学生による学生のためのコミュニケーション学部の講義紹介

言語学

総合教育科目:A群:選択必修:通年:4単位:

学部・教員による講義の紹介
学生による講義の紹介
担当者:内田 平:中村 嗣郎
言語学:中村 嗣郎:

  • 隔年で、内田平先生と中村嗣郎先生が担当。’96年度担当は中村先生。
  • 出席は毎回取る。評価は出席+前期末テスト+夏休みレポート+年度末テストである。大変そうだが、本当に大変である。
  • 授業は大変丁寧に進められる。であるのでノートの量も大変なものになる。一回休むとどんどん進んでいるので友人は必ず必要だろう。
  • 出席は出席カードで取られる。人数を数えてカードを配るので、代返は少し難しいが出来ないこともない。しかしたまに、演習を解いて提出しなければいけないときがあるので、やはり出席は必要である。
  • 夏休みレポートは言語学に関係のある本を読んでレポートする。自分で探してもいいし、先生から何冊かの推薦もある。
  • 一部日本語教育法と共通するところがあるので、この授業を取っていると日本語教育法もわかりやすくなる。
  • 年度末試験は授業の最後に行われるが、持ち込みは不可。

’96年度 年度末試験

1から11の質問にすべて答えなさい。答えは回答用紙に記入すること。

  1. 英語では、コーヒーは数えられない名詞なので、普通、(a)のように用いますが、(b)のように使われることもあります。
      (a) I like coffee.
      (b) Two coffees,please.
    (b)の使い方は、(a)の使い方とどのように異なりますか、答えなさい。また、これと関連させて、つぎの(c,d)の文について、簡単に論じなさい。
      (c) Keiko works for sony.(「恵子はソニー社に勤めている。」)
      (d) It’s a sony.(「ソニー社の製品です。」)

  2. 日本語では、場所を表す名詞句の後に格助詞「に」がつく場合と「で」がつく場合がありますが、「に」と「で」はどのように違いますか。例をあげながら、論じなさい。

  3. 「英里子は名古屋に行った」は「英里子は名古屋へ行った」としてもいいですが、「英里子は静岡にいる」は「*英里子は静岡へいる」とすると、おかしな感じがします。これはどうしてですか。

  4. 次の2つの文が表す意味を、図などを使って示し、2つの文に現れる across the street from the library の意味の違いがどこにあるか説明しなさい。
      (a) John walked across the library.
      (b) The hotel was across the street from the library.

  5. 次の文にはすべて「移る」という動詞が使われていますが、それらの意味は特にどのような点で異なっていますか。簡単に述べなさい。
      (a) 猫はテレビの上から机の上へ移った。
      (b) このビルはアメリカの企業からわが社の手に移った。
      (c) その国の経済は成長期から安定期に移った。
      (d) 会議は木曜の3時から金曜の9時に移った。

  6. (b’)の文は日本語としてなぜ不自然なのか、説明しなさい。
      (a)  健が家に帰った。
      (a’) 英里子が健を家に帰らせた。
      (b)  健がコーヒーを作った。
      (b’)* 英里子が健をコーヒーを作らせた。

  7. 次の文(a,b)そして(a’b’)は自然な日本語ですが、(b’’)は(a’’)に比べて不自然な感じがします。その理由を説明しなさい。
      (a)   英里子が門のところに立った。
      (b)   新しい国旗が門のところに立った。
      (a’)  健が英里子を門のところに立たせた。
      (b’)  大統領が新しい国旗を門のところに立たせた。
      (a’’) 健が英里子に門のところに立たせた。
      (b’’)*大統領が新しい国旗に門のところに立たせた。

  8. 「みつばち」と言うと「はち」の一種であり、「はちみつ」と言うと「みつ」の一種であるのには何か理由があると考えられますか。簡単に論じなさい。

  9. 日本語の受け身を表す形態素は何ですか。下の例を参考にしながら、母音動詞に対する受け身の形態素と子音動詞に対する受け身の形態素をそれぞれ答えなさい。
      taberareru    taberareta    taberarenai    (ー食べる)
      namerareru    namerareta    namerarenai    (ーなめる)
      nagerareru    nagerareta    nagerarenai    (ー投げる)
      yobareru      yobareta      yobarenai      (ー呼ぶ)
      yomareru      yomareta      yomarenai      (ー読む)
      warawareru    warawareta    warawarenai    (ー笑う)
      osareru       osareta       osarenai       (ー押す)

  10. 英語の books he bought という表現は、日本語の「彼が買った本」に相当しますが、英語ではbooksが先に来て、日本語では「本」が後に来ます。これはどうしてですか。

  11. 子供が言語を簡単に身につけることができるのは、どうしてだと思いますか。言語学の授業で聞いたことを参考にして、自分の考えを述べなさい。
[1996年度受講:馬谷 麻美]

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