイトとして参加した東経大の院生や学生は、設営・撤収や受付業務をもっぱら担当した。会場内に入る会場係については、地理学を専攻する日本大学と東京大学の院生それぞれ十名あまりで発表会場3つずつを受け持ってもらった。各グループ内でのローテーションや、欠席者の補充などは、それぞれの大学のチームの自主性に任せた。
さらに、職務を限定して特定の職務を配当した者も若干名いた。上記の三グループのほか、地図展の設営・管理等にあたった者(3名のローテーションで常時2名を確保)、研究室の電話番(常時1名を配置)などが配置された。
- アルバイトの動員には、メリハリをつける。
- 準備段階から計画的にアルバイトを動員することで、期間中の動員数を圧縮できる。
アルバイトの人手が必要となる時間帯は、かなり限られている。具体的には、土曜日の午前中から昼にかけて、登録者の処理をする局面がピークとなる。この時間帯は少しでも多くのアルバイトを動員できるようにする。
しかし、以降の時間帯では、必ずしも同じ人数は必要ない。従来の事例ではピーク時に合わせてアルバイトの人数を決め、その人数を2日間確保するという想定がされている場合が多いようだが、アルバイトの動員にメリハリをつけることで人件費は圧縮できる可能性がある。
一方、事前の準備作業に動員するアルバイトを十分考慮することも大切である。東経大大会の場合、他大学からのアルバイトの責任者たちに対する教室設備の操作方法の説明など、事前の打ち合わせへの参加などもアルバイトに算入した。また、1月以降は、大学院生1名をほぼ専従に近い形で大会準備作業のアルバイトとして確保し、応分のアルバイト代を支払った。
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